岡山市立図書館・岡山県立図書館へ行こう


第一部



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県立図書館資料紹介 2002.12.中旬

理想の室内オーケストラとは!
 水戸室内管弦楽団での実験と成就
吉田秀和・小澤征爾
諸石幸生 構成・編
2002 音楽之友社

演奏から見た音楽の世界。
いれものだけを作って中身を作らずと、度々非難される文化行政ですが、
その中身を作ることにおいて、稀有の例がこの、
水戸室内管弦楽団です。
吉田秀和さん、小澤征爾さんと言えば、
功成り名遂げて、それぞれの分野で最高位に達した方と多くの方が認めているでしょう。
そんなお二方が、力を合わせて、新しく室内管弦楽団を作り、運営してきた、
この10年余を、紹介しています。
吉田さんも小澤さんも、これまでの経験を生かし、新しい事に挑戦しているのです。
二人を含め、団員たちの姿・活動・声、そしてそれに対する評価を読んでいるうちに、
何も出来ないくせに、ジーッとして居れない気持ちにさせられました。(笑)
指揮台に上がらず、奏者と同じ目線で真摯に音楽と取り組む小澤さんの姿を読み、身震いさえした。
凄いなんてもんじゃない!

そして、その小澤さんに臆せず対峙して、
自分たちの音楽を創造している団員達の力量・姿勢も見事としか言い様がありません。

背たけにあわせて本を読む
向井 敏
2002 文藝春秋

書評一筋に生きてこられた著者の遺書。
自分が言葉に出来なかったことを、書かれており、
言われて成るほどと膝を打つこと、しばしばでした。

エリコの丘から
カニグズバーグ作品集6
2002 岩波書店

調理場という戦場
斉須政雄
2002 朝日出版社

喫茶店の方に感想を書いております。
いい事が語られているのですが、
編集や造本に物足りなさを覚えます。
ネットのインタビュー記事を本にした由。

孫の結婚式
庄野潤三
2002 講談社

きしのあかしや
木下杢太郎
2002 日本図書センター

木下杢太郎さん、日々に疎し。
この人の品性に少しでもあやかりたいと思うけれど、
今の時勢には合わず、孤高の趣き。
でも、時を越えていく何かを感じるのです。

塵よりよみがえり
レイ・ブラッドベリ
2002 河出書房新社

私が高校生の時、つまり1960年代後半で、既に大家でしたが、
今なお書き続けているのに、唖然とさせられます。
著者のあとがきで、チャールズ・アダムズとのつながりに触れていて、
それを読み、一つの事を長くやり通すことに畏敬の念をあらためて起こしました。

極北の動物誌
ウィリアム・プルーイット
2002 新潮社

シートンの伝記を読み終えた後、書店でこの本が目に留まりました。
よく見れば、新刊です。
原著は、21年にも及んで、版を新たにし、書き足されてきたものですが、
読み出して直ぐ、今この本が出版された機運に、納得しました。


先日、テレビで、
シベリアのタイガでの火災に伴う地球温暖化の状況を、
学術的に紹介していました。
その番組では、自然現象としての解明が主でしたが、
無論、そこに住む動植物はもとより、遠く離れた私たちにも繋がってくる問題です。


著者は、シートンに感化されて、タイガ地域での生態系の把握に一生を捧げました。
そして、アラスカへの核実験場設置反対の運動にも大きく寄与しました。


読み進むと、圧倒される自然の描写がダイナミックに続きます。
四季折々の大気・大地から、そこに住む動植物の生態に至るまで、
長い時間を含め、生き生きと紹介された姿を目の当たりにして、
これを自分の言葉で手短に説明する言葉が出ません。
否、そんな事をしては、著者に失礼です。


けっして読み易くはありませんが、
きちんと読んでいる内に、
いつもとは違う時間・世界へ、入ってしまいます。
そして、それはかけがえの無いものなのです。
積読している話題の文芸書なんか吹っ飛んで、読む気が失せた…。


2002.12.16 記
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図書館資料紹介 2002.12


市図


イギリス・スポーツ紀行
山田和子
2002 千早書房
780.2/ヤ

イギリスでのスポーツをテレビや映画・写真等で度々目にします。
いつか、そこで見られたらいいなって、心底思う。


競馬、レガッタ、マラソン、テニス、ゴルフ、クリケット、フットボール等などの光景と観客とを交えたきれいな写真を見ながら、
ティーを飲んで、ちょっといい気分に浸りました。(笑)

死への祈り
ローレンス・ブロック
2002 二見書房
933

待望久しいマット・シリーズの最新作!
マットの前妻が亡くなって、子ども達との絡みがあって、
長らく読み続けてきた読者への配慮もたっぷりです。
もう少し寒くなったら、コーヒーにブランデーを入れて飲もう…。
そんな事を思いながら、マット&ブロック&田口等と、
同時代に生きて、読める幸せをかみしめる。




新 手話を学ぼう 社会編
中野・伊東著
1999 福村出版
378.2/ナ


地球はまだ青いだろうか?
ピース・ボート環境チーム編
1992 第三書館
519

ピースボート大航海時代
84日間地球一周クルーズ'94 黄金のうたたね
ピースボート編
1995 第三書館
319.8



ピースボートについては、どこかで聞いたことがあるくらいにしか関心が無かったのですが、
「この手が僕らの歌声になる」という本の中で
聴覚障害者がこの船の一員となった経験の、一部を書いてあるのを読み、
俄然関心が高まりました。
大学生の頃、乗ってみたかった…。



海よ、海 −上
アイリス・マードック
1982 集英社
933/M/1

同時代の作家たち
丸谷才一批評集第5巻
1996 文藝春秋
910.4/マ/5

アフリカの日々
アイザック・ディネーセン
1981 晶文社
943/デ

日本ラグビー復興計画
宿沢広朗&永田洋光
2002 TBS
783.4/シ

「建てる前」に読む本
NPO法人家づくり援護会編
2002 作品社
527

ほんとうの英語がわかる
 −51の処方箋
ロジャー・バルバース
2001 新潮社
830/パ

チャン・イーモウ
 キネ旬ムック ディレクターズ・ファイル
関口裕子編
2002 キネマ旬報社
778.2

マイ・ファースト・ムービー
スティーヴン・ローウェンスタイン編
2002 フィルムアート社
778.2/ロ

闇に浮かぶ絵
R・ゴダード
1998 文藝春秋 (文春文庫)
933/ゴ/1

オールド・ルーキー
ジム・モリス
2001 文藝春秋
783.7/モ

マーティン・ドレスラーの夢
スティーヴン・ミルハウザー
2002 白水社
933/ミ

文学が好き
荒川洋治
2001 旬報社
904/ア

愛がためされるとき
アイリスとの別れ:2
ジョン・ベイリー
2002 朝日新聞社
930.2/ベ

そう、市図にも入りましたよ。

望楼館追想
エドワード・ケアリー
2002 文藝春秋
933/ケ

ダルジール警視と四つの謎
レジナルド・ヒル
1997 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫
933

2002.12.1 記
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図書館資料紹介


市図

ハリー・ポッターと炎のゴブレット
J.K.ローリング著
2002 静山社

だんだんに長くなるハリーポッターのお話。
晩秋から初冬にかけ、
残業の後、息抜きに読み継いで、ようよう終えました。
やはり、最後は一気に読ませる!
登場人物が増え、今回のゲストも癖のある人物。
伏線が幾重にも絡み合う構成なので、
一体いくつぐらいの子どもまでが分かるのか?
と思いますが、
ハリーと一緒に冒険の時を過ごす楽しさだけでも読み応えしますね。


シートン
今泉吉晴著
2002 福音館書店


動物物語の作者として知られているシートンについて、
子ども向けに書かれた伝記ですが、
彼の著作や活動に基づき、自然や先住民への見方接し方を通して、
彼の思想を紹介することに重点を置いた本です。


動物や自然の見方、更にアメリカの先住民への理解などについて、
この頃の傾向を知る人は、深く頷くところが多いでしょう。
映画「モンタナの風に抱かれて」で多くの人が知るようになったホース・ウィスパラーや、
ナバホ族を始めとするアメリカ先住民への理解が深まっていること、
更に、ネイチャーゲームなどで自然をあるがままに理解しようとする動きがそうです。


読んでいるうちに、いろいろ彼の著作を読んでみたくなりました。


この素晴らしき世界
ベトル・ヤルホフスキー著
2002 綜合社

  千野栄一、保川亜矢子、千野花江の三人で訳されたもの。
  三月に亡くなられた千野さん最後のお仕事を、遺族で仕上げる。 
  映画「この素晴らしき世界」の原作本で、
  原題を直訳すると(我々はお互いに助け合わなければならない)。 


「日本」とは何か
網野善彦著
2000 講談社

  講談社のシリーズ「日本の歴史」00、という位置付けの本。


「高級な日本人」の生き方
松本健一
1999 新潮社



海の子の夢をのせて
 ありがとう「れいんぼうらぶ」
倉掛晴美
2000 石風社


  映画「白い船」のエンド・クレジッドの中で見た書名。
  予約で申し込むと子ども向けの本でした。


Windows98ウラ技テクニック
 ステップ図解 SecondEdition対応

2000 ナツメ社

Windows98SEも古くなりましたが、まだ使っている方おられますか?(笑)
一通り使い方が分かると、それ以上勉強するのが億劫でそのままになってしまいました。
でも、時折勉強の必要に迫られます。
こんなに勉強しなくても、もっと、使いやすいソフトになって欲しいですね。


この頃、痛感するのは、自分のPC内を検索するソフトの必要性。
HPの原稿が増えてきて、
話が重複するのを防いだり、
話の展開を追ったりしたいのです。


二人の小さな野蛮人
アーネスト・T・シートン著
2000 秀英書房

動物物語で有名なシートンの著作には、他にも素敵な作品があるようです。


宇宙の果てまで
小平桂一著
1999 文藝春秋
(442.3/コ)

  「パロマの巨人望遠鏡」の訳者後書で紹介されていた本。


すばるが見た大宇宙
沼沢茂美
1999 桜桃書房
(442.3/ヌ)


カラフルな星の写真を見ていると、
3,4年前にしし座流星群が話題になった時、
カミさんの実家から借りてきた天体望遠鏡で、
子ども達と一緒に、初冬の星空に見入ったことを思い出しました。
写真ではなく、望遠鏡で実際にこの目で色のついた星を見て感動したのです。 
後日、倉敷の天体望遠鏡で、土星を目の当たりに見た時も、
写真で見た通りだと、倒錯の感動をもしました。(笑)
すばるのHPが、ありますよ。
今、一般の方の見学受け入れ態勢を整えているようです。
ハワイの標高4200mへ、あなたは行きますか?(笑)


ハッブル宇宙望遠鏡
宇宙への新しい窓

D.フィッシャー・H.デュルベック著
1996 シュプリンガー・フェアラーク
(442.3/フ)

残念ながら、NASAは英語サイトでした…。(笑)


デイヴィッド・コパフィールド
ディケンズ著

岩波文庫の新訳書で、
今なお刊行中のもの。
これは読み易いです。



県図



金儲けがすべてでいいのか
 グローバリズムの正体
ノーム・チョムスキー
2002 文藝春秋



飯島耕一・詩と散文

みすず書房


 1 他人の空・わが母音
   評伝アポリネール
   ダダ・シュルレアリスム・映画
     
 2 ウイリアム・ブレイクを想い出す詩
   田園に異神あり
   瀧口修道へのオマージュ



南極点より愛を込めて
ジェリ・ニールセン
 メアリアン・ヴォラーズ[共著]
2002 講談社




リヒテル
ブリューノ・モンサンジョン

2000 筑摩書房



夢のある「終の棲家」を作りたい
大山真人

2002 大和書房



誰も教えてくれない
家作りの失敗成功

主婦の友社



「いい家」が欲しい
新装版
松井修三
2002 創英社




リヴァプールの空
ジェイムス・ヘネガン著
2002 求龍社
(933.7/ヘネ02)



読んだ本はどこへいったか
鶴見俊輔
2002 潮出版社
(019.9/ツル02)



塵に訊け!
ジョン・ファンテ著
2002 DHC
(933.7/フア02)



スポーツを「視る」技術
二宮清純著
2002 講談社 [講談社現代新書1630]
(780.4/ニノ02)



トークトーク カニグズバーグ講演集
カニグズバーグ作品集別巻
2002 岩波書店
(933.7/カニ01/10)


古本デッサン帳
林哲夫
2001 青弓社
(020.4/ハヤ02)



作家が過去を失うとき
アイリスとの別れT
ジョン・ベイリー
2002 朝日新聞社
(930.278/ヘイ02)



ナチス・ドイツと聴覚障害者
断種と「安楽死」政策を検証する
中西喜久司著
2002 文理閣
(498.2/ナカ02)



この出版社と発行者については以前ご紹介しましたね。
中西喜久司さんは、ろう者でありながら英語教育に取り組んだ方でして、
その実践による専門書を書いております。


2002.11.10記
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図書館にまつわるニュースなど



「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」が市図に入りました。
私と同様、今借りておられる方々、返却期限に遅れないように頑張って読みましょう!
お待ちの方々、今しばらくご辛抱ください。(^^ゞ



図書館に関わるお話に続けて接したので書留めておきます。


朝日新聞2002.10.20付私の視点・サンデー、掲載。
「患者にも読書の楽しみを」と題して文筆家の我部さんが書かれたもの。
著者は、急性骨髄性白血病で、去年から今年にかけ、6ヶ月前後自宅近くの公立病院に入院し、
読みたい本が読めず、聴きたいCDが聴けず、困ったそうです。
私と同様、日頃からよく図書館を利用していた方のお話で見につまされました。
「せめて近くの図書館の蔵書が病院内でも検索できるように、端末を各病棟に設置してもらえば、ボランティアの協力を得ながら、定期的に本が借りられるのに」と、今すぐにでも出来そうな案を提示しておられます。
千葉の浦安市立図書館で、病院内に分室を設けている例も紹介してありました。


院内感染に配慮する処置を経た、本やCDを通し、
得られる、「精神的充足感は、治療にも役立つだろう」と締め括っているのに、賛成です。


この投書の翌日、10/21付asahi.comに、
「がん専門病院の図書館に専任司書」という記事が載りました。
先9月に開院した県立静岡がんセンターに、
国内で初めて専任の司書が常駐する患者のための病院図書館が開館した由。
専任司書の菊池さんは、
長く病院図書館の普及運動に取り組み、
日本病院患者図書館協会(東京)の会長も務めておられるそうです。


こちらは、
患者が学ぶための専門書も加わって、
違ったニュアンスの要求も含まれます。


先の朝日新聞2002.10.20付私の視点・サンデーが左側の頁で、
向い合わせの右頁は「読者のページ」と題した投書欄。
この中に、図書館にまつわる投書がありました。
「「駅の図書館」網めぐらそう」という一文です。


和歌山のJR駅にある「ゆかいな図書館」の蔵書が11万冊を超えたにも関わらず、借り出された本の約8割が返却されていない由。
これを踏まえた提案が一文の主旨です。
他の多くの駅にも「ゆかいな図書館」を開設し、
どの駅でも図書を返却できるようにしたらどうかというもの。
「どこで借りられ、どこで返されたかを記入する紙を本に貼っておけば、
その本がどのように旅してきたかが分かって楽しい」のは、
頷かされました。
夢があっていいお話ですね。


2002.10.26 記
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資料紹介 2002.10


県立図書館で目にした資料


いのちの対話
河合隼雄
2002 潮出版社

より道わき道散歩道
河合隼雄
2002 創元社

河合隼雄さんの近刊書です。
いろいろ教えていただくことが多いのですが、
こちらの関心が偏って忘れていることもあり、
読み返す度に教えられることがある。

手話ということば
米川明彦
2002 PHP研究所

娘(小4)の国語の後半の教科書に、
この本の巻頭に紹介されている著者の文章が載っていました。

波止場日記
エリック・ホッファー
2002 みすず書房

ミスター・ヴァーティゴ
ポール・オースター
2001 新潮社

大人になるって何? みんなで考えよう3
鶴見俊輔と中学生たち
2002 晶文社

鶴見さんの思考を通して噛み砕かれた考え方に、
思いがけないものがあり、
自分の窮屈な考え方を反省させられること、しばしば。

指輪物語4 二つの塔下
J・R・R・トールキン
1992 評論社

なかなか捗りません。(笑)
借りて傍に置いていることが多いのですが
気が向いた時、登場人物たちに会うように読みます。


市立図書館で目にした資料


ある明治リベラリストの記録
孤高の戦闘者 竹越興三郎伝

高坂盛彦著
2002 中央公論新社



オキナワをうたう
登川誠仁自伝

登川誠仁 構成・藤田正
2002 新潮社



パロマーの巨人望遠鏡 上・下
D.O.ウッドベリー著

2002 岩波書店(岩波文庫)



英語となかよくなれる本
高橋茅香子著
1999 晶文社

「英語で人生をひろげる本」の前に出た姉妹本で、
英語の原書に取り組む時の入り口をたくさん紹介してあります。
この本でも翻訳されてない素晴らしい本に出会えます。


エリック・ホッファー自伝
構想された真実
2002 作品社



夢見つつ深く植えよ
メイ・サートン
1996 みすず書房



クワイ河収容所
アーネスト・ゴードン著
1995 筑摩書房

映画「エンド・オブ・オール・ウォーズ」の原作です。

審判
D・W・バッファ

2002 文藝春秋(文春文庫)


障害者白書
平成12年版

ASAhIパソコン No316
2002.8.1号

激動期の記録型DVD目的別正しい選び方
PCトラブル解決大全
市立図書館再開です。
殆どの借出本の期限が来たので返すのを機に、
取りまとめておきました。

2002.10.20 記
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映画「チョムスキー9.11Power and Terror」への誘い


1年前の9.11事件に関する本が、続々と出ており、
その中の「Noam Chomsky ノーム・チョムスキー」を、
市図で見つけました。
これは、『9.11---アメリカに報復する資格はない!』に続く彼の著作の中の一冊です。
これまで立て続けに出てきた著作からも、
映画の公式サイト記事からも、
精力的に講演・インタビューを行なっている様子が伝わってきます。


「Noam Chomsky ノーム・チョムスキー」の監修者、鶴見俊輔さんのあとがきで、
会って感ぜられるものの強いことをはっきりと書いてあり、、
この本の巻末で紹介されている映画を、見たくなりました。


9.11---アメリカに報復する資格はない!
2001 文藝春秋社



Noam Chomsky ノーム・チョムスキー
2002 リトル・モア


事態は、2001年9月11日にふってわいた印象を受けましたが、
「医者井戸を掘る」を読んで、
その前からのつながりを知る。


2000年6月から始まったアフガニスタン大旱魃(かんばつ)に対して、
日本のNGO,ペシャワール会医療サービス(PMS)が、
一年にわたって行なった活動を当事者が記した本です。


1979年以来のアフガン戦争で荒廃した国が大旱魃に襲われたニュースが、
殆ど知られなかった事を始め、
様々な事を、現地の民衆の視線から述べています。


欧米から、政治的にしか見られていない国の民を救う為に、
手さぐりの状態から井戸を掘り続けていくことで、多くの人が救われる様を読んでいくと、
政治って一体なんだ?と、問わざるを得ない。
タリバンに対する国連の報復措置や、
バーミヤンの仏跡破壊も、
これまで私が新聞等で知っていたのと違った見方があることを教わる。


医者井戸を掘る
中村 哲
2001 石風社



ペシャワール会の活動は、
無名の日本市民の支援を得、
その後も続いており、
その報告をインターネットで知ることが出来ます。


「医者井戸を掘る」を読み終える頃、
事件から一年後に、新聞へ掲載されたポール・オースターの文章を読む。
アメリカ政府に対するニューヨーク市民の思いを書いたものですが、
タリバンを始めとする政治勢力を見つめ続けるアフガニスタンの民衆を連想しました。


政治で事にあたることと、人ひとり一人の立場から事にあたることとの、
ズレが信じられない程、大きくなっている世界を見せつけられ、
言葉もありません。


最近明らかにされた北朝鮮の拉致事件でもそうです。


この今の世界をどう見ればいいのか、
その指針の一つを求めて、
チョムスキーさんの映画を見たいと思います。


2002.10.3 記



ストックとしての図書館



「エリック・ホッファー自伝」を読む。
市井の一人としての立場を堅持しながら、読書と思索を進め、
高い評価を得たこの人の本を今頃になって読んだのだが、
非常な感銘を受ける。


訳者あとがきによれば、
この本を含めて6冊の邦訳書が出ている。
是非、この人のほかの本を読んでみたいと思い、
早速市図の検索にかけたところ、
この一冊しかなかった!


県図の検索にかけると、
やっと他の二冊が借りられることが分かる。
その内の一冊、「波止場日記」をいま手元においてこの文章を書いています。


アマゾンのサイトを覗くと、
この自伝を含め二冊しか手に入らない。


この人の事は、天声人語で取り上げられる程に、
知名度も評価も高いのに、その著書を手にしようとしてこの有様。


今は、世をあげて情報化時代と言われていますが、
その内実はこのように寒い面が有ります。
それで思い出すのが、
5月26日に朝日新聞で取り上げられた、
「情報基盤としての図書館」根本 彰著 勁草書房
の書評で、津野海太郎さんの激しい文章が載っています。
都庁の要請で都立図書館から数十万点の蔵書が消える予定だそうです。
図書館のフロー情報化を指摘しているのですが、
そう言えば私が子どものころ図書館といえば古い本が置いてあるだけのところというイメージでした。
それが今では、多くの新刊がどんどん入っている。


でも、この様にしばらく前の本を探そうとして、
古い本が無い!
現実問題として、市立図書館に予約を申し込めば、
専門職の司書が全国のどこかの図書館から探し当てて、
取り寄せ、読む事が出来ます。
でも、津野さんの文章を読んでいると、とても不安になる。


インターネット時代に図書館が欠かせない一例でしょう?


このサイトでの、図書館の頁が、元気なくなってきました。(^^ゞ
反応が無い所為にはしてはいけないけれど、
ついつい反応のある頁の更新に時間をかけてしまいがちになります。
書いている内容も自分が読んだ本や見たビデオの紹介に陥り、
これでいいのか?と自問せざるを得ない状況になってきました。


そこで、市図と県図とのクロスオーバー化もあって、
この際、合体させ新規に頁を更新しようと思い至りました。
そして、自分の読書日記ではなく、
私的なデーターベース化を図って、
もっとダイナミックな記載を志します。


果して、目論見どおり行くか?
どうぞ、応援の程お願いします。(^^ゞ


2002.9.27 記