Lead & Readにおけるクトゥルフ


Vol.1 / Vol.2 / Vol.3 / Vol.4 / Vol.5 / Vol.6

記述例
記事の掲載誌の号数(初版発行日)
記事名
著者/訳者等(敬称略)総ページ数
記事の概要

Vol.1 (2008.2.6)

クトゥルフ神話TRPG リプレイ
水底の早贄
作:内山靖二郎│画:青木邦夫30P

山奥の湖で起こる怪異!!
モズの早贄が暗示するものとは!?

シナリオの舞台は現代日本。かつて高知県土佐郡の山奥に存在し、今はダム湖の底に沈んでしまった集落。しかし夏の記録的な渇水でダムが干上がった事により、再び姿を現していた。そこに伝わっていた沼神信仰の事を教え子の卒業論文で知った民俗学講師は、同僚の教授や学生達とともに現地調査を試みる。集落の住人達が着工の直前に一夜にして全員姿を消してしまったという過去や、モズの早贄を忌避するという今も周辺の集落に残る風習の事など、彼らは知る由もなかった。果たして真夜中、湖中から伸びてきた細く長い何かが人影を刺し貫いて高く掲げ、古き恐ろしきものの影が彼らの周囲に集い蠢き包み込んでいく……。

  • 探索者創造
    • 探索者ハンドアウト
      • PC1: 大学の民俗学者(30歳〜)
      • PC2: PC1の教え子(19歳〜)
      • PC3: アウトドア派の学生(18歳〜25歳)
      • PC4: 廃墟マニアの古物商(25歳〜)
    • PC1: 水無瀬克馬(みなせかつま)
    • PC2: 似鳥秋生(にとりあきお)
    • PC3: 速水真(はやみまこと)
    • PC4: 信濃川芳乃(しなのがわよしの)
    • NPCたち
      • 渡辺准教授(40歳くらい)
      • 瀬川遼子(23歳)
      • 須永(20代中ごろ)
    • コラム:『クトゥルフ神話TRPG』とは
  • 楽しい夏休みの計画
  • 瀬川遼子との再会
    • 図:飛渡(とんど)ダム及び周辺の地図
  • ダムに沈んだ村
  • いよいよキャンプ開始
  • 早贄にされたのは?
    • コラム:グラーキとグラーキの従者
  • 朝から分散行動
  • 悩ましい状況下で
  • タグ・クラトゥアの角度
    • 図:「たぐらとあへの道しるべ」の石碑
  • そして狂気が満ちていく

#このシナリオについては内山氏の「ひきだしの中身blog」においてしばしば言及されていました。これまで「Role & Roll」本誌に前後編で掲載されたリプレイが20から22ページですから、単純に考えてその1.5倍の量があります。PCのシナリオへの関わり方を設定した「探索者ハンドアウト」を使用する手法は、同じく内山氏と青木氏のコンビによるリプレイ「白無垢の仮面」でも採用されていました。
モズの早贄や太陽の船を神話的現象に重ねるという発想は素晴らしく、青木氏の筆による御姿を見る事ができたのも嬉しいです。内山氏による解説も適度にはさまれ、ゲームを円滑に進めるためにキーパーの凝らす工夫がよく分かりました。あえていうなら、言葉の響きで期待感を膨らまされる「水底の早贄」そのものは登場しなかった事と、最終的な損害に比較してラストシーンがちょっと深刻さに欠けている事が、私にとってちょっと残念な点でしょうか。
あと、リプレイで要約が付記されている“エンサイクロペディア・クトゥルフ”の項について、当方のサイトの関連ページに個人的な意見を。

“クトゥルフ神話TRPGリプレイ みなせゼミの名状しがたき夏休み”の解説より追記:

  • 「グラーキの従者が漂わせるクチナシの花の香」という描写は、内山氏のオリジナル設定であるとの事。
  • グラーキの招来に使用される「タグ・クラトゥアの逆角度」(当サイトでは「タフ=クレイトゥールの逆角」)は、このリプレイ以前のゲーム資料では、"Ramsey Campbell's Goatswood and Less Pleasant Places"に収録されているシナリオにおいて登場したのみであると思われます。

Vol.2 (2008.5.2)

#“クトゥルフ神話TRPG”等に関する記事は無し。


Vol.3 (2008.10.7)

#“クトゥルフ神話TRPG”等に関する記事は無し。


Vol.4 (2009.2.6)

クトゥルフ神話TRPG リプレイ
潮あふれる海
作:内山靖二郎│画:青木邦夫31P

謎の遺物ラピタ土器に導かれ、寂れた漁村へと訪れた探索者たち。
そこには神代の昔から続く、恐るべき秘密が隠されていた。神功皇后、大綿津見神、安曇磯良、これらのキーワードはなにを示すのか?
潮満珠から潮があふれるとき――忘れ去られた神話的歴史が現代によみがえる。

  • 再び集う探索者たち
    • 水無瀬克馬(みなせかつま)
    • 似鳥秋生(にとりあきお)
    • 速水真(はやみまこと)
    • 信濃川芳乃(しなのがわよしの)
    • NPCたち
      • 信濃川桐人
      • 安曇瑠江
      • 浦沢満成
  • ルールサマリー
    • コラム:『クトゥルフ神話TRPG』とは
  • 窮地の水無瀬先生
  • トンネルを抜けると漁村だった
    • コラム:「深きものとネタバレについて」
  • 安曇権左との対面
  • 自由人・信濃川桐人
  • 潮あふれる洞穴
    • 図:洞穴断面図
  • そして古き血が覚醒する
    • コラム:「大いなるクトゥルフの眠る都市」
    • コラム:「クトゥルフの呪文について」
  • 潮満珠より現れたもの
  • 穴をふさぐもの
  • 潮は引きて波打ち際に

#Vol.1のリプレイで作成されたPC達が全員再び探索に乗り出しているのは、“クトゥルフ”では新鮮なような気がします。ホビージャパン時代のリプレイでもPCの再登板はありましたが、一人も脱落せずにというのはなかったような……。内山氏は「『クトゥルフ神話TRPG』の醍醐味はやはり探索者を何度も使用して楽しむところにある」「最初は神話的知識などまったくなかった探索者が、徐々に〈クトゥルフ神話〉を得て、隠された真実に近づいていくという展開はとても面白いと思うよ。こればかりは同じ探索者をやり続けないと味わえない醍醐味だ。」と語り、シナリオの時系列を前回の事件から一年後と設定する事で、新たな探索に耐えるだけの正気度の回復と技能の成長の機会をPC達に設けています。
#青木氏の筆による水着美女二人という、一見“クトゥルフ”らしくない表紙は、サービスシーンを要求する編集者が原因だそうです。個人的には「半裸の美女と怪物」が表紙を飾っていた「ウィアード・テイルズ」出身の“クトゥルフ”にふさわしいものだと思いますが。それよりも、APP8を「ボーイッシュで化粧っ気もなく少年に間違えられる程だから」、APP10を「オカルトと廃墟が大好きな古物商という見るからに変人だから」と〈言いくるめ〉に「決定的成功」して、二人を「実は美女」に仕立て上げた人に拍手。


Vol.5 (2009.4.10)

#“クトゥルフ神話TRPG”等に関する記事は無し。


Vol.6 (2009.8.8)

#“クトゥルフ神話TRPG”等に関する記事は無し。


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