「スケルツォ」とはテンポの速い、軽快でおどけた気分の曲のことです。日本語では「諧謔(かいぎゃく)曲」と呼ばれています。多くはA-B-Aの構成で、Aがスケルツォです。中間部のBはトリオと言い、スケルツォとは対照的な音楽が置かれます。
ベートーヴェンは、このスケルツォを交響曲に初めて取り入れた作曲家です。それまでは、交響曲にはメヌエットという3拍子の舞曲が入るのが普通でしたが、軽すぎて他の楽章と釣り合いが取れないため、代わりにスケルツォを置きました。
第2番から明記されてますが、「メヌエット」と表記された第1番の第3楽章も、既にスケルツォの性格を帯びてます。
中でも最も規模の大きいスケルツォが第9番の第2楽章です。ほとんどの解説で「諧謔(おどけ)と言うよりは狂乱」と書かれるほど激しく、この時代の曲にしては珍しくティンパニが目立っていて、初めて聴いた時は効果に驚き、衝撃を受けたものです。
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