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福岡の港に佇む「ホクレア(hokule'a)」(2007/5/13撮影) |
ハワイの伝統的な製法で作られた、動力を積まずに風で進み、機器を載せずに星を見て進む方角を知るカヌー、「ホクレア」が、太平洋を越えてハワイから日本へ来ていることはページのトップのリンク等で紹介させていただいています。
このホクレアが日本までやってくるという話を聞いてから、祝島では瀬戸内カヤック横断隊の関係で交遊のあるシーカヤッカーの方たちをはじめとした祝島や祝島の海を愛する人たちの協力を得て、日本航海の際にはぜひ祝島に来てもらおう、という働きかけを行政とは関係なく自分たち自身で以前からしてきました。
そして幸いにも、それが実現しそうです。
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5/16現在、ホクレアは福岡の港に入港しています。本来なら17日に出航の予定だったようですが、17日は強風と高波が予測されるためその日の出航を避け、18日以降に福岡を発って関門海峡を抜け、新門司港に停泊。翌日の昼頃に祝島に寄り、そしてその日のうちに周防大島に到着するとの予定だそうです。
もちろん、天候や海の状況、またスケジュールの関係で祝島寄港は実現しないかもしれませんが、祝島としては、1000年以上の歴史がある4年に一度行われる祭りで、いわば島の誇りとも言える「神舞」、その神舞で使われる、昨年新造船が進水した「櫂伝馬」で迎えるなど、できる限りの歓迎と祝福をもって、はるばる太平洋を渡ってきたホクレアとそのクルーに敬意を表する予定です。
現在のところ、19日の昼ごろが祝島寄港の最有力候補ですが、天候によっては20日、あるいは21日にずれ込むかもしれません。
日時については上記のような状況ですのではっきりとは言えませんが、おそらく祝島に当日10時半着の便で来島されれば、ホクレアと櫂伝馬が並ぶ姿を見ることができるかもしれません。 |
伴走船のヨット「カマヘレ(kamahele)」(5/13撮影)
こちらもホクレアとともに太平洋を渡ってきた
ヤンマーディーゼル製のエンジンを積んでいる関係で、
この航海もヤンマーが曳航船の手配をしている |
「DAIDUK(ダイドック)」では上関航運と協力して上関町室津に8時からチャーター船を出す予定ですので、興味のある方はそちらをご利用されるのもよいかと思います。(詳しくはダイドックのリンク先を参照)
祝島は万葉集にも「 草枕 旅行く人を 祝島 幾代経るまで 斎 ひ来にけむ 」と詠われているように、瀬戸内の西の入り口(出口)の島であり、海の旅路を祝福する島でもあります。
また先にあげた「神舞」という祭りも、嵐を避けて祝島に避難してきた国東半島にある伊美別宮社の神主一行を祝島の島民が厚くもてなしたのがきっかけと言われています。
そういった島であるからこそ、ぜひホクレアには祝島に来てもらって彼らの日本航海の安全を祝福したい、そういう思いで働きかけてきました。
また一方、高齢化が進むこの島で「神舞」がいつまで続けられるのかは切実な問題であり、そういった中で今回ホクレアを迎えるにあたり、祝島島民だけでなく祝島を愛する多くの人たちの力も合わせて櫂伝馬を出し、ホクレアを迎えようとしています。
祝島としてはこれをきっかけに、来年(2008年)に迎えた4年に一度の「神舞」を行う力を、島の伝統文化を継続するための力を見出したい、そしてはるばる太平洋を渡ってきたホクレアの力強さと、そのクルーたちの勇気を分け与えてもらいたい、そういった思いもあります。
自分たちのこういった思いをホクレア側に伝えてきましたし、またホクレア側もそれを理解してくれたからこそ、ホクレアが祝島に寄ることが現実味を帯びてきたのだと思います。(もちろん、実務的な面での問題もきちんと対応してきました)
先にも書いたようにホクレアが必ず祝島に来ると断言はできませんが、どのような結果になっても祝島は「旅人を斎う(いわう)島」として、ホクレアの航海の安全を祈っています。
なお福岡の次の公式な寄港地は、移民の関係でハワイと非常に縁の深い周防大島であり、そちらの予定になるべく影響が無いようホクレア側とも調整していることはここに明記しておきます。
実際、周防大島にホクレアはかなりゆったりと滞在しますので(4日間)、確実にホクレアを見たい、ホクレアのイベントに参加したい、と思われる方はホクレア号が周防大島にやってくる!(周防大島ドットコム)を参考に、ぜひ周防大島に足を運んでください。 |
(2007/5/16 祝島市場ホームページ管理人記)
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