ロビー in 映画館   2003

  

シネマ!シネマ!シネマ!
ミーハー気分で出会った秀作
戦場のフォトグラファー、もう一つの感想
本当はもっと広い映画の世界
エド・ハリス in アクターズ・スタジオ
私のエリア・カザン
映画「ソラリス」の音楽
映画「スパイ・ゾルゲ」とキャサリン・ヘップバーン

 
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シネマ!シネマ!シネマ!


ニューズウィーク日本版2003年12月10日号のタイトルです(笑)
内容についての副題は、
本誌厳選おすすめビデオ30作
2003冬の話題作レビュー&秘話
「ラストサムライ」完全解剖
となっています。


渡辺謙さんのインタビューが面白かった。
「初めは、…マジでやる気なのって少し斜に構えていた」等など。
真田広之さんのインタビューも、ウンウンと頷ける。
どうもあちらの監督などには、時代劇を演じることの深みが分かっていないみたい…。
あらためて、「ラストサムライ」は、脚本を除けば、
スゲー作品だったと思い直します。


「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」についての記事もありました。
原作との落差はいかんともし難いが、原作を離れてみれば、
映画は映画として見応えする。
「二つの塔」をスクリーンで見てそう感じました。
原作の読書が追い越されますが、(笑)
この三作目、勿論喜び馳せ参じて見るつもり!
そういう観客の一人として、楽しく読める。


お次は、メグ・ライアンに関するもの。
今は、彼女の転機に当たっている由。
早々と姿を消す女優さんが多い中、長くやっていく上で越えなければならないものがあるのは、確か。
ダイアン・キートン、メリル・ストリープ等を思い起こしながら読む。
日本でいえば、小泉今日子さんあたりにそういう目を向けたい。
テレビドラマですが、「マンハッタンラブストーリー」を見て、
彼女の魅力をあらためて見直したものです。


監督は、フォン・トリアー。
どうしてこの監督は、悲痛なものを撮りたがるんでしょう…。
ニコール・キッドマンが、彼と一緒に仕事をした?
見たくもあるし、見たくも無いような…(笑)


「映画スターとガチンコ勝負」は、文字通り、インタビュアーの裏話。
三人の男優が俎上に上げられていますが、ニヤリとさせられます。


「この秀作、見逃していませんか?」と題して紹介されている30作、
さぁ、あなたはどれくらい観たことあるかな?(笑)
えっ、私?(思わず両手で顔を覆う)(^^ゞ
「フィッシャーキング」が入っていた!うれしいなぁ〜。
「すべてをあなたに」が、30作に入るの?好きな作品だけど、文句を言うわけじゃないけど…。(笑)
「イングリッシュ・ペイシェント」、やっぱしな!と指を鳴らす。
「ハイ・フィデリティ」、間に合ったぁ〜(笑)
「奇跡の海」、確かにいい作品だと思うけど、コメントするのが超難しい。
「ベイブ…」「トイ・ストーリー2」、ウ〜ン、ウーン、(^^ゞ。
「ロード・オブ・ザ・リング」「トゥルーマン・ショー」、何も言わず机を叩く、ついでにマウスも叩いてしまった…(笑)
「誘う女」、とても印象深いが、私の中ではズーッと下なんだけど、見直した方がいいかな?


他にもいろいろあります。
見て楽しい作品ばかりではありませんが、
見て損はしない作品ばかり、のようです。(^_^)v

2003.12.20 記



ミーハー気分で出会った秀作


いつ頃だったか、何気に、「アサシン」を見て、
ブリジット・フォンダ、いいなと思った。


で、ブリジット・フォンダの作品リストから、
「ルーム・メイト」を選んで見たら、
これがなかなかいい上に、
共演のジェニファー・ジェイソン・リーに一目惚れ♪


ブリジット・フォンダ以上に惹かれ、(笑)
今度は、彼女のリストから、
「黙秘」「未来は今」を選んで見る。
これが、どちらも秀作!


後日、「未来は今」がコーエン兄弟作品だと知り、
更にうれしくなる。


ネットが出来るようになって、
ジェニファー・ジェイソン・リーのお父さんが、
あのビック・モローと知り、文字通り仰け反りそうになりました。
そして、スクリーンで見終えた「ロード・トゥ・パーディション」に、
彼女が出ていた事を知り、思わず立ち上がりそうになる。
「ど、どこに出ていたんだ?」


ジェニファー・ジェイソン・リーのファンだと言えないじゃないか…。


メアリー・スチュアート・マスターソンをご存知ですか?


バック・トッ・ザ・フューチャーで見知った、
リー・トンプソンが出ているという事で手にしたのが、「恋しくて」。
そこで、メアリーを知り、一目惚れ♪


そして、「妹の恋人」「マンハッタン花物語」等を見ました。


彼女の出演作で一番の秀作は、
「フライド・グリーン・トマト」です。
膨らみも奥行きもあって、味もある。


「ウィズ・ユー」で久々に会ったら、顔が変わってちょっとショックでした。

2003.11.28 記



戦場のフォトグラファー、もう一つの感想


シネマ・クレールのサイトに載せた、
「戦場のフォトグラファー」を薦める私の書き込みに、
後日次のようなレスがあった。


〉自らの進む道、なんかしらのテーマを見つけて、
「何でこういう仕事してるんですか?」って聞かれたときに、堂々と答えられること、
大切なことだと思いました。
自分がはっきりしていないだけに


これを読み、映画の終わりのほうで、
ジェームズ・ナクトウェイがインタビューに答えていた場面を思い出す。
背筋を伸ばし、聞き手に向かい、考え抜いた事を話していた。
また、映画の初めのほうで、
この仕事を始める時に、準備に時間がかかったというナレーターがかぶっていた。


自分が本当にしたいことを見つけるのは、多くの人にとって意外に難しい。
見出しても、できるかどうかという問題がある。


自分の方の問題であったり、
やりたい事の方に問題があったりする。
自分の能力が足りなかったり、
やりたい事の機が熟していなかったりしたら、
どうしようか?
様ざまな道、さまざまな方法を前にして、途方にくれ悩む。


そして、実際に始めてみたら、思いも寄らぬことが絡んで、
こんな筈ではなかった、という事も十分に起こり得る。


人が、自分で本当にしたい事を見つけた時、
それはその人にとって夢であり希望になる。


夢が保ちにくい時に、希望を支えるのは、勇気ではないだろうか?
目鼻が立たず、人から見ればどう言われるかも分からない。
それでも我行かん、という心意気だけが足を前に進めてくれる。
なぜ勇気がいるか?
孤高だから。


人が志を立て、面を上げ、何かをしようとすれば、頼りになるのは自分だけ。
その自分を頼み、人前に出て恥ずかしくないように、
人に後ろ指をさされないように、
する為には、
話すに足る人と真剣に対話をし、
深く自問し続けなければいけない。
そういうところを、このジェームズ・ナクトウェイさんは、通ってきたのだ。


誰もが、彼のように強く賢く生きれらるわけではない。
もっと弱く、愚かな人の方が多い。
私もその一人。
それは、それとして、
深く自分に問い続けながら生きていくことは大事。
そういう事も、この映画から教わりました。

2003.11.20 記



本当はもっと広い映画の世界


主な都市の映画「公開率」、
というものを新聞紙上で見ました。
2002年の全国の封切作品697本のうち、
上映された映画の割合を都市毎に示したものです。
日本経済新聞2003年9月20日土曜日文化欄


東京23区の94%に次いで、
福岡市が53%、札幌市が49%で、
金沢市になると33%になり、
大津市になると21%へと減り、
紹介されている都市の中では下関市が5%で、最下位でした。


映画館といえば、シネコンを欠くことは出来ませんが、
シネコンのある富山市でも8%です。
隣県の金沢市との開きは、ミニシアターの存在によるもののようです。


図書館や本屋で、多くの本の中から一冊選べられるように、
テレビ放送の多くのチャンネルの中から、番組を選べられるように、
製作された多くの映画作品の中から見たい映画作品を選んで見られる状況に、
私たちは居ないことを、あらためて知りました。


インターネット等のおかげもあって、
様々な映画の存在を以前にもまして知ることが出来ます。
そして、自分の街で見られない映画作品が多いことも知る。
でも、私は、幸いな事に、
自分のこづかいを考慮に入れれば、
十分な作品を見ることが出来ています。


わが街にある、
シネマ・クレールというミニシアターのおかげです。
スクリーンは二つしかありませんが、上映本数が多く、
私が見ている映画の多くは、この映画館で上映されたもの。


もし、シネマ・クレールが無ければ、
殆ど映画とは縁の無い暮らしになっていたでしょう。


映画が何よりも好きで、身の軽い方は、
上映館を求めて他所へ出向いているようですが、
家庭があって、小遣いも少ない私には出来ません。


隣街にシネコンがありますが、
娯楽作品が殆どで、私が見たいものはそんなにいつもありません。
シネコンは、ベストセラーが殆どの本屋さんみたいで、
それに比べれば、ミニシアターは図書館のようです。(笑)
シネマ・クレールでは見たい作品が多く、
見るものを決めるのに、毎度苦悩しています。


ビデオやDVDが普及して、これを代替にしている方も多いでしょう。
でも、私は、映画はスクリーンで見たい。


小学生の時からスクリーンで見続け、
高校生の頃から、テレビで映画を見られるようになり、
更に年を経て、録画メディアで見られるようにもなりましたが、
同じ作品を夫々で見比べて、
印象がスクリーンに勝るものはありません。
映画作者の伝えたいことが一番よく伝わる場所は、映画館だと確信しています。


書物や言葉で伝えられないもの、テレビの画面では伝わらないもの、
そんなものの多くが映画作品になっている。
その伝えたいもの、伝えられるべきものの多くが、
本来の場所で伝えられていない事を、
この機会に知っていただけたら幸いです。


私たちが今直ぐに出来ることは、
娯楽作品に止まらない多くの映画作品を求め、見ることでしょう。
あの作品を見たいな、という小さな声を増やしていかないと、
それだけ世界は狭くなっていく。


シネコンを非難しているように読まれると困るのでつけ加えますと、
シネコンにも有りがたいところはあるのですよ♪
娯楽作品がレイトで二本見られる事。
スクリーンの真正面に座れる事。(ちょっと遠いけど)


シネコンには、
ミニシアターのスケジュールを見ながら、
上映漏れの作品を拾い上げ、
レイトで一週間でも上映して、
利益を還元していただきたいな!




参考


エースジャパンによる、「映画上映活動の現状調査」報告書
Film Network サイト内 FNインフォメーション 参照の事


シネマ・クレール


隣市のシネコン
MOVIX倉敷

2003.11.1 記




エド・ハリス in アクターズ・スタジオ


17日午前2時から、NHK教育でアクターズ・スタジオが放送され、
エド・ハリスがゲストで出ました。


好きな俳優さんなので、
準備(仮眠ネ)して、飛びつくように見る。(笑)
映画「ポロック」が日本で10月下旬から公開されるのに合わせて、
放送されたのでしょうか?
2000年に製作された「ポロック」についても、このインタビューで言及していました。


ライト・スタッフ
摩天楼を夢みて
理由
アポロ13
トゥルーマン・ショー
等、好きな作品についての言及はうれしく、
アビス
のように見てない作品についての言及は口惜しい。


裕福でもないが、恵まれた家庭環境で育ち、
野球やアメフトに夢中の青年が、
一夏で演劇に向かうというのは、運命的です。


役を求めて一年後にありつけた時、車の中で泣いた思い出、
そして、その後の仕事についてのコメントは、含蓄あります。


本当に、努力の人で、
よく考えに考え、思いっきり役に没入している。


主演を演じることはあまり、というか殆どないのですが、
その存在感で多くの人に認められていること、言うまでもありません。


この夏見た「めぐりあう時間たち」でも、映画を見ている最中に、
彼が出ているのを知りました。(笑)


「ライト・スタッフ」でのグレン役は、キャスティングのよさで嵌っていましたが、
「アポロ13」の管制官の役については、
実在の人物のインタビューを見た後にも関わらず、
映画を見ていて違和感が感じられず、唖然としました。
ここで、この人巧いんだ!と理解できた。(^^ゞ


遡って、「摩天楼を夢みて」を見た時、
他の曲者ぞろいの役者の中で負けてない、
って、ニコニコしてしまう。


「ザ・ロック」で出会えた時、あっ、この人だ!って、指を指しかける。(笑)


「トゥルーマン・ショー」、ジム・キャリーが主人公だけど、
二人の共演に近いところまで寄っていると言ったら言い過ぎでしょうか?
「スターリングラード」でのジュード・ロウ相手でも然り。


その彼が主演を演じるどころか、監督までしたのが、「ポロック」。
公式サイト→ポロック 2人だけのアトリエ


役作りに10年近くかけ、スタッフに女性陣を敷いている。
監督で忙しいので、役を演じている時が息抜きだった、
というコメントは一瞬信じられないけど、しばらくして大いに納得。
その彼が演じる時には、コーチ役の女性がアドバイスした由。
この辺り、今回のインタビューの醍醐味を味わいました。

2003.10.18 記



私のエリア・カザン


エリア・カザンは、
私にとって、まず「草原の輝き」の監督であり、
「エデンの東」の監督でした。


「エデンの東」は1955年、
「草原の輝き」は1961年の作品とされていますが、
私が映画の世界にのめりこみ出した思春期の始め、
1960年代の後半にスクリーンで見られた事、大変な幸運でした。


最初に見た「草原の輝き」で、
恋愛や人生の中の若さについて、いろいろ考えさせられました。
学校の授業より、深く考え、(笑)
ワーズワースの詩集を開き、青空や野原を見やって切ない思いにふけった記憶があります。


「エデンの東」でも、
人間の運命や愛情についてのいろんな思いが、
あふれるほどに心に満ちました。
これから先、自分の人生で何が待ち構えているのだろうか?
人をあるがまま受け入れるところに愛があり、
それが愛されるものも、愛するものも変えていく…。


どちらも原作がいいのでしょうが、
やはり俳優の魅力と相俟って胸に迫ってくる。


中学高校でこのように受け取ったのですから、
人生の師匠と言ってもいい。
しかし、この師匠は後年、もっと凄い事を教えてくれました。
あの赤狩り旋風の時に、裏切り行為を働いており、
アカデミー賞での騒ぎはまだ記憶に新しい。


舞台や映画での彼の功績は大変大きく、
彼を抜いてはその歴史は語れないでしょう。
でも、それ程の人物が、あのような事をしている…。
最初は全く信じ難かったのですが、
歳を経て次第に、少しづつ理解できるようになりました。


カザンの人間を見る目には、恐れがあるように思えます。
上の二作とも、揺れる人の心を描いて、人間の洞察に優れている事をうかがわせますが、
作品の底に流れるのは諦念と言ったら近いか…。
人間の勇気や心底から輝くような明るさはありません。


「赤狩り」やマッカーシー旋風について、
先日読んでいたローレン・バコールの「私一人」でも触れていましたが、
アカデミー賞周辺での様々な人の反応を通しても、
その人の人生観や人間観が浮き上がっているように見受けられます。
理性的な考えではなく、あの状況で矢面に立たされた時にどう対処するか、ですね。


他にも有名な作品が幾つかありますが、殆ど見ておりません。
一筋縄ではいかない彼を知るには、
折にふれてその作品を見るに如くはないと思います。
見たい時に、見よう。
私には、そう思わせる存在です。

2003.10.1 記




映画「ソラリス」の音楽


ソダーバーグ監督「ソラリス」の感想を共有した方から、
「音楽も良かったね」と伝言板に書き込みいただいて、
あの音楽を思い出せば、そうそう良かったな、とあらためてしみじみ思う。


さっそくネットをこの音楽で巡れば、居ました、居ました!(笑)


Aさん、曰く。


ああ、なんか思い出したら泣けてきた。
最近は「ソラリス(ソダ版)」のサントラばっか聴いてます。映画はともかく、クリフ・マルチネスはけっこう好きだ(元レッチリなのね、この人)。
オリジナルではほとんど音響ノイズ状態だった音楽も、ソダーバーグの相棒クリフ・マルチネスによって“音響”系の音になってます。


Bさんは、


バックグラウンド中心の弦と、ガムラン、スティールドラム、
それからどういうものかわからないけど「バスケット・クリスタル」という
楽器が繰り返し奏でるミニマルなフレーズがつぼにはまる。
ひんやりとした孤独感にひたれて、気温が2度ほど下がる感じ。


そうそう涼しげでもありました♪
こういう風にきちんと書かれていると、
ネットはボランティアの教師がいっぱいでもあります。
もう一方の先生によれば、


クリフ・マルチネスのあの音楽、文法は全然違うんですがどうもミニマル系の元ネタがありそうでものすごくもにょってます。でも思いつきません。ミニマルというのは現代音楽の 1 ジャンルですが、現在は拡散してしまってかなりマイナーです。でも菅野よう子がスティーブ・ライヒをネタに使うくらいにはメジャーです。


ここまで、つれてこられると、「ウム〜ゥ…」と唸るしかありません…(笑)

2003.9.9 記




映画「スパイ・ゾルゲ」とキャサリン・ペップバーン


出版社から出ている小冊子の中のひとつ、「草思」。
この2003年8月号は、映画についての2文が載って、興味深い。


まず、
映画「スパイ・ゾルゲ」を観ての哀しみ。
著者は、日本及び中国の近現代史研究家の鳥居民氏。


私は映画「スパイ・ゾルゲ」を試写会で観て、監督の力の入れようには感嘆させられましたが、
作品そのものの魅力としては、首をかしげるところ多かった。
なかなか言葉に出来ないまま、日が経って、
篠田監督の美学とゾルゲとのミスマッチではないかと思うようになる。
監督の撮り方は、あまりにもきれい過ぎるし、
ゾルゲの生き方は、もっと身がよじれるようなものであったのではないか。


そんな気分でいたところに、この小文。
歴史を専門とする人の分析と、
篠田監督に近い年代の感想として、
大変興味深かった。


史実としては、わかりやすくと心掛けての手を加えた説明がされている由。
確かに、教科書的ではあった。
私は、そういった事より、明日をも知れぬその時々のキャラクターの心象を描いて欲しかった。
登場人物がそれぞれ一人歩きしているより、
ドラマの進行役になってしまっているような感じを受けたのです。


最後の方で、監督の力が及ばず、「悪戦苦闘」を観ることになった、と結んでいるのは、頷けました。
篠田さんの方へゾルゲを引き寄せようとしたが、
実際はそんなわけには行くはずが無かったのでしょう。
他のオリジナルなドラマ脚本で、もう一度撮っていただきたいと思います。

今、篠田さんほど構えの大きい作品を撮る人は、邦画界で他にはいないでしょう?
無論、それが大変だから歳を考えてこれを最後の作品としたのですけど…。(^^ゞ


もうひとつは、
山田宏一さんの、
「女性No.1 −キャサリン・ヘップバーンの死」。


私は、晩年の作品しか知らず、
よく遡っても50年代の「アフリカの女王」辺りの作品をビデオで観るのが、関の山。(^^ゞ
山田さんは、パリのシネマテークで戦前の彼女の作品をご覧になり、
彼女の本当の魅力を知ったようで、その事をここに書いてあります。


その「男を追いかけてつかまえてしまうところにある」魅力だけでなく、
完璧な演技力にもふれているのを読んで、
本当に観たくてたまらなくなりました!


アクターズ・スタジオの「メソッド」演技の生みの親リー・ストラスバーグの娘,
スーザンが、キャサリンの演じた役を「女優志願」で好演しているようです。(未見)
その彼女が自伝で次のように書いているそうです。
「彼女(キャサリン・ペップバーン)の演技を参考にするのはやめた。劣等感にうちのめされるのが怖かったのである」


かってキャサリン・ヘップバーンの自叙伝を読みかけて止めたのを思い出す。
文章から推し量って、相当、気が強く、自信にあふれた女性だと、素人にもよく分かる。(笑)
山田さんの目を開いた戦前の出演作を見てから、
彼女の自叙伝にもう一度挑戦してみようと思います。

2003.8.6 記


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