東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)
地殻変動

東北地方太平洋沖地震はマグニチュード9.0という巨大な地震で、大規模な地殻変動を伴いました。地震による海底の急激な上昇が大津波を発生させました。


 地震に伴う地殻変動 国土地理院 

国土地理院公表の図より地震による地殻変動を把握することができます。このような変動の開始は地震の発生と同時に発生したものであり、大学や研究機関のデータを比較検討しても地震直前の「前兆すべり(プレスリップ)」は観測されていなかった(4月26日 地震予知連絡会)とのことです。東海地震ではプレスリップを捉えることが直前予知の柱になっています。今回の地震と東海地震では断層面の状況が異なるので東海地震の直前予知を否定することはできませんが、直前予知の難しさが今回の地震でも痛感されました。

矢印はGPS測点が地震によって水平方向にどのように動いたか(移動方向と移動量)を表しています。赤☆印は震源位置
左の図で、矢印の長さが同じとなる点を連ねた等変動量線図(コンター図)です。
図中に長方形は断層面を表しています。2つの長方形の断層が動いたとする断層モデルは、GPSの観測結果(水平方向の変位)と合致することを示しています。  左図の断層モデルによると、上下方向の変位は断層の上面端付近(海溝側)で最大5.5m程度隆起し、本州沿岸側で沈降することを示しています。

宮城県沖の海底が24m動く 海上保安庁 

海上保安庁の海底地殻変動観測によると、震源近くの海底が沖方向に24m動いていることが分かりました。海底地殻変動観測は調査船の位置をGPSで、調査船と海底に設置した基準点の距離を音響測距で同時に観測ることによって海底基準点の位置を求める方法です。 

調査船による海底基準点の位置決定であり、陸上のGPS基準点のような連続観測ではなく、年に数回の観測に限られます。

東北地方太平洋沖地震に伴う海底の動き(水平)
宮城県沖の海底が24m動く 海上保安庁 平成23年4月6日 より

「宮城県沖1」海底基準点は海溝陸側の水深1700mの地点に2001年に設置されている。


 地盤沈下

地震発生の翌朝、ヘリコプターからの被災地の映像がテレビで映し出されていました。夜明けから間もない時間帯で、まだ薄暗くコントラストの少ないぼんやりとした映像でした。リコプターは海岸に沿って移動し、海岸平野から人家のある辺りを映し出していましたが、しばらくは何が映っている分かりませんでした。解説者が「海水が引いていません。地盤沈下としか考えられません。」といっていました。白くみえるのは空の反射であり、ズームアップされた人家はその影が水面に映っていました。画面は全く静かで動くものは何もなく、人家や木立の他は道路や土手、水路などでしょうか、水面を分断して直線的な構造物が幾筋も走っていました。

 今回の地震で東北地方沿岸は広範囲にわたって沈下し、岩手県釜石市、大船渡市、陸前高田市、宮城県気仙沼市、石巻市、南三陸町では60〜80cm程度の沈下が計測されています。地盤沈下に加えて、特に平野部では津波により堤防が全半壊したり、砂丘が浸食されたりしているので、高潮等に対する安全性が著しく低下していると指摘されており、台風などによる高潮が脅威となります。
 長期的には下記のサイトのように徐々に隆起するのではないかと説明されています。しかし、この隆起は地震による一連の地殻変動であり、数年間の短い期間で元の状態に戻ることは期待できません。
 沈降した海岸はどうなる? 産業総合研究所 活断層・地震研究センター

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