裏ではこんな陰謀が渦巻いてるよ、なんてシーンですね。
No.4 MIDI (21.8KB、3分30秒)
その頃、大祭司と律法学者、そして民の長老たちがカヤパという大祭司の屋敷に集まり、計略をもってイエスを捕らえ、殺そうと話し合った。
しかし、彼らはこうも言った。
祭りの間はだめだ。恐らく民衆に暴動が起こるだろう。
場面転換ですけど、曲は続きます。イエスが預言する際に言う「本当に○○に言おう(Wahrlich, ich sage 〜)」は、この後も何度か出てきます。
イエスがベタニアの癩(らい)病人シモンの家にいた時、ある女が高価な香油の入った壷を持って近付き、食事の席に着いていたイエスの首にそれを注ぎかけた。
弟子たちはこれを見ると、怒りを込めて言った。
何故そんな無駄遣いをする? その香油は高く売って、貧しい者に施しでもすればいいだろうに。
イエスはこれに気付くと、言われた。
何故この女を悩ませるのか? 私に良い事をしてくれたのに。貧しい者は常にお前たちと共にいるが、私はそうではない。この女が私の体に香油を注いでくれたのは、私の葬りの備えだ。
本当にお前たちに言おう、全世界でこの福音が述べ伝えられる頃には、この女のした事も語られ、彼女の記念となるだろう。
ここで一旦お話から離れて、このシーンに対しての、より音楽的な表現をする部分に入ります。
No.5 MIDI (3.4KB、0分56秒)
愛しき救い主の君よ、
弟子たちが愚かにも、この心優しい女が香油であなたの御体を葬りに備えようとするのを責める時、
せめて私にはお許し下さい。
この目に溢れる涙の泉から一滴の香油を、あなたの御首に注ぐことを。
歌詞を一段下げてあるところが中間部です。この曲で言えば、上二行が中間部の後に繰り返されるわけですね。その中間部では、フラウト・トラヴェルソがスタッカートで、はらはらと落ちる涙を表してます。
No.6 MIDI (17.4KB、4分32秒)
懺悔と悔いは
罪の心を引き裂く。
我が涙のしずくが心地良い香水となって、
信実(まこと)なるイエスよ、御身に注ぎますように。