日光東照宮を散策

栃木県日光市

冬の冷気の中、雪化粧と青空に映える極彩色の美しさを期待しつつアクセルを
踏んだ。一昨日降った雪も宇都宮市街ではほとんど残っていなかったが、国道
119号日光街道を進むにつれて杉並木を走る頃には、周りが雪化粧に変わって
きた。
 時間があれば東北自動車道からアクセスする日光宇都宮道路を使わずに、国道
119号を走りたい。日光東照宮への参道である400年の歴史を誇る杉並木をドライブ
していると、それだけで「聖地」へと向かう厳粛な気分になる。家康を祭る「聖地」を
国家プロジェクトとして作り出した三代将軍家光をはじめとする、幕府のブレーンの
残したものは日光杉並木から東照宮へとスケールが大きい。
 今市の街を抜け日光市街へと路面の雪も多くなり、太陽の光を反射して眩しいほど
だった。ゆるい坂道につづく門前町の人たちは雪かきにおわれていて、まるで冬の
東北や北陸を訪ねたような雰囲気だった。

観光バスが乗りつけるような季節には、とても東照宮散策をする気分にはなれないの
で、冬の雪化粧をした東照宮はいい。広い参道を右手に広大な輪王寺の境内を見なが
ら歩く。雪が積もっていても流石は国際観光都市で、白い息を吐きながら歩く観光客が
多く、盛んに中国語も飛び交っていた。
 東照宮を代表する建築物である陽明門を見上げて思わず息をのんだ。何度も見ている
はずの陽明門の極彩色と金色の装飾に惹きつけられた。予想通り、冬の冷気の中で
太陽の光を浴びた芸術はデジカメのシャッターを切るのも忘れるほどに美しかった。

NHK大河「葵三代」のオープニングで、ハイビジョンで撮影された陽明門の美しさには
毎回眼をうばわれていた。全国の神社仏閣や城郭にも残っていない桃山建築の個性的
な芸術は、今さらながら流石は世界文化遺産だ。江戸幕府、徳川将軍家の残照。
 ふと、自分のアルバムにある小学校低学年の頃の、陽明門前の石段で撮った古い
カラー写真と小学6年生の頃に頑張った1000ピースの陽明門ジグソーパズルを思い
出していた。
 小学校の頃に刻み込まれた陽明門の個性的な美しさを求めて、一生、気が向くと日光
へ足を運びそうだ・・・・・・・。

東照宮名物の一つである「見ザル、聞か
ザル、言わザル」のお猿さん。
 日光土産でもお猿グッツは多く、日光猿
軍団もいるので日光のマスコットだ。

東照宮随一の名工と言われる「眠り猫」。
秀吉、家康と当時の天下人に目をかけら
れた左甚五郎の傑作だ。
 眠り猫が家康の墓所へ至る門を守って
いる。

徳川三代将軍家光の時代に、幕府の
「聖地」とするために大規模に日光東照
宮が建造された。神社と仏寺をミックス
した権現造りとして、金56万8千両、銀
100貫目、米1000石を費やしてのプロ
ジェクトだった。


日光の門前町で、冷えた身体を名物の湯葉料理で温める。
お土産に日光たまり漬を必ず買う。生姜、胡瓜、らっきょう・・・
と、ビールのおつまみには最高。

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