地震・防災関連用語集
カテゴリ:地形
関東大地震で上昇した波食台
波食台と海食崖
海に面した陸側の岩盤は押し寄せる波浪によって侵食を受け、破砕された岩屑は潮流によって運搬されます。
低潮面より上は風化作用と波浪による侵食作用が大きいために侵食が陸側に向かって進行するに従い平坦面が形成されていきます。この平坦面を波食台あるいは波食棚(ベンチ)と呼びます。
波浪の破壊作用を前面に受ける陸側斜面は下部を波浪によってえぐられ、不安定になって崩壊するために崖ができます。この崖を海食崖または波食崖と呼びます。特に岬の先端部では激しい侵食作用が働くために切り立った海食崖となることが多くなります。波食台も海食崖も岩石海岸の代表的な侵食地形です。
関東大地震によって相模湾北岸の小田原付近から房総半島の先端に至る地域で最大2m隆起しました。
地震前には海面下すれすれに没していた江ノ島(神奈川県藤沢市)の波食台が地震に伴う隆起によって下の写真のように海面上に姿を現しました。波食台は満潮時には海面に没し、干潮時にのみ海面に姿を現すのが普通ですが、ここでは隆起した海食台の上を散歩することができます。