京都へ

 京都のイメージは落ち着きと静寂・・・・・。今まで数え切れないほど京都を訪れ
ているが、19歳の冬に歩いた京都はあまりにも感動的だった。
 駅を降りると京の都は一面の銀世界で、比叡山からの北風とともに大雪が舞って
いた。天候の上では最悪だったが、この日の京都は貸切状態だった。この頃はJR
が「冬の京都」キャンペーンを始める以前で、冬の京都へ行く人は少なかったし、大
雪の中を観光する変わり者もいなかった。
 この日は東山地区を歩いたが、三十三間堂など誰もいなくて、薄暗い冷たい廊下
を歩き何全体という観音像を見ながらとても厳粛な気分になった。足の裏側から廊
下の冷気を痛いほどに感じ、永い歴史の中で醸しだされる雰囲気に包まれた。
 普段だと観光客や修学旅行生でごったがいしている、清水寺門前も静寂そのもの
で、大雪の中でも商売する土産物屋の人が珍客にとても親切だった。
 灰色の雲から生き物のように雪が舞い降り、雪煙の中に浮かび上がった八坂の塔
が神秘的で、とても神々しかった。
 写真に残しておきたいほど、冬の京都を感じさせてくれた。
 秀吉の正妻であったオネゆかりの高台寺近くの茶店で、庭に降る雪を眺めながら
お茶を飲み、火鉢で暖を取り静けさに身をゆだねた。冬の京都の醍醐味。

 京都で忘れてはいけないのは、木々の緑の色彩だと思う。新緑の若葉、秋の紅葉
、京都のそれは色彩が他と違うように思える。歴史的な建築物が木々の緑や紅葉と
調和しているせいもあると思うが、やはり京都の気候によるものだろう。
 言うまでもなく京都は盆地で、夏は非常に暑く冬は比叡おろしによる底冷え。一年
を通した急激な温度差が色彩を鮮やかにするのかもしれない。
 次回、京都の町を訪れたときには、どんな表情をした京都に出会えるのだろうか。雨
の降るしっとりとした表情の京都。盆地特有の蒸し暑さに、汗の滴る活動的な京都。
山々や町の木々が鮮やかに紅葉した、一年で一番お洒落な装いの京都。底冷えの中
白く一面の雪化粧をし、静かに物思いにふける京都。
 町も、そこに生活する人たちと同様に息づいている。

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秋の連休は晴天に恵まれた。紅葉の見ごろには早い時期であっても、京都の
町は観光客で溢れていた。高速道路も一般道も京都方面に向かう車線は朝か
ら大渋滞していた。秋の京都散策も楽しい。
 言うまでもなく京都の町は神社仏閣が多く、しかも西本願寺、東寺、清水寺・・・
と規模が大きい。寺の塀一つとっても巨大で京都の寺院は歴史とスケールが桁外
だ。各宗派の本山であるとともに、長い歴史の重みを感じる。
 朝の京都を散策していると空気が凛としている。澄み切った秋の空から朝の光
が射し、長い歴史を見つめてきた鴨川の流れがキラキラ輝きつつ流れていた。1200
年以上の都は、華やかな時代と戦乱を繰り返し、日本の歴史はいつも京都を中心に
変化してきた。鴨川の流れは静かに歴史ロマンを語っている。

歴史・物語の舞台を歩く

東寺

真言密教の根本道場であり、五重塔
は京都のシンボルである。京都駅の
南口から五重塔を目指し散策。
世界文化遺産。

祇園の花見小路

夜は賑わう歴史ある祇園も、朝の
散策をしていると京都らしい風情に
触れることができる。


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祇園の名料亭「一力」

幕末に新撰組や志士たちが集った
歴史舞台でもある。

京都壬生 新撰組散策
寺田屋を訪ねる 京都伏見

八坂神社

「祇園さん」の名で親しまれる厄除け、
商売繁盛の神様。
夏の祇園祭は京都を代表する祭りの
一つだ。

鴨川の流れを見ているだけで、平安朝、
源平の戦い、南北朝、戦国時代、幕末
と京都のスケールの大きき歴史ロマンを
感じる。