地震・防災関連用語集
カテゴリ:災害
災害の危険の程度を図面に表した図をハザードマップあるいはリスクマップと呼び、防災地図の一種です。ハザードマップには、浸水危険度予測図、地震災害危険度予測図、火山災害危険度予測図などがあります。ハザードマップは将来危険が予想される自然災害について、発生しやすい自然災害の種類、範囲や危険度などを一定の基準で評価して示した地図ですが、警戒避難あるいは砂防計画や土地利用・都市計画を主目的とするかによって内容は異なります。
あらかじめ危険なところは避けて土地利用する施策を進めるべきであるとの立場から、自然災害を回避するための情報提供手段としたハザードマップをアボイドマップともいい、神奈川県の例では、アボイドマップとして、洪水予測区域、斜面崩壊予測箇所、地すべり予測箇所、土石流予測箇所が2~4の危険度ランクに分けられ、1万分の1のカラー図面に記載されています。また、地震編では、神奈川県西部地震が発生した場合について、がけ崩れ、液状化、津波についても同様に危険度ランクで示した図面が公表されています。 最近では地震の被害想定に伴い、震度予想分布図や津波波高予想図などが国や地方自治体によって発表されています。
雲仙普賢岳においてはハザードマップとして火砕流、土石流、火山泥流に関する「災害予測図」が作成されました。警戒避難体制を検討するに当たって極めて有効に活用され、人的災害の防止に大きな役割を果たしたといわれています。この災害予測図はその後に実際に発生した現象を比較的精度よく表していたことから、災害予測図が防災に有効であることが実証されました。
火山のハザードマップは、観光の障害になるという理由で敬遠され勝ちでしたが、最近ではその有効性が認識されるようになり、現在、十勝岳、有珠山、浅間山など17の火山で作成されています。また、富士山でも作成が進められており、災害に対する備えが観光客に安心感を与え、信頼を得るようになってきました。
ハザードマップによって危険区域の把握がわかりやすい形で住民に普及し、日頃の防災意識の高揚が図られるならば、土地の使用方法の選択や豪雨時の行動などによって、災害の防止や軽減に大いに役立つものと考えられます。