以下のコンテンツは、Chaosium社の"Call of Cthulhu"サプリメント
"The Stars Are Right!"
におけるデータを翻訳したものです。
その中心部を混沌としたのたうつ塊へと変貌させながら、長い棒のような脚を何十本もばたつかせた……皮膚を破っていくつもの口が開き、氷の破片のような質感の歯をむき出した。開口部から覗く黒々としたのどの奥からは、カエルの卵にも似た粘液状の汁がドボドボとこぼれ出す。脈動する姿のいたる所で、木製の鐘が打ち鳴らされてるような音が立てられ、それがモールス信号のように繰り返されていた。これは彼女の知り得るであろうような、いかなる生物でも決してなかった。それは地球上の生物ではなかった。このような怪物をこんなにもはっきりと物語るのは、ただ悪夢のみ……
「膿み爛れさまようもの」はニャルラトテップの従者であり、通常はアフリカやオーストラリア、アメリカ南西部において活動している教団の魔道師達によって召喚されます。世界のその他の地域においても、このような教団が活動している可能性があります。この怪物は、普段は地中深くに生息していますが、地上に災いをなすために召喚される事があるのです。混沌をその本性とするため、怪物はただ食物を捜し出して貪り喰らう事しかしません。
攻撃及び特殊効果:「膿み爛れさまようもの」の身体の大部分は複数の口で占められていて、不快な甘い臭いのするオレンジ色の粘液の混合物を吐き出しています。この粘液は犠牲者に感染を引き起こします。所定のラウンドに最大四人までの近接する犠牲者が、それぞれ1D3個の口で攻撃されます。この口の数のロールは各ラウンドごとに行います。この怪物の攻撃から生き残った者は、怪物によって失った耐久力の数値に対して、自分のCONで抵抗ロールをしなくてはなりません。失敗した場合、その人間は一日ごとにSTR、CON、DEX及びAPPを1ポイントづつ、死ぬまで失い続けます。そうでない場合は、これらの能力値を最大1D6ポイントづつ同じ割合で失い、同時に耐久力及びマジックポイントの最大値とダメージボーナスが減少します。この感染――オレンジ色の膿をいつまでも漏出し続ける傷――の治療法は知られていません。何故なら、その原因が現代のあらゆる医療知識を拒否してしまうからです。
能力値 | ロール | 平均値 |
STR | 3D6+18 | 28-29 |
CON | 3D6+12 | 22-23 |
SIZ | 6D6+12 | 33 |
INT | 1D6+6 | 9-10 |
POW | 3D6 | 10-11 |
DEX | 4D6+6 | 20 |
移動 | 9 | |
耐久力 | 28 |
平均ダメージ・ボーナス:+2D6
武器::噛みつき 50%、1D10ポイントのダメージに加えて感染した傷。一人の犠牲者につき最大1D3の噛みつき攻撃が行われます。
装甲:「膿み爛れさまようもの」は、あらゆる魔力を帯びていない武器からは最低限のダメージしか受けません。さらに、死ぬまでラウンドごとに1ポイントの耐久力を再生します。
呪文:なし。
正気度喪失:正気度喪失:「膿み爛れさまようもの」を見て失う正気度は1/1D10ポイントです。
これは「膿み爛れさまようもの」を呼び出す呪文です。消費されるマジックポイントは変化します。捧げられる1マジックポイントにつき、呪文の成功率が10パーセントづつ増加していきます。96-00の目は常に失敗です。この呪文をかけるたびに、1D3ポイントの正気度が消費されます。人間の生贄がこの呪文には必要であり、捧げられる者は生きたまま、星に見たてた大の字に縛りつけられていなくてはなりません。そしてその身体には、呪文の中で指示されている渦や螺旋、円の複雑な模様が刻み込まれていなくてはならず、その際〈芸術〉技能のロールに成功する必要があります。「膿み爛れさまようもの」は地中から穴を開けて出現すると、犠牲者を貪り喰います。「膿み爛れさまようもの」が出現する前に犠牲者が死んでいたり、〈芸術〉技能のロールを失敗していたりした場合、怪物は生贄を喰らい、そして呪文をかけた者を攻撃してきます。この呪文は、「膿み爛れさまようもの」を退散させて地下へと穴を逆戻りさせるために、逆転させる事が出来ます。しかし、この逆転された呪文もまた、上述されたのと同じ仕方で準備された人間の生贄を必要とするのです。ただこの場合、刻まれる模様は逆転されたものです。