地震・防災関連用語集

カテゴリ:都市機能

ライフライン

ガス・水道・電気・電話・流通などの生活を支えるシステムのことをライフラインといいます。

ライフラインの構造は網の目のようになっているので、その一カ所が切れると、広範囲にわたって機能が麻痺すること、物理的な被害を受けていない地域にも広がること、日常生活のレベルが長期にわたって下がること、種類によっては復旧に手間取ることなどの特質があります。ライフラインは都市部に集中しているものの、都市以外にも、道路、鉄道、導水路、送電線などの重要なライフラインがあります。

1964年の新潟地震でライフラインの被害が注目されるようになり、日本海中部地震、阪神大震災などでもライフラインが大被害を被っています。

電気は一番早く回復するのに対し、ガスは一軒一軒点検し、安全を確認する必要があるために回復が最も遅れます。ライフラインは網の目のどこに破損が生じるかの予測が難しく、何処に破損が生じてもその影響を小範囲にとどめるように構築することが望まれています。ライフラインの防災に関する研究も行われており、地震による振動や変位に対して柔軟に抵抗する配管方法が採用されつつあります。都市部でのライフラインは、将来に引き継がれる重要な遺産として今まで構築されてきたものであり、保守や耐震化が大きな課題になっています。

阪神大震災を踏まえて、震災分野での研究成果が社会に有効に活用されるよう、科学技術庁によって優先順位が付けられ、早期に進める研究として、震災のリスクの評価、被害状況予測モデルの開発、防災に関するデータベースの整備、地盤の液状化などとともにライフラインの耐震化が挙げられています。