ピアノのレッスンで、大切なことはたくさんあります。
講師の質、レッスンの内容、教材、指導方法、親との連携・・・
あげたらキリがありません。
でも、これらの基盤になることは、
「先生が生徒一人一人をしっかり見つめること」ではないか。
そう私は思うのです。
レッスンの内容も、教材も、指導方法も、
すべてが「その生徒に合ったもの」でなければ、
それがどんなにすばらしいものであったとしても、
役には立ちません。
「この子にはどんな教材が合うかしら?」
「この子はどんな風にレッスンを進めていけばいいかしら?」
そう考えて、その子にピッタリのレッスンをしていくこと、
それが、よいレッスンをするために一番必要なことだと思うのです。
音楽大学を卒業した先生、
コンクールでの受賞経験がある先生だからといって、
かならずしも質の高い講師であるとは言えません。
本当に質の高い講師というのは、
日々の努力をおこたらず、
常に生徒のことを考えたレッスンをめざしている講師のことでしょう。
ピアノのレッスンは、
「生徒のためのもの」でなければなりません。
それは、実はとっても難しいことでもあるのです。
生徒がピアノ嫌いにならないように、
ご機嫌うかがいをするような、
そんなただ楽しいだけのレッスンでは、
結局は生徒のためにはなりません。
だからといって、ピアノを演奏する上で必要なことを、
「生徒のためだから」とただ指導しているだけで、
生徒にとってはそれが苦痛であるなら、
たとえそれが生徒のためになるレッスンだとしても、
その生徒はピアノが嫌いになってしまうでしょう。
これが本当の意味で
「生徒のためのレッスン」と言えるのではないでしょうか。
私は日々、そういうレッスンを目指しています。