祝島の日々 2007 7〜9月

夏の太陽と浜風で干し上げるタコ

島でとれたタコを、島の浜で干す
 夏の祝島に来た人は、エジリの波止の上に並ぶタコの足を見たことがあるはずです。

 それは祝島のおばちゃんたちが作る干しタコです。

 島でとれたマダコの足を、夏の太陽と浜風で一週間以上かけて干し上げます。

 この干しタコ、以前は炙って酒の肴にするか、炙って薄く切ったものを砂糖醤油や酢味噌に漬けて珍味にする食べ方が主でした。

 しかし数年前にこの干しタコで作ったタコ飯がとても美味しいことが分かり、現在ではタコ飯用の干しタコとして、大阪や東京に生産量のほとんどを出荷しています。

 ゆでタコで作ったタコ飯ももちろん美味しいのですが、祝島の干しタコで作った深みのある旨みのタコ飯も、ぜひ一度召し上がってみてください。 

どれだけ天気が良くても、
干しあがるまで最低1週間以上



塩揉みから干し上げまで、全て手作業でやってます
(撮影7/24 記8/27)


早掘りかんしょの収穫
今年最初の祝島のサツマイモ
7月半ばでこの色と大きさ!
 昨年から上関町では、町の特産品として早掘りかんしょの生産に取り組んでいます。

 (「早掘りかんしょ」は最盛期の9〜10月より前の、7〜8月に出荷されるサツマイモのことです)

 祝島の農家は、以前にも早掘りかんしょの特産品化に取り組んだことがありますが、このときは流通経路や販売先の問題が解消できず頓挫しました。

 しかし、山口県内でも飛びぬけて温暖な気候のため、特別な施設や経費を必要とせずサツマイモを7月中に出荷できることは間違いなく、また潮風を浴びる島の風土で育ったサツマイモの味は格別で、祝島の農家は島のイモの旨さには自信を持っています。

 そのため昨年来の町の「早掘りかんしょ」特産品化の取り組みに対しては、島の農家有志も再度挑戦することを決め、今年も祝島の早掘りかんしょを出荷しました。

畑から周防灘を望む
潮風で祝島の芋は、より甘くなる



急斜面を切り開いて作られた見事な段々畑が祝島には多いが、石積みが崩れ、また耕作放棄されて荒れた畑が増えてきているのも実情

イモには生産者の名前だけでなく、「祝島」と書かれたシールも

祝島をはじめとした上関町産のイモが並ぶ


同じく早掘りかんしょを生産する上関の婦人グループもお客様にPR


試食用の大学イモは大好評
実は、マックスバリュ柳井店店長の手作り!


 昨年出荷された上関町産の早掘りかんしょは全てマックスバリュ柳井店に並び、かなりの好評だったそうです。

 今年も7月中に出荷されたイモはまずはマックスバリュ柳井店に並びました。

 発売初日の7/22には上関の婦人グループのPRや大学イモの試食などもあり、多くの人が足を止めていました。

 8月以降は、同じマックスバリュの平生店などでも販売されるとのことです。

 また、祝島の農家では自分で流通先を開拓している人もいて、今年は山口県内だけでなく広島の市場への出荷も計画しているとのことですので、祝島のサツマイモを広島で見ることができるかもしれません。
 
(撮影7/17、22 記8/15)


台風5号、接近中
 台風5号が接近してきました。

 島の人たちは朝から台風に備えて山や海、また家の準備に走り回っています。

 前回の台風4号はうまく逸れてくれましたが、今回はほぼ直撃するのは間違いなさそうです。

 台風が最接近する3日深夜から4日未明の時間帯は、ちょうど満潮時と重なっています。

 風雨はもちろん、高潮にも注意が必要です。

 なお、接近中の台風5号の名前は「USAGI(ウサギ)」だそうで、はかわいい名前とは裏腹に大きな被害が危惧されます。

関連リンク
気象庁 台風情報

今年最初の台風接近に備える(2007年台風4号)

3日の夜は台風の来襲と満潮が重なるため、
この道の上まで潮が上がる可能性も

瀬戸内は高潮に要注意



昼の満潮時の島の西の海岸
すでに波はかなり高くなっている

(撮影8/2)


毎年恒例、祝島小学校でシーカヤック教室


 祝島小学校では児童数が極端に少なくなって以降、逆にそれを生かして、少人数でないとなかなかできない、さまざまな体験型の授業を地域の人たちと行っています。

 夏には毎年シーカヤックの授業があり、児童や先生方だけでなく、児童の兄弟や地域の人たちも一緒になってシーカヤックを漕ぎます。

 5〜6年生のときに3時間かけて島を一周した児童も以前はいましたが、今の児童は3年生と1年生なので、島一周はまだまだ先の話です。

 今回の講師も DAIDUK OCEAN KAYAKS & ADVENTURE の原さんで、まず事前に海での危険回避についてしっかり教わりました。

 その後、東の波止の中で軽く練習し、集落の東にある烏帽子岩(通称:よぼし)まで漕ぎ出します。

 子供の数より多い大人のサポートや、また子供たち自身もすでに2〜3年目の授業のため、多少強め風の中、バテながらもしっかり往復してきました。

 この授業が終わってしばらくすると1学期も終了、祝島小学校も夏休みに突入です。

バテるみさきちゃんと、サポートのクニヒロさん
間にちょこんとカズマくん



頑張る1年生、リュウマくん



東の波止を出て



今回の目的地は集落の東、烏帽子岩
今回は波は無いけど少し風が強い


また来年もやるぞ!
(撮影7/17)


台風一過で海岸清掃



 九州や四国などで被害が出ている台風4号ですが、幸い祝島では大きな影響はあまりありませんでした。

 台風が抜けた15日は、吹き戻しの西風が多少あるものの朝から晴れました。

 島では15日には海岸清が予定されていて、台風の影響によっては延期も検討されていましたが、予定通り、台風の後始末も兼ねて集落総出で海岸清掃を行い、海岸通りの道や浜の掃除、草刈りなどを行いました。



みんなで手分けしてきれいにしていきます


顔を合わせては、「そがいにつおらんでえかったのお(そんなに風が強くなくてよかったなあ)」と声を掛け合います

石積みの波止場のすぐ向こうに見えるのが、上関原発建設予定地の田ノ浦です

(撮影7/15)


今年最初の台風接近に備える
 大型の台風4号が日本に近づいてきました。

 島を直撃はしそうにありませんが、九州南部から四国沖、あるいは四国に上陸するコースは島にも近く、大型ということもあって警戒が必要です。

 今年最初の台風へ備え、島では漁師や船を持っている人が朝から台風対策にかかりきりです。

 普段、船を繋いでる綱より数倍太い「心綱」を張り、それに船をしっかりと繋ぎこみます。

太く重い心綱をしっかり張るのには力が要ります



上の茶色く太い綱が心綱
下の白く細い綱が普段船を繋いでいる綱
 島の波止場の中は、西も東も中(エジリ)も船が整然と並んで繋ぎとめられています。

 台風は14日の夕方から15日未明にかけて最接近する予報で、特に14日は朝から強い風雨が予想されます。

 なお、昨年から島の有志が特産品にするべく取り組んでいる「早掘り甘藷」についてですが、今年は今月17日の初出荷を予定していました。

 これまでのサツマイモの生育は順調で7月中の出荷も問題なさそうだったのですが、この台風の影響による連日の降雨で畑から掘り出せず、初出荷は少し先に伸びそうです。
(早掘りのサツマイモは皮が薄いため、晴れた日や薄曇の日に掘り出して畑で少し乾かさないと皮がすれて傷だらけになってしまうので、雨が降っているときや降雨の直後は収穫できません)

関連リンク
祝島の天気(Yahoo!ジャパン)
台風18号襲来(2004年)

(撮影7/13)



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