地震・防災関連用語集

カテゴリ:地震

連動型巨大地震

海溝沿いで繰り返して発生する海溝型地震は特定の震源域を持ち、その震源域によって特定の名称で呼ばれる地震ですが、時として隣り合う複数の震源域が連動して動き、連動型巨大地震となることがあります。東北地方太平洋沖地震は誰もが予想しなかった連動型巨大地震で、発生して初めてこのような地震が起こり得ることを思い知らされました。

南海トラフを震源とする東海地震、東南海地震、南海地震は連動あるいは短期間のうちに連鎖的に発生する傾向があることが知られおり、1707年の宝永地震は複数の震源域が連動した地震であると考えられています。一方、津波堆積物の研究から、千島海溝沿いの北海道東部(十勝、釧路)や日本海溝沿いの仙台平野でも巨大な津波がしばしば来襲したことが分かり、これらの津波は連動型巨大地震により発生したものと考えられるようになりました。

津波堆積物の研究調査の歴史は浅く、その結果が防災対策や防災意識として社会に受け入れられる前に連動型巨大地震である東北地方太平洋沖地震(東日本大震災 2011年3月11日)が発生しました。この地震は防災対策や防災意識を介して社会を変えるほどの大きな衝撃を与えました。少なくとも原発が今後とも増え続けることは許されない社会になると思われます。