I'm in Love with My Machine・・・ルイ
- GM:
- ルイはコンピュータに向って熱心に図面を書き込んでいた。
今は「製図」の授業中。CADを使ってロボットアームの設計図を作成というのが今回の課題だ。
- ルイ:
- ぐあ・・毎度のことながら難しい。プラモだったら昔色々作ってたけど
本物の機械ってのがこんなに複雑な代物だとはなぁ。
・・と心で呟いて、ちょっと溜息。
昔か。本当のボクの昔でもないのに、何を思い出してるんだろう。
おっといけない。今は目の前の製図だ。いつか、ボクの腕が故障したときには
絶対役に立つ授業だぞ。一生懸命作らなきゃ・・
- GM:
- 隣の学生にティーチングアシスタントの天山零二がアドバイスをしている。
「あー、それではだめだよ。もっと心を込めて描かないと。
誠意を尽して設計すれば良い機械になるけれど、適当に設計すれば言うことを聞かない機械になってしまう。
いいですか、機械にも心があるんですよ。」
他の学生がそれを聞いて静かに失笑する。
「あー、また始まったぜ『ゼロファイター』のやつ。機械に心があると来たもんだ。」
- ルイ:
- そうだよ、天山。キミは本当にそのことを知っているみたいだね
新生児室でも覗き込むような目でモニタに見入る天山を見て、心の中で呟く。
でも、彼は優秀な研究者。ボクの正体を知ったら、ボクは彼の友人から研究対象に成り下がるかも知れない・・
そう思うと、とても本当のことなんて言えない。
- GM:
- しばらくすると天山はルイの前にやってきた。
「お、ルイ君。君の設計図はいつ見ても素晴しいねぇ
「これなら良い『心』を持った腕になるよ。うんうん。」
と御満悦だ。
- ルイ:
- 「ワ! 急に話しかけないでクレよ、びっくりシタよ!」
驚いて椅子から跳ね上がりそうになる。
「良い心か。ソウ言ってもらえると嬉しいよ。
でもボクの技術じゃ、まだまだコイツに心が宿っても、うまく動いてくれないカモね」
そう言って苦笑。オリジナルのルイは文系だったから、ボクも勉強に苦労するよ。
- GM:
- 「いや、技術はあとからついてくる。大切なのは自分の作っているものに注ぐ情熱だよ。」
「あー、ところでルイ君。今日はこの後暇があるかい?是非見せたいものがあるんだ。」
- ルイ:
- 「何ダイ?また珍しいパーツを見つけてきたの?」
天山は時々嬉しそうに『お宝』を見せてくれるんだけど、
大抵はアキハから入手してきた型番しか書いてないマニアックなパーツで
素人のボクには皆目わからなかったりするんだけど。
「今日は後バイトもないし、ダイジョブだよ」
にっこり笑って天山に言います。
- GM:
- 「そうかい。それは良かった。実は自慢になってしまうんだが、君には僕の相棒を見てほしいんだよ。
古いつきあいのバイクなんだが、しばらく調子が悪くて乗れなかったんだ。
今日、ようやく動いてくれてね。それで、まあ、誰かに見せたくてしょうがなかったんだ。
君なら僕の相棒の良さがわかってくれそうだったんでね。」
と軽くウインクする。
「授業が終ったら一緒に駐輪場に行きましょう。」
- ルイ:
- 「へぇ、バイクの免許なんて持ってたんだ。カッコい〜い♪」
- GM:
- 「ふっふっふ。まあ、僕のマシンを見たらその軽口が賛辞の言葉に変わること受けあいだよ。」
- ルイ:
- 「零二が整備したマシンならさぞかし凄いんだろうなぁ。よし!これが終わったら、さっそく見に行くヨ!」
- GM:
- そして、授業も終わり二人は一緒に教室を出る。駐輪場が近くなると、
「では、ここでルイ君は待っていてくれたまえ。我が愛しき相棒を連れてくるから。」
と芝居がかった声で恭しく礼をすると、駐輪場の方に歩いていく。
ルイがその場で待っていると、「うわぁぁぁ!!!」という叫び声が上がる。
駐輪場の方からだ。この声は零二だ!!
- ルイ:
- 「どうしタ!?事故ったのか!?」
只事ならぬ零二の声に、全速力で駐輪場に向かいます。
- GM:
- ルイが駐輪場に駆け付けると、腰をぬかして倒れている零二がいた。
零二の顔は恐怖でひきつり、その目線の先には女性---と言えるのだろうか、
長髪の人影が立っていた。しかし、その顔はわからない。
何故なら、彼女の顔は透明なゼラチンのようなそれだったからである。
- ルイ:
- 「なななな、なんだこのノッペラボウは!?」
零二同様、ひきつった面差しで突然現れた怪物を見つめる。
もしやボクを創った組織の差し金?でも、だとしたら零二より先にボクを襲うはず。
いったいコイツは何者??
- GM:
- 彼女は『アレハドコダ』と言いながら零二に近づくと彼の頭を掴む。
そして彼女はルイの方を向いた。どうやらルイに気がついたらしい。
- ルイ:
- 「零二!!くそッ・・誰か知らないケド、零二から離れろ!!」
ボクが機械だとは知られたくないが・・今はそんなコトを気にしてる事態じゃなさそうだ。
何とかライフルを使用して威嚇できないかと、女性らしきモンスターに駆け寄ろうとします。
- GM:
- 「ジャマヲスルナ!」とその女性が腕を上げると、腕からゲル状のものが飛び散る。
その物質が人の形になりルイの行く手を阻む!!この邪魔者はエキストラなのでルイの適当な演出で片付けてください。
ルイが戦闘をしている間に、女性は零二を連れて逃げ去ります。
- ルイ:
- 「何だコレは!?生き物・・なのか?」
とっさにサイレンサーとして結界を張り、人型の固まりにライフルを撃ち込みます。
「待て!零二をどうするつもりなんだ!?」
散弾を受けて四方に飛び散るゲルの隙間から叫ぶ。
- GM:
- ルイがゲルを倒したとき、既に女性は遥か向こうの校門の方に逃げている。
- ツェッペリン:
- ルイが間に合わないとあきらめかけたとき、ルイの後方から激しいエンジン音。
見るといつの間にか赤いバイクにエンジンがかかっており、驚いたことに勝手に走り出すとルイの傍にピタリと止まる。
ヘッドライトをパッシング。まるでルイに「乗れ!!」と言っているかのようだ。
- ルイ:
- 「何だ?もしかして、零二が直したって言ってたバイクか?」
あれでは、機械である自分のスピードでも追いつけない距離だ。
真横でアイドリングしているバイクをちらりと見遣る。
これに乗っていけば、追いかけられるかも・・
思い切って、赤いバイクにまたがる。
「キミがもし零二のバイクなら・・頼む、彼を追いかけてくれ!」
祈る気持ちで、アクセルを踏み込みます。
- GM:
- ルイがアクセルを踏み込むと赤いバイクはそれに答えるかのように疾走する。
女性は既に校門を抜け左に曲がると校門の陰に隠れて姿が見えなくなっている。
ルイとバイクが校門を抜けようとしたとき、女性が逃げて行った方向と反対側である左側から別の女性がちょうど出会いがしらになるように姿を現す。
- ツェッペリン:
- 危ない!!とルイが思ったときバイクは急ブレーキ。あたりにタイヤの焦げるにおいが漂う。
- ルイ:
- ボク、ブレーキ踏んでないよな・・。このバイクが危険を察知して自分で止まったのか??
- GM:
- 女性は驚いてその場に固まっているが、すぐに静かに不満の声を上げた。
「ちょっと!!いきなり飛び出してきて危ないじゃないの!!」
メガネをかけて長髪の女性。タイトなスーツに身をつつんだその女性は遠野未来であった。
- ルイ:
- ボ「スミマセン!ケガはないですか?」
バイクから降りて、目の前の女性に謝る。この人、確かこの大学の研究者だ。
若くて目立つ美人だから、周りの男子生徒が色々と噂していたっけ。
- GM:
- 「ええ、大丈夫です。」
と素直に謝罪したルイに対して少し態度が軟化します。
零二を連れ去った女性はもう完全に見失ってしまった。
- ルイ:
- この人、反対側から来たみたいだけど、あの怪物は見なかったのかな?
もし目撃してたら、ボクに怒るどころじゃないだろうし・・
「あの、零二を見まセンでしたか?機械工学科のTAしてる天山零二。
ボクはここの生徒なんですが、彼を捜していて・・」
と、怪物のことには触れずに訊いてみます。
- GM:
- 「零二さん? ごめんなさい、私は機械工学科じゃないからTAまでは覚えていないわ。」
ルイが急いでいるのに納得したようだ。
「まあ、これから気をつけてくださいね。」
と言って遠野は先程零二を連れ去った女性が逃げた方向へと足を向け始める。
走りこそはしないが、足早に歩いています。
- ルイ:
- 「ア、そっちは・・」
呼び止めかけて、説明しようのないことに気がつく。
「そっちに零二が行ったように見えたんですが、気のせいカモです。
もう少し探してみます。迷惑かけてスミマセンでした」
再びバイクに跨り、遠野を追い抜いて先へ行きます。
万が一、この先で怪物が待ち構えていたら大変だし・・
零二が見つかってくればいいんだけど。
- GM:
- ルイは遠野を追い抜いて零二を探す。遠野はルイの言葉に反応したが、特になにも話しはしなかった。
ルイはあたりを一通り探したが、零二の姿はとうとう見つからなかった。
- ツェッペリン:
- バイクは「パーーー」と嘆くかのようにクラクションを一度鳴らすと、
肩を落して歩くかのようにノロノロとルイを乗せて動きだす。
- ルイ:
- 「キミ、やっぱり零二のバイクなんだろ?
せっかく動けるようになったのに、こんなコトになってしまって・・
零二のことが心配なんだね。分かるよ、ボクもそうだから」
ツェッペリンを慰めるように、ガソリンタンクを優しく撫でます。
「あの怪物は、零二から何かを聞き出そうとしているみたいだった。
零二の研究内容を狙っているのカモ。とにかく手がかりを探さないとね。
協力して零二を助けよう!えーと、キミの名前は・・」
とバイクを見下ろすと、ボディにレッド・ツェッペリンの名が刻んである。
- ツェッペリン:
- うお!よくわかりましたね(笑)。
- ルイ:
- ボクはルイ。よろしく、ツェッペリン!」
- ツェッペリン:
- それに答えるかのように、ブォン!と小気味良いマフラー音をひとつ立ててルイを乗せたツェッペリンは走り去る。
- GM:
- ルイとツェッペリンに「クエスト:天山零二を救う」を与えます。
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