地震・防災関連用語集
カテゴリ:地震
一般的表現として報道などに用いられる地震の分類的用語に直下型地震と海溝型地震があります。直下型地震はマスコミによって広められた用語とされ、イメージとして捉えやすいことから一般に定着しています。直下型地震の条件はあいまいですが、①内陸部で発生する地震で、②人が地震と感知できるような比較的大きな地震動あるいは被害を伴うような地震が当てはまります。このような条件に対応する地震には活断層によって発生する地震が大部分を占めますが、他に日本列島の下で発生するプレート間地震や一部のプレート内地震があります。この場合、プレート間地震やプレート内地震は比較的浅いものだけが意識されているようです。
直下型地震と海溝型地震を対比的に用いることによって日本で起こる代表的な被害地震を示すことができることから、両者は震災や防災に重きを置いた表現であろうと思われます。
東京湾北部地震は中央防災会議が実施している被害想定地震(具体的な地震ではない)です。1923年(大正12年)の関東大地震の破壊領域よりさらに内陸部の領域が破壊する地震を想定した地震であり、この種の地震はある程度の切迫性があると考えられています。この想定地震はフィリピン海プレートの上面で起こるプレート境界型地震ですが、東京都都心の直下で発生することを想定した地震であることから直下型地震とも呼べる例です。
1891年(明治24年)の濃尾地震、1927年(昭和2年)の北丹後地震、1943年(昭和18年)の鳥取地震、1945年(昭和20年)の三河地震、1948年(昭和23年)の福井地震、1995年(平成7年)の兵庫県南部地震、2004年(平成16年)の新潟県中越地震などは活断層が活動することによって発生した直下型地震であり、繰り返して大被害が発生しています。
文部科学省の地震調査研究本部地震調査委員会では日本の98断層帯について長期評価を実施しおり、発生確率などを公表しています。主要98断層帯とはその活動が社会的、経済的に大きな影響を与えるとして拾い出された一定の基準を満たす一連の活断層群であり、その後追加されて現在は120の断層帯が評価対象となっています。