3時間に及ぶキリスト受難物語は、大規模な二重合唱の曲で開始です。前口上と言うか、オペラの序曲みたいなと言うか……とにかくそんな感じです。
十字架を背負って、重い足取りで歩いていくような前奏の後、最初は第1合唱だけが歌います。歌詞で疑問形になっているところを第2合唱が歌います。一言ずつなんで、油断してると歌い損ねちゃいそうですが。(そんなことないか)
曲のところどころで、コラール「おお神の子羊」がオルガンの高音域と同じ旋律で入ってきます。2つの合唱とはまた別の児童合唱が担当します。他の合唱にかぶさるように少しずつ歌って、曲が終わる頃には全歌詞を歌い切る……うまく出来てますね〜。
終わり近くでやっと第1と第2の合唱が一緒になります。
No.1 MIDI (102KB、9分16秒)
来なさい、娘たちよ、私と共に嘆こう。
見よ。
誰を?
花婿を。
見よ、あの御方を。
その様は?
小羊のごとく。
おお神の小羊、
罪なくして十字架の上に屠(ほふ)られた御方よ。
見よ。
何を?
その忍耐を見よ。
いかなる時もあなたは忍耐を貫かれた、
辱めを受けたにも関わらず。
見よ。
どこを?
我らの咎を。
全ての罪をその御身に背負って下さった。
さもなくば、我らの望みは絶えたに違いない。
見よ、あの御方が愛と慈しみから
十字架の木を自ら背負って行く様子を。
我らを憐みたまえ、おおイエスよ!
来なさい、娘たちよ、私と共に嘆こう。
見よ。
誰を?
花婿を。
見よ、あの御方を。
その様は?
小羊のごとく。