地震・防災関連用語集

カテゴリ:災害

マサ土(まさど)

花崗岩が風化すると岩石としての固結度を失い、最終的には粗粒なものから細粒なものまで広い粒度分布を示すマサ土と呼ばれる風化土になります。未風化の花崗岩は硬質の岩石で御影石などと呼ばれ、建物の基礎や化粧板あるいは墓石やモニュメントなどに広く使用されています。

マサ土は長石及び石英を主成分としているため淡灰色~淡褐色の白っぽい色をしており、花崗岩地帯である中国・近畿地方に広く分布しています。花崗岩は亀裂や節理に沿って深部まで風化が進行する傾向があり、マサ土化が全山に及ぶような場合もあります。また、節理などの間隔がある程度広い場合は節理に沿って風化が選択的に進行し、岩体の中心部は風化から取り残される場合もあります。花崗岩の風化の特徴により、花崗岩地帯では大小の岩塊を積み上げたような地形を呈したり、マサ土中に数メートルもの大岩塊が地盤中から顔を出しているようなこともあります。また、良質な地下水が多量に湧きでていることが多いのも花崗岩の風化の特徴によるものです。

風化の取り残しの少ないマサ土よりなる山は掘削が容易であり、掘削土は水はけの良い良質な土として盛土や埋立にも利用されています。神戸の六甲アイランドの埋立には六甲山のマサ土が使用されているのがその例です。

マサ化の進んだ山地斜面は大雨によって地下水が集中して飽和すると強度が著しく低下するため、これまでにも表層崩壊や土石流などの多くの被害が発生しています。

*御影石 御影石とは神戸市御影に由来する名前で六甲山の花崗岩を指します。岡山県の万成(まんなり)石、茨城県の稲田(いなだ)石も花崗岩であり、これらは産地を示す名前です。