地震・防災関連用語集

カテゴリ:都市機能

地下鉄とシールド工法

シールド工法は、シールドと呼ばれる掘進機の先端のトンネル径と同じ大きな掘削刃を回転させながら掘進し、掘進機の後方にトンネルを構築していく工法です。日本では関門海底トンネルに始まり、軟弱層が分布する都市部のトンネルを中心に採用されています。シールド工法は比較的軟らかい岩盤にも適用され、発破工法によるかシールド工法によるかあるいはシールドでない掘削機による工法によるかは、経済的な観点に重きを置いて選択されます。

鉄道トンネルや道路トンネルのように硬質の岩盤を掘削する場合は一般にはダイナマイトを用いる発破工法が採用され、地下鉄トンネルのように土砂よりなる地盤を掘削する場合はシールド工法が採用されますが、軟岩(軟らかい岩)よりなる岩盤もシールド工法が多用されています。

都市における地下利用の複雑化や多様化、環境保全への要請などの他に工事用用地の取得難や地下埋設物への対処などによって、大断面化、長距離高速化、深層化、施工の自動化などのシールド工法の新技術が開発実用化されています。

シールドトンネルは円形が標準ですが、地下利用の多様性や掘削断面の合理化のため、横2連型シールド工法など形の異なる多くのシールド工法が実施され、地中の両側から掘進して接合させる工法や急曲線の工法なども実施されています。