乱麻エンディング:夕暮れ時の稲荷神社にて
- GM:
- クリスタルボウイとの死闘の数週間後です。
泉も事件のことはよく覚えていないようで、今は一緒に元気に部活に励んでいる。
今日は泉に誘われて稲荷神社に写真をとりに来ている。クリスタルボウイとの死闘の地。3人を救った場所。
泉は偶然見つけた神社の猫に夢中でシャッターを切っている。
写真を撮っているうちに日は傾き始め、きれいな夕焼けが広がりつつある。
- 乱麻:
- わあ、いつ見てもキレイな夕日……。あ〜、持って帰りたい。
と、声に出さずにうっとりした顔をする私。
神社もカメラも、そして泉も元に戻ったようでひと安心。赤く染まる本堂を背景に、夢中で写真を撮る泉にシャッターを切ります。うん、いい画が撮れたわ。
ここは事件のあった神社でもありますし、積極的に話かけずに、泉の反応をみます。
- GM:
- 猫を撮っていた泉が乱麻に声をかける。
「そういえば、麻衣ちゃんにお願いしていたキツネを探す件なんけどね、見つかったんだよ。」
と、うれしそうに言う。
「でもね、本当はもっと見つけたかったものが見つかったんだ。弟の病気がね、治ったの。」
といってから、
「あれ?それって麻衣ちゃんのおかげかな?」
と首を傾げる。
- 乱麻:
- あはは、私は何にもしてないよ。神社で倒れている泉を見つけただけ。きっと『お稲荷さん』が助けてくれたんだよ。と言いながら、ちみっこい修験者の姿が浮かぶ。
- GM:
- 「そっか、そうだよね。変なコト聞いてごめんね。」とテヘッっと笑う。
- 乱麻:
- ここで、今まで疑問に思っていた事を泉に聞いてみます。
ねぇ、泉。昔、範夫くんがいなくなった時に『お稲荷さん』に助けてもらったって、おばさんに聞いたんだけど……。それって、どうゆう事?
- GM:
- 「あのね、私小さい頃、弟とここで遊んでたときに、おいてけぼりにしたことがあるんだ。そしたら弟が夜になっても帰ってこなかったから、友達と一緒に探しにきたんだ。それで…」
「あれ? それでどうだったんだっけかな? 確か白いお稲荷さんに会ったはずなんだよね。良く覚えてないんだけど、お稲荷さんが『大丈夫だ』とか言ってたんだ。」
「結局次の日にそのまま眠り込んでいた弟が見つかったんだけど、よく考えてみるとお稲荷さんは関係ないよね。おかしいな、なんか凄く印象に残っているんだけど?」
「たぶん、小さい頃だったから弟が心配で夢にでも出てきたんだろうね。でもなんでこんなに拘ってるんだろ、わたし?」
としきりに首を捻る泉。
- 乱麻:
- だったら……、『お稲荷さん』は、ホントに居るんだよ。と言ってニッコリ笑います。
- GM:
- 「うん、ありがと。」
乱麻と泉の顔を夕日が優しく照らしている。
「麻衣ちゃんは夕焼けが好きだよね。わたしは嫌いだったんだ。なんかこのあと沈んだ太陽がもう戻ってこない気がして。」
「でも、必ず太陽は戻ってくるんだよね。だから、今はちょっとだけ好きかな。」
- 乱麻:
- 夕日に染まる赤い街並みを眺めて泉に話ます。
これはお父さんが言ってた事なんだけど、お日様は一日の悲しいこと、辛いこと、苦しいことを全部吸い込んで、赤く大きくなって沈んで行くんだって。
夕日はね、そんな気持ちをしっかり消化して、次の日の朝、眩しい朝日になって必ず帰ってくるんだよって。
明日もいい日にするぞー!と左手を腰に、右手の拳を高々と上げて大声で叫びます。
朝日がいつも清清しいのは、夕日のお陰。だから私は夕日が大好きっ!と言って元気に泉を見ます。
- GM:
- 二人の横顔からカメラがチルト(上に動く)して夕焼けを映しフェードアウト。雲一つない夕焼け。明日は快晴だろう。絶対。
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