関東大震災の跡と痕を訪ねて

番号 : 寒川町 AK-05

高座郡寒川町田端 --- 貴船神社の破損鳥居による記念碑 ---

  • 所在地:高座郡寒川町田端824 貴船神社境内
  • 碑銘:嗚呼大正十二年九月一日之大震災
  • 形状:柱状石柱群(倒壊鳥居)
  • 建立年月日:大正15年ごろか
  • 交通:JR相模線「香川」駅から徒歩約35分(行程約2.2km)
写真1 貴船神社 全景

写真1 貴船神社 全景

写真2 社殿

写真2 社殿

写真3 社殿に向かって左側奥に破損鳥居による記念碑がある

写真3

社殿に向かって左側奥に破損鳥居による記念碑がある

写真4 大震災紀念碑

写真4

破損鳥居による記念碑
中央の最も長い石柱に、「嗚呼大正十二年九月一日之大震災」と刻まれている

撮影:2015/4

貴船大神神社の御祭神と由緒沿革

< 案内板より抜粋 >

  • 御祭神
  • 加具土命(かぐつちのみこと  貴船大神)  倉稲魂命(うかのみたまのみこと 稲荷大神)
  • 譽田別命(ほんだわけのみこと 若宮八幡宮) 大山咋命(おおやまくいのみこと 日枝大神)
  • 大雀命(おおささぎのみこと  若宮八幡宮) 日本武尊(やまとたけるのみこと 御嶽大神)
  • 由緒沿革
  • 建久年間の創建と傳ふ 住吉に於ける社殿の規模は明らかではないが現存する萬治2年社殿再興の棟札及び其の後の修覆再建等の棟札(より)造榮の沿革を知ることが出来る 社名については文政7年の差出帳に「鎮守貴船宮社地15間四方釣鐘一口云々」と記し新風土記には「貴船社鎮守なり例祭9月29日云々」とあり又棟札には貴船大明神と記し区々であるが明治2年村社に列格の際貴船大神と改稱す 明治41年田端地内の無格社若宮八幡宮並に境内三社稲荷大神・日枝大神・御岳大神を合併 大東亜戦後社格改廃に依り現在神社本庁所属となる
  • (案内板は縦書き、漢数字をアラビア数字に変更、読点位置に空白を挿入、( )内追加)



破損鳥居による記念碑

記念碑は関東地震で倒壊・破損した鳥居からできており、中央の最も長い石柱には「嗚呼大正十二年九月一日之大震災」と刻まれています。その左側の石柱には「治四拾五年五月建之」とあり、明治45年5月に建立された鳥居が、関東大震災で倒壊して明治の明と治の間で破断したものと推定できます。

案内板の由緒改革には「明治41年田端地内の無格社若宮八幡宮並に境内三社稲荷大神・日枝大神・御岳大神を合併」とあり、合併後の明治45年に鳥居が建立されたのでしょう。

現在の鳥居には大正15年9月1日再建とあり、震災の3年後に建てられています。破損鳥居による記念碑もこのころに造られたと思われます。