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源氏物語試論5


摂関家の妻の氏族、


<>…子供が昇進した女性 一覧
藤原冬嗣=<藤原氏>
藤原良房=嵯峨天皇皇女(子供が生まれず)
藤原長良(良房兄、基経と高子の父)=<藤原氏>
藤原基経=<人康親王の女(娘)>
藤原時平
藤原忠平=<宇多天皇皇女(実頼母)>、<右大臣源能有の女(師輔母)>
藤原実頼=藤原時平女
藤原師輔=<藤原氏(伊尹、兼通、兼家、安子母)>、内親王
藤原兼通=基平親王女、有明親王女、能子女王
藤原兼家=<藤原氏(道隆、通兼、道長、超子、詮子母)>、藤原氏、
藤原道隆=<高階氏(伊周、隆家、定子母)>、守仁女王
藤原通兼=藤原氏
藤原道長=<左大臣源雅信女(頼通、教通、彰子、けんし、威子、嬉子母)>、左 大臣源高明女、源重光女
藤原頼通=村上源氏(正妻、子供が生まれず、源師房姉)、<村上源氏(たたしその 子の藤原道房は早世)>、<藤原氏(師実母)>

考察
特に摂関家が妻の氏族をえり好みしているようには感じられない。母親が高官の娘 のほうが昇進する傾向があるがそれほど強力な傾向ではない。
注目したいのは時平、忠平兄弟と、兼通、兼家兄弟と、道隆、通兼、道長兄弟であ る。

藤原時平、忠平兄弟
藤原時平
藤原忠平=<宇多天皇皇女(実頼母)>、<右大臣源能有の女(師輔母)> 時平の妻は見つからなかったが、順調に行けば時平一族の下風に立たねばならない 忠平は賜姓源氏の実力者と姻戚を結んでいる。

藤原兼通、兼家兄弟
藤原兼通=基平親王女、有明親王女、能子女王
藤原兼家=<藤原氏(道隆、通兼、道長、超子、詮子母)>、藤原氏、藤原氏 この兄弟の不仲は有名であるが、兼通は皇族、兼家は藤原氏と姻戚を結んでいる。

藤原道隆、通兼、道長兄弟
藤原道隆=<高階氏(伊周、隆家、定子母)>、守仁女王
藤原通兼=藤原氏
藤原道長=<左大臣源雅信女(頼通、教通、彰子、けんし、威子、嬉子母)>、左 大臣源高明女、源重光女 優先順位3番目である道長は賜姓源氏の実力者と姻戚を結んでいる。源高明女との 結婚は姉で一條天皇の母の詮子が取り持ったらしい(「栄華物語3」)
道隆の死後その一族は没落する。この主因は道長であるけれども、道隆はなぜか下 級氏族の子女と結婚しており、そのため定子等は後ろ盾がなかったことも原因だろ う。 このように兄弟がいる場合、兄弟で同じ氏族から妻をとることは避けているようで ある。 藤原道長は源高明(とその兄源兼明)、左大臣源雅信(とその弟左大臣源重信、村 上源氏など賜姓源氏と深い関係を持っている。ということがわかった。