ADSL導入、回線速度は?

  8月のある日のことでした。ADSLの月額費用が4000円を切るとの広告を見ました。その時はISDNを使っていました。NTTには i・アイプランというのがあって、アクセス回線の電話番号を固定すれば、月額3000円までを1200円にするサービスがあります。プロバイダーが使い放題で1600円。それとISDN回線の基本料金が1000円くらいかかります。それだけで4000円弱です。

  ほとんど同じ料金で速さが10倍以上。すぐ決めました。これで私もブロードバンド対応だ。BiglobeからADSLeというのを申し込みました。これはeAccessがホールセールをしているものなので、NTTとあれこれしたりしなくて、窓口は一本ですみます。

導入までの日程

  導入完までeAccessの予定した通りに進みました。申し込みが8月25日で開通が9月14日ですので、遅れはありません。
  私の場合、ISDNからアナログ回線へ戻すのが、10日程かかりましたので、日程の半分はNTTが占めていたことになります。この過程でNTTと日程の電話連絡が数回あるのですが、ある打ち合わせで決まった内容を、同じNTTの中の他の部所に報告します。社内連絡に相当するんだから、お客にやらせずに自分たちで、社内連絡してよね。

モデムの選択---USBタイプ? あるいはルータータイプ?

  eAccessではどちらかのタイプを選択できます。USBタイプは簡単ですが、基本的には1台のパソコンにしかつなげません。ルータータイプは複数台につなげますが、価格が多少高くなります。
  私の場合ルータータイプを選びました。これはその時点でISDNで2台つなげていたからです。メルコのエアステーションという機器でワイアレスで1台、有線で1台計2台のパソコンをつなげていました。当然この環境は引き続かないといけません。

ルーターモデムとエアステーションとパソコンの接続

  私の持っているエアステーションは、WLS-128Sというモデルで、ワイアレスカードがセットになっているモデルです。本体はISDNの入り口と、DSU、TA、ルータ、スイッチングハブ、無線のアクセスポイントなどがいっしょになっているものです。

  
ルータモデムとどうつなげば良いんだ? つながるのかな? という疑問でいっぱいでした。ISDN用だからだめなのかも、と心配もしました。ネットワークの知識のある人には全く問題にもならぬ事なのでしょうが、私はその方面の知識がないので、どうしたら良いんだと考えました。
  エアステーションの中にはルーターがあるし、パソコンのIPの自動振り分けをやっている。ルーターモデムにもIPの自動割り振り機能がある。同じ機能が二つあったらどうなるんだ。なんて悩みました。

  結局メルコに聞いてみましたが、親切に教えてくれました。ただ私が背景知識がないので、サポートの人と何回もメールを交わし、どうにか理解できました。つまり、ワイアレス部分も含めたスイッチングハブのみを使うということなんですね。やる事ととしては
     1) エアステーションのDHCP機能を働かなくする(IP自動割り振りを止める)
     2) ルータモデムからみてエアステーションのIPを自動割り振りする範囲外に設定する
     3) ルーターモデムの出力からクロスケーブルでエアステーションのハブにつなぐ
という事です。開通日までにこんな準備をし、わくわく待っていました。無論ルーターモデムそのものの設定も添付されていたCDでセットアップしておきました。セットアップ自体は全く簡単です。

さていよいよ開通日

  実際は公式開通日の一日前のADSL局内工事日の夜でした。会社から帰って結線をしてパソコンの火を入れたら、あっけなくつながりました。応答が速い。ISDNより体感的に早くなるのがわかります。無線パソコンも有線も問題なく動きました。全くあっけなく動きました。

  でも、エアステーションの設定をするWEB画面が見えなくなってしまいました。パソコンはつながっているのですが、設定WEB画面が見えないのです。ルーターモデムも設定をWEB画面でできるのですが、これは見えます。このあたりもネットワークの知識のある人ですと問題にもならぬのですけどね。

  色々考えた挙句原因がわかりました。IPアドレスの問題でした。
 
    エアステーションのIP   192.168.0.100
     ルーターモデムのIP    192.168.1.1    となっており、
     ネットマスクが        255.255.255.0  なので、
ルーターモデムからみてエアステーションは、LANの外にあるとみなし、外へ出してしまったという事のようです。
エアステーションのIPの0を1に変えてうまく見えるようになりました。ハッピーハッピーでした。

一番の関心の回線速度は?

  速度の測定をしました。残念ながら希望的目標としていた1.2Mbpsを超えていません。最速で1.1Mbps位です。
大体800〜1100Kbpsで普通900〜1000Kbps位のことが多いですね.私の家は局から直線で、2Km弱ですからまあこんなところなのかも。パソコン自体の性能も効くらしいですが、私のは今セレロン1GHzで、こんなものなのかなあ。
(導入時はセレロン450MHzでしたが、もう少し遅かったです)
速度は次のようなサイトで計測しました。

 
 ■インターネット回線速度調査■
  ブロ−ドランド(ADSL実験室)
  SPEED TEST
  SpeedEye「実行速度測定掲示板」
  ブロードバンドスピードテスト
  回線速度計測ページ Broadband Networking Report  等です。


  実験した結果ではそれぞれのサイトで値が違うし、また計測した時間帯でも違います。少しの違いにこだわってもあまり意味がないのでしょうね。ひまな時にいろいろやってみると自分の回線の実力がわかってきそうです。ただ対応しているサーバーも関係しているようで、上の6つの中では平均して「ブロードバンドスピードテスト」が一番早いようです。

  データ伝送の時のパラメータを変える方法も速度を上げる一つのテクニックらしいですね。MTUとRWINというパラメータを変えると、最適値があるらしいのですが、まだ良くはわかりません。設定には
DrTCPというソフトがあります。ここでダウンロードできます。DRTCP019.exeというファイルです。いずれトライしてみるつもりですが、誰か既にやってみていい結果が出ましたら教えてください。

  回線速度を上げるには、雑誌などにいろいろテクニックが出てますが、
回線おたくなどという人種も現れそうですね。古くはDOS時代にフリーエリアをいかに増やすか、CONFIG.SYSをいじりまわす環境おたく、パソコンの速度を計測するHDBENCHをこよなく愛すベンチおたく、CPUクロックをあげるクロッカーおたく、そして回線おたくが生まれ始めている。ひょっとすると私もなりそう。

その後のトライと問題

  回線速度の方はちょっとやってみたのですが、思わしい改善はありませんでした。配線のケーブルを整理し短くし、電源周りを整理するとよい、と雑誌などには書いてありますが、ほとんど改善はありませんでした。私が考えるに、電話局からはkm単位の長さがあり、電柱から家のモジュラージャックまで数10mはあると思います。その後の数10cmをいじってもほとんど影響ないと思うのです。雑誌の記事は本当なのでしょうか?
(後になってわかったことですが、家の中の配線をいじる事はある場合には意味があるという事がわかりました。)

  私の問題は
回線がよく切れることです。本当によく切れます。1日に20回くらい切れます。
ログを見てみると、1時間に3回くらい切れる時もあります。
切れる傾向がわかりました。
1.よく切れる時間は朝の9時から夜の10時くらいの間。深夜はほとんど切れない。
2.月から金までのウイークデーがよく切れる。土曜も切れる時がある。

  これで見るとちょうど残業が多い人が働いている時間が切れやすい時間です。どこかのひとつの回線から影響を受けているのか、総体的に日中だから妨害信号が多いのか特定はできませんが、もしひとつの回線から妨害を受けているのであれば、回線の「収容換え」というのをやれば、大きく改善できるのかもしれないですね。いずれ回線業者と相談して何らかの手を打ってみたいと思っています。改善できたらまた報告したいと思います。
  皆さんにはこういう問題に遭遇していないのでしょうか?
  回線が切れていても、ひょっとすると気がつかないかもしれません。というのはモデムによっては回線切れが起きてもすぐ自動的に接続処理をはじめます。eAccessのモデムの場合がそうでした。WEBからデータをダウンロードしている時に切れていなければ、気がつかないかもしれないですね。ではどうするか? モデムのログを見るのです。
  私のモデムの場合、WEBを見るような感じで色々の設定をしたり履歴が見えます。
ブラウザで http://192.168.1.1 とすると見えます。ユーザー名とかパスワードは多分両方とも root でOKですね。一度見てみると良いと思います。

ノイズ対策

  このままの切れ具合では困るので、ノイズ対策をしました。結果はかなり効果がありました。
残る問題は着信時のリンク切れです。これは別途対応することにします。

MTU、RWINの調整

  この二つのパラメータを変えると、速度が上がることがよく雑誌などに書かれています。しかしこれをやる前に確認しておくことがあります。モデムのリンク速度と実効速度の差です。リンク速度というのは自宅のモデムと収容局の装置間との伝送スピードですね。物理的な条件に左右されます。距離とか線路の伝送損失とかS/N比によって決まりますね。
  実効速度はこのスピードよりも必ず低くなります。伝送のためのソフト的なオーバーヘッドが加わるためですね。MTUとRWINをうまく調整しても実効スピードはリンク速度の80〜85%くらいにしか上がりません(1.5Mbps回線の場合)。従って両方のスピードをチェックしてみて大体上限に近ければ調整してもあまり意味ないでしょう。
  雑誌などではこの点があまり書いてなく、無意味な努力を強いられ、その結果にがっかりするのではないでしょうか。
  Windows95,98等の古いOSの場合はブロードバンドを意識してないので、ADSL向けでない数値になっており、数値を変えると大いに改善できる可能性がありますが、Windows2000、ME、XPの場合はデフォールト値が既にブロードバンド向けの値になっているので、ほぼ最良点になっている思われます。
  MTUはADSL提供業者により若干差があるようです。RWINは回線の性能により数値を変える必要がありそうです。
  私の場合は、Biglobe+eAccessですが、MTU=1500が最良です。OSはWindows2000を使っていますので、変える必要がなかったです。Windows2000の場合デフォールトでRWIN=17,520ですが、これも変える必要がなかったです。ただ私の場合直線距離で1.9Kmあり、あまりよい条件でないので、このくらいの値ですが、回線条件がよい人はRWINをもっと大きな値にしたほうが良いかも知れないですね。調整はNetTuneでやりましたが、結果としてはWindows2000のデフォールト値のままでした。