S110前期型ガゼールレストアレポート その4
2003年4月にウチの近所の板金屋さんから引き取っていかれた前期型S110ガゼールの復活レポート「その4」を紹介します。
レポートその8からその10までです。
さて大変ご無沙汰しておりました。実は実車は既に稼動済みであり、クラブでのお披露目も済んでいる状態でした。で、最終報告がないと、散々みなさんからフォローを頂いております。
そんな超人気サイト!?に出世しました、レストアレポート最終章のはじまりはじまりぃ~。
それでは!!
【第8回 ガゼールレストアレポート】 2004年2月20日
今年最初のレポートです、よろしくお願い致します。
今回はようやく「塗装編」てな所ですかね、
足つけ・脱脂・マスキングとやりましたが
これが結構大変でした。おかげでこの頃はあまり
画像がありません、写真撮るよりもひたすら
手を動かしていたといった感じです。
・gazelle110
取り外したチンスポの修正です、塗装面を剥いでパテ盛りの準備。
裏面は当然のごとくPOR-15を塗ってあります。
・gazelle111
パテ入れしてサンディング後の状態。
元々ここはあまり重要視してないのでこの程度でOKとします。
というのも完成後FRPのフロントスポイラーを取り付ける予定なので
隠れてしまう所に力を注がなくてもいいかな・・・と。
・gazelle112
ボディとチンスポのパテラインを合わせるため取り付けて調整。
フロントサイトシールドにもキズがあります、それにしてもパテだらけですね。
・gazelle113
チンスポ、フロントサイトシールドにサフ吹き、バラ吹きした状態なので
下地(赤)がまだ薄っすらと見えてます。あと1、2回吹いてやればOKでしょう。
・gazelle114
ボンネットもサフ吹きします、相変わらずいい加減なマスキングです。
ミラーなんか手間を惜しんでビニール袋ですからね。
・gazelle115
広範囲に吹いてますが何故トランク同様全体に吹かないのか?
サーフェーサーを多く作りすぎてもったいなから吹いちゃえ・・・と。
・gazelle116
リヤバンパー下は自分の腕では無理そうです。
と言うのもある程度「手」で直そうと凸部分を押すと凹部分が
ボコンと出てくるので大まかな修正もできない状態。
チンスポなどはこの手法でだいぶ補正したけどリヤはどうにもなりません。
じゃぁパテで、となるとゆがみが大きすぎて大量に使うことになるのでそれは避けた
い、板金は自信がないし何より時間がない。
と言う訳でここはそのままにします、とりあえず乗れるようになってから
ゆっくり直すのもいいかな・・・と。う~ん逃げのように聞こえますな。
でも何でこんな部分がベコベコなんでしょうかねぇ。
・gazelle117
塗装前の準備という事でボディ全体をサンディング。
800番の耐水ペーパーで「足つけ」をします、これがまた大変で
塗料の食いつきを良くする為には完全なツヤ消し状態にする必要があります。
片側が終わる頃になんだか指がヒリヒリする、かまわず作業してたら指先から
プツプツと血がにじみ出てきました。どうやらボディよりも先に指をサンディング
したらしく作業後は親指以外の指は血だらけでした。ほんとバカですね。
・gazelle118
ペーパーの入りにくい所などはこの「スコッチブライト」で念入りに足つけします。
以前、WAXの残りカスがどうの・・・と書きましたがこの作業中WAXのおかげ
でかなり苦労させられました。えらく細かい所まで塗ったくる割にはまったくと
言っていい程拭き取らないのでガッチガチ。しかもその量がすさまじく酷い所は1cm
も積層されていてまるで紙粘土。「たかだかワックスだろ」と思ってたのですがシンナーで
拭いても中々取れない、塗装と同化してるのか?と思えるほどです。スコッチブライ
トでの足つけよりもWAX落しの方が時間かかりました。
・gazelle119
足つけ後の状態です。ようやく塗装の1歩手前まで来ました。
この後、ミラーを外してたらカミさんがやってきて
カミさん「フェンダーミラーって嫌いなのよねぇ、ドアミラーに慣れちゃってるから
すごく遠く感じるし見える範囲が狭いのよねぇ・・・あっ別に運転する気
ないからどーでもいいけどね」
私 「およっ、自分が乗ることを想像してたの?」
カミさん「だから乗らないって言ってるでしょ、こんなボロ車!」
バツ悪そうに去っていきました、オンボロからボロに昇格?
ちょっとは認められたようです、よっしゃこれからどんどん洗脳してやる。
・gazelle120
これ何だか分かります?そうLANの配線に使うUTPケーブルです。
で、どうするのかというと。
・gazelle121
リヤウインドウのウェザートリップゴムの淵部分にUTPケーブルをバラした物を
挟み込んでいきます。どうしてもマスキングしなければならない所は
これで隙間を空けて奥まで塗料が入り込むようにしてやる訳です、
外せなかったドアモールも同様に処理してあります。
この方法はオールドタイマー誌に載ってました、さすがレストア雑誌です。
・gazelle122
ご近所の事を考えてガレージの開口部を養生シートで覆いました。
缶スプレーと違い大量にミストが飛ぶだろうし、なにしろ毒性の強いウレタン塗料となればこれ位は気を使わないとね。
ちなみに両サイドの家には塗装することを伝え、車にはビニールシートを掛けさせてもらいました。
・gazelle123
4輪ウマにかけて塗装開始!っていきなりこの状態ですがなんか色が変ですよね。
隠ぺい力が弱い赤系は「下塗り色」が必要らしく、ネットショップで再度注文して
吹きました。その他シンナーも冬用を新たに購入、なんだかんだで11月後半という
季節なので気温を考えての事です以前買った夏用がムダになりました。
ちなみにこの日は家族に「夕方まで帰ってくるな!」と追い出して犬も家の中に軟禁、心置きなく塗装に集中できます。
・gazelle124
塗料が濃すぎですねぇ、しかもハジキまで出ています。このまま吹き続ける訳には
いかないので一旦作業をストップ。のっけからこれじゃぁ先が思いやられますな。
・gazelle125
仕方ないのである程度強制乾燥し、塗料がハジかれてる部分をペーパー掛けして脱脂。
このときシリコンオフを一方向だけに「サッ」とやります、返しをすると確実に
生乾きの塗料が毛羽立ちますので。(ハハハ、しっかり経験済みです)
普通こんな事してはダメなんでしょうね素人ならではの行動です。
・gazelle126
ベース色ダークレッド#808を吹き始めます。スプレーガンの調整がヘタなせいか
細いシマ模様状態、その後パターンやエア量を調整してだいぶ良くなりました
Try&Errorの繰り返しです。以前、水を吹いて練習したんですけどねぇ。
・gazelle127
別パーツもまだバラ吹き状態です、2回目を吹き終えた頃でしょうか。
3回目からは色をしっかりと乗せるように吹いていきます。
ちなみに塗装の際にはマスクは必須、シゲマツ製有機溶剤専用のマスクを
使いましたが口鼻を覆うゴムの匂いだけでシンナー臭は完全シャットアウト!優れ物
です。
・gazelle128
この日は天気が良く気温も15~17度位かな?風も無かったので塗装には好条件でした。
時期的に虫もいないし・・・。否!シンナーの匂いにつられ小さい虫が塗装面めがけて
突っ込んでくる、それも一直線にです。「おいおいちょっとは旋回してためらうとかないんかい!」
と内心思いながら特攻を阻止することもできずただ見守るだけでした。
他にも「ホコリ」という敵もいます、塗装前に「タッククロス」なる物でホコリを
取ってからウンヌン・・・。と本やWebに書いてありましたがあれはちゃんとしたブース
で吹く場合には有効かと思いますが、屋外塗装の場合ほぼ無意味ですホコリは防げません。
だから塗装面に付着した虫やホコリは相当あります、まぁ大きなものはピンセットで
息を殺して取りましたが他は我がガゼールの歴史の一部となって頂きました。
・gazelle129
使用した塗料はベースがPG80と仕上げ用に026クリヤーを用意、
ちょっと贅沢に2コートのクリアー仕上げとしました。何しろ2液性ウレタン塗料を
扱うのは初めてなので、クリアーかければ素人でもツヤが出しやすいだろうと思った
からです。1回に作る量は400ccでベースと硬化剤を10:1で混合してシンナーで希釈、
スプレーガンに移す際には100均で購入した排水口水切りパックで濾してあげます、
専用の物もありますがこんなんでも十分使えますね。
・gazelle130
もう辺りは真っ暗、なのにまだクリヤーを吹いてます。日照時間が短いので4時過ぎ
るとこの状態、ツヤを出すどころかちゃんと塗れてるか怪しくなってきました。
それにしても忙しく時間が足りなかったなぁ、原因は準備不足なんですけどね。
前日にある程度マスキングしておいたのですが、残りを当日に持ち越したのが祟りま
した。その他の準備も含め以外にも手間取ったしまったが為、実際に塗装作業に入れたのは
昼12時頃、これで予定が大幅に狂いました。
んなもんだから時間無くてタイヤはマスキングなし、まぁヒビ割れて劣化してるタイ
ヤなんで気にしない、気にしない。
・gazelle131
全塗装終了~!あぁ疲れた~。もう出来がどうのこうのよりも自分で塗装を終えたという
達成感ですかねぇ、今はそれだけで満足です。
・gazelle132
翌日撮影した物ですが中々綺麗に吹けてると思いません?
映り込みもそこそこで「オレってうまいじゃん」と自画自賛、勘違い男が誕生した瞬間です。
・gazelle133
しか~し!世の中そんなに甘くない。
ガゼールに目を向けると、それはそれは見事な「ユズ肌」ボディがありました。
まさに「ユズ肌」のお手本のようなニガニガとした輝きです。
・gazelle134
フュエールリッドを吹き忘れてたので個別に塗装してやりました。
小さい物なのでハロゲンライトで簡易焼付け。
これは失敗でした、乾燥は速くなりますが同時にホコリを寄せ付けるのでこれまた
悲惨な仕上がりに・・・。
・gazelle135
クリヤー吹いたのに半光沢状態、まるでピッチ塗装のようです。こりゃぁコンパウン
ド位じゃダメかもしれません、完全乾燥させるため当分の間ほったらかしにするので
その間に今後の行く末を考えるとしましょう。。。
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