地震・防災関連用語集

カテゴリ:地震

マグニチュードと発生頻度の関係(グーテンベルグ-リヒターの関係)

小さい地震は多数発生していますが、大被害が生じるような大きな地震はまれにしか発生しません。ある広がりをもった地域で一定以上の期間内に起こった地震においては、「マグニチュード」と「その発生個数の対数」との間に直線的な関係が成り立ちます。この関係をグーテンベルグ-リヒター(Gutenberg-Richter)の関係といい、
log n(M)=a-bM
の式で表されます。ただし、Mはマグニチュード、n(M)はマグニチュードMの地震の発生個数、aとbは定数でbは地域性などに違いがあり、bが大きいほど相対的に大きな地震が多くなります。

 

グラフ 地震の規模と発生頻度との関係

横に並べた図の左側のグラフ*はマグニチュード(地震の規模)と発生頻度の関係を表しており、小さいマグニチュードの地震は多数発生するがマグニチュードが大きくなると発生頻度は急激に減少することを示しています。右の図は左と同じデータ**で縦軸を対数で表示したグラフです。プロット点が一直線上に並んでおり、グーテンベルグ-リヒターの関係がよく成り立っていることがわかります。

 

グーテンベルグ-リヒターの関係が成り立つということは「地震を発生させる断層の破壊が始まった後、破壊が小規模の段階で終わるか、あるいは拡大して大地震に至るかは偶然に支配される」ということを意味すると考えられています。これに対してある地域の最大規模の地震には上限がありグーテンベルグ-リヒターの関係が成り立たないという観測結果もあり、その地域の最大規模の地震はその地域に固有の地震であると言う意味でこれを固有地震と呼んでいます。

左側のグラフ*

データは理科年表(国立天文台編)2005の693ページのデータを使用。(北緯25~48°、東経125~150°の範囲[日本列島を囲む範囲]で、1961年から1999年の間に気象庁が決めたM5以上の地震)

同じデータ**

正確には同じデータではない。右側のグラフは、M8.0の地震の個数が0であるためにM8.0以上の2個のデータを除外している。採用したデータが示す直線はグーテンベルグ-リヒターの関係を示しており、式は log n(M)=7.490-0.919M で表される。