双眼鏡ごし撮影法 |
私のカメラは光学2倍ズーム。これでは、とても遠くのものは撮影できない。それでも何とかして撮りたくて、こんな風に望遠撮影に挑戦してきました。
2001年アメリカ旅行にいったときのこと。カナダの親戚のうちに遊びにいったら、庭に小鳥がいっぱいくる。2階の窓から見ていたら、小鳥の餌目当てにシマリスまで出現。かわいい。あれ撮りたい。だんなが親戚のお家に常備してあった双眼鏡を借りて、双眼鏡にデジカメをあてる→双眼鏡のピントをあわせる→シャッターを押すを何度もやってみました。その結果、何とか、ほっぺたいっぱいに餌をほうばった、リスの姿を記録することができました。
(2001/8/5撮影)
その後、ボストンのフェンウェイパークにレッドソックスVSマリナーズの野球を見に行きました。ちょうどその日は、野茂が先発。マリナーズにはイチローと佐々木が。座席は一塁のすぐ後ろ中段ぐらい。あー、生野茂、生イチローが撮りたいよー。だんなが、ちょうど手元にあったタバコのおまけでもらった小さい双眼鏡で、またまた双眼鏡ごし撮影に挑戦。後でみてみると、あ、イチローだってわかる写真があるぞ。やったー。
(2001/8/15撮影)
アメリカから帰って半年。近くの川に鴨の群れを見かけるようになった。あー、あの鴨を撮りたい。でも家には双眼鏡がない。で、カメラやさんにいって、双眼鏡を物色。選択条件は、なるべく軽くて双眼鏡の接眼部にカメラのレンズがはまるもの。あとは、レンズがクリアなもの。倍率が大きいほうがいいかなとおもって、結局×8〜×24ズームつき、NikonのLibinoUを店頭現物価格で値引きしてもらって\18,000でGet。
接眼部にはまるといっても、実は3mmぐらいの隙間がある。この中をレンズが動いてしまうので、横から余分な光がもれるわ、まっすぐ映像が写るところにカメラを位置づけるのが大変だわ。これは何とかしなければ。
で、3mmの隙間をふさぐアダプタを自作。といっても、広告の紙をレンズの太さにあわせて、ボンドをつけながらくるくる巻いて、適当な厚みにするという超安上がりな代物。なくならないように、ゴムひもをボンドでつけて、出来上がり。これでずいぶん楽になったぞ。
双眼鏡×8倍と、デジカメの光学ズーム×2倍で、あわせて16倍。つまり、手ぶれも16倍に増幅されるってこと。デジカメと双眼鏡を両方手で支えないといけないので、手持ちで撮るのは至難の技。そこで、カメラは三脚にすえつけて、三脚のレバーの上に双眼鏡を持った手を載せて、構えるようにしてみました。これで明るいところでは成功率が大幅UP。
普通に撮るとこんなのも..(2倍)
双眼鏡ごしにとるとほらこのとおり。(2×24倍)
(2002/2/24撮影)
2002年ゴールデンウィークにいったカナダでも、この方法で鳥やらリスやら思う存分撮りまくることができました。(撮影結果はこちら)
(2002/5/6撮影)
車庫の中にツバメが巣をかけていて、雛がうまれたんだけど、車庫の中が暗いせいで、手ぶれがひどい。さらに、餌をもらっているところを撮りたいけど、双眼鏡を支えている手が疲れて、とても親鳥が帰ってくるのを待ってなんかいられない。
これは、何とかして、双眼鏡とカメラを一緒に三脚に固定する方法を考えないと。。あれこれ考えた末に、自作することに決定。
構想1週間。カメラ屋やホームセンターで材料を買いあさり、いよいよ工作に着手。
半日かかってこんなのができました。(カメラ装着状態をお目にかけられないのが残念。)
(2002/6/16撮影)黒い部分にカメラを取り付けて準備完了。鳥に狙いをつけるのが、格段に楽になりました。
では、撮影方法をご紹介。
<カメラの設定>
フラッシュ
OFF
フラッシュをたくと、シャッタースピードが速くなって、真っ黒に写るのでズーム
2倍
ズームしないと映像に丸いふちができて、潜望鏡映像みたいになっちゃうのでマクロモード
OFF
これが一番ピントがあわせやすいみたい<基本の撮影方法>
- 双眼鏡の倍率を8倍にする。(カメラズーム2倍×8倍で16倍!)
- 双眼鏡をのぞきながら、三脚を操作して被写体を捕らえる。
- 双眼鏡のピントを大体合わせる。
- 液晶をみながら、三脚を微調整し、被写体が中心にくるようにする。
- 液晶を見ながら、ピントの微調整をする。
- シャッターを押す。
<もっと大きくとりたいときは>
- 双眼鏡の倍率8倍で被写体を捕らえてから、双眼鏡の倍率を16倍にする。(カメラズーム2倍×16倍で32倍!)
- ピントあわせをする。
- タイマー撮影モードにする。
- シャッターを押して、タイマー撮影が終わるのを待つ。
ズーム倍率が上がると、入ってくる光が少なくなるので、映像が暗くなります。
そのため、シャッタースピードが遅くなり、ぶれやすくなります。
さらに、超望遠では、ぶれ幅も倍率分に増幅されるので、シャッターに触れるだけでもぶれてしまいます。
でも、タイマー撮影なら、手ぶれの心配はゼロ!
(あとは、鳥さんがじっとしていてくれるのを祈るだけ)さて、成果のほどは、といいますと、、あれー、あんまり上達してないような?
うす暗い車庫のツバメの雛も撮影成功(16倍)
キセキレイ(32倍)
(2002/7/7撮影)
(2002/7/7撮影)
実は、デジカメ+双眼鏡(略してデジ双)またはデジカメ+フィールドスコープ(略してデジスコ)で望遠撮影する方法は、簡易天体撮影方法として考案された、バードウォッチャーの間では、超有名なコリメート法という方法。詳しく知りたい人はコリメート法とは?を参照。