Purple Rain・・・全員
GM
君たちは大学の校庭に向かった。いつのまにか雨が降っている。紫色の雨だ。
まるで深海潮が流している涙のように激しく振っている。
君たちが校庭に着くと、遠野助教が彼女の妹と向かい合っていた。
妹が遠野に近づいていく。大きく体を広げると妹は遠野を包み込んでいく。遠野はそれに抵抗しようとはしなかった。
「ごめんね。馬鹿なお姉さんを許してね・・・・」
そして遠野は紫色の妹に包み込まれてしまう。
妹の体に「黒い核石」が見える。
みなさんはこの核石を攻撃することができます。イニシアチブはないので全員で攻撃してください。
与えたダメージが妹のHPを超えれば遠野を救うことができます。そして妹も・・・。
みなさんのベストを尽くして妹のアビスシードを破壊してください。

クリアン
神妙にいたせ!光線銃でミー(笑) ダメージ10ですね。

キキ
あれが奈落の結晶ね。遠野先生の妹さんを解放しなさい!
へビィクリスタルで殴ります。<殴>の10ダメージです。

ツェッペリン
<ファイアアロー>+<猛攻>です。
ダメージ8

ルイ
「先生、ダメだ!妹さんはそんなコト、本当は望んでないんだヨ!」
遠野と妹の側に駆け寄り、ちらりと零二を振り向きます。
『零二・・キミは、この力がボクの良心を護るためだと言ってくれたね。
その言葉、信じるよ。もう、バケモノと呼ばれることを恐れたりはしない!』
そして上半身を変形させ、魂をも焦がす渾身のブレストファイアー!

<奇襲攻撃>で、命中+2,ダメージ2D6のボーナスを付加します。
ダメージは13です。

GM
おお!!全員の累積ダメージが41ですか。こちらの設定していたHPは40。
ワンターンで破壊できました!
1ターンなら遠野の意識あり、2ターンなら遠野気絶、3ターンなら遠野死亡(滝汗)でした。

君たちの攻撃が遠野の妹の黒い石を破壊する!!彼女は遠野を体から放出すると校庭に出来ている水溜りを撒き散らしてその場に崩れ落ちる。
遠野はゴホゴホと咳き込むと自分の妹を見つめる。
彼女の視線の先には物言わぬ肉の塊がポツンと佇んでいた。

キキ
黒い石の暴走を止める事は出来たけれど、妹さんは助けられなかった・・・。
ホムンクルスの技術は誰も幸せにできなかったのかしら?と、自分の存在をも疑ってしまいます。
「先生・・・。」と後ろから静かに声をかけます。
でも、次の言葉が出てきません。ホムンクルスとして今も存在している私に黙って立ち尽くします。

GM
零二はゆっくりとルイの後ろに近づくと、ポンと肩に手を乗せる。
ルイと目が合うと彼は寂しそうに微笑んだ。
・・・これでよかったんだと言いたげに。

ルイ
「これがベストだったなんて思えナイ。だけど・・最悪の事態は回避できたのカナ。
遠野先生も無事だったシ、妹さんは・・元通りだ」
ゆっくりと遠野の「妹」の側に近寄り、幼子の頭を撫でるように優しく掌をかざします。
「おカエり。ようやく姉さんの所に戻ってきたね」

GM
そのとき、雨脚が急に強くなる。降り注ぐ雨はまるで滝のようであり君たちは顔を上げていられないほどだ。
しばらく慟哭するように紫色の雨が降り注ぐ。そして徐々に雨の勢いは弱くなり、君たちはようやく顔を起こせるようになる。

やさしく降り注ぐ雨の中、遠野の妹がいた場所に女性が横たわっていた。物言わぬ肉塊ではない。確かに女性の体だ。
ウッちゃんを、そして遠野の妹を救おうとしたキキの能力は完全ではなかったのかもしれない。だが、キキの願いは確かに《ガイア》に届いていた。
安らかに寝息を立てて眠っている遠野の妹の面影はどことなく深海潮のそれと似ていた・・・。

キキ
!!!
私は空を見上げて、雨を顔に受けます。頬を伝う涙を誤魔化すように。
やっと言葉が見つかりました。
「・・・先生。“家族”っていいですね!」

今、初めて心から笑える自分がいる事に気付きました。ありがとう、・・・ウッちゃん。

ルイ
しとしとと降り注ぐ雨の中に、居るはずのない少女の姿を見たような気がします。
「ウッちゃん?」
遠野助教の妹がヒトの姿に成れたのは、きっとキキの<ガイア>のおかげ。
でも・・誰か「一人だけ」を救えるキキの能力を、自分に向けられて発せられたその力を、
ウッちゃんは敢えて遠野助教の妹に譲ってあげたんじゃないか?
そう思えてならず、どこにもいない彼女の名を呼びます。「アクア」ではなく、ウッちゃん、と。

クリアン
輪廻転生…。因果応報…。
ウっちゃんどの、遠野どのの妹御として健やかに生きられよ。
さすれば、いつかの時代、どこかの世界できっと本当のウっちゃんどのとして生まれ変われよう。
ややもすれば拙者とどこかで会うこともあるかもしれぬな。いや、すでにどこかで会っていたのかもしれないのう。
希望に満ちた笑顔を見せます。


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