オーナーのひとりごと  VOL.62
『社会実験』で若桜谷をSLが走る '15.4.11  鳥取・若桜鉄道

 鳥取の若桜鉄道では、圧縮空気で動くC12を所有し、若桜駅構内で転車台も使用した展示運転を行っています。最終的には石炭を燃やして走る完全復活を成し遂げて、後から購入した12系客車を牽引し観光列車として本線を走らせることを目指しているのですが、それを実施することによって、地元にどれだけの経済効果をもたらすのか、また問題は発生しないのかという点を検証するための「社会実験」が、4月11日に行われました。C12には車籍がなく、機関車としての走行ができないので、補機?としてこれも後から購入したDD16のブッシュ・ブルでの走行。たとえ無火とはいえ、45年ぶりにこの路線をSLが走るとあって、多くのファンや報道機関が若狭の谷に集まりました。

■■若桜駅■■
 この日はまず若桜駅で同行のメンバーと合流。SL出発の前に式典やヘッドマークの除幕式があったようです。またこの駅は桜で有名で、夜は桜とSLのライトアップがあり、翌日には「さくらまつり」も開催されました。
 走行区間は若桜〜八東間で、若桜鉄道ではこのイベントの間、列車を運休にして代行バスで対処。線路は工事等による閉鎖の扱いになっていました。そして乗客のかわりに、この路線の各駅で見られる「かかし」の人形を乗せて、時速15キロほどのゆっくりした走行です。
 沿線での不法・迷惑駐車や撮影ポイントでの混雑を想定して、八東川にかかる鉄橋2ケ所の好撮影スポットは、入場が有料・予約制となり、その近辺の臨時駐車場も有料となりました。私は堤防に桜がある第二八東川橋梁を予約していましたので、若桜駅構内の様子を数カット撮ってから、車で移動です。
 途中の沿線では、撮影ポイントとなりそうな場所のあちらこちらに三脚が立ち、踏切の近辺にもたくさんの人が待機中。それらの場所や並走する国道では、警察官や地元ボランティアの方々おおぜいが警備・誘導・整理にあたっているのが見えました。

■■第二八東川橋梁■■
  
 往路はDD16を先頭に、C12が最後尾で走行。ゆっくりと鉄橋上に現れた列車は、往復とも5分間の停車をしてくれて撮影タイムが用意されていました。せめて煙ぐらいは…と、何かを燃やして煙突からの煙を演出してくれていました。
 この地の桜は「ちり初め」で、少し強い風が吹くと花吹雪が舞うといった状況。復路のSL先頭の際に、うまくいけば桜吹雪の中を往くSLが撮れそうでしたが、残念ながらタイミングは合いませんでした。
 
 撮影地や駐車場を有料にすることには賛否両論があるでしょうが、大きな混乱を起こさないためと、少しでも若桜鉄道やそこでのイベントを手掛ける地元の役に立つなら、私としては全く問題はないと思いますし、寄付金として考えれば安いものです。 また、各駅付近では無料の臨時駐車場も用意されており、運営側は過去の似たようなイベントの実例を検討しつくしていた感がありました。
 それでも線路際に入り込んだりする者はいたようで、その者たちの行為がこのような鉄道ファン向けのイベントを少なくしてしまっていることに、早く気づいてもらいたいものです。
  

■■今回のおまけ=山陰本線・大岩駅■■
 実は若桜鉄道のイペントに併せて、餘部鉄橋に通ったファンの同窓会?を行いました。若桜から餘部へ移動する間に、「桜」つながりということで、山陰本線の桜の名所「大岩」駅に立ち寄り。こちらも満開の時期は過ぎ、ちり初めでしたがなんとか間に合った撮影となりました。

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