イカサマは飛び道具で対抗しようとするが、山猫の動きは思いのほかすばやく、危うくつかまりそうになる。続いて立ち向かったヨイショも、一撃で
吹っ飛ばされてしまった。そこへガンバが、山猫の顔面に飛び蹴りを食らわせるが思ったほどのダメージは与えられず、逆に前足で弾き飛ばされて
ピンチに陥る。
「ガンバ…!」
そこへ、イカサマのサイが飛び山猫の目に命中した。その隙に、ガンバ達はその場を逃げたが、片目を潰されて怒り狂う山猫は後を追ってくる。
「ん…あれは材木運搬用のケーブル!あれに乗って、逃げるんです!」
ガクシャの指示で、彼らはケーブルのある場所へ。まずイカサマがケーブルに掴まって
「さあ、みんなシッポにつかまるんだ!」
しかし、仲間が一斉につかまったのでイカサマは耐え切れずに落下。
「んもう、ダメダメ。一番力がある者が先につかまらないと!」
そこで、ヨイショ・ボーボ・ガンバ・イカサマ・シジン・忠太の順でケーブルにぶら下がり、最後にガクシャが助走をつけて…そうしている間にも、
山猫はグングン近づいて来る!そして、ガクシャの足が離れてケーブルが滑り出した時山猫も彼らに飛びつこうと
ジャンプしてきた!…が、ガクシャの尻尾が短かったのが幸いして山猫は爪を引っ掛けることができず、あえなく森へ落下していった。
ケーブルは、勢いをつけて反対側へと到着したが…場所も方角も分からなくなっていた。
「ちきしょう、これもみんなあのトラのせいだ!」
「ええい、そうとも!今度逢ったらタダじゃおかねぇ!」
トラゴローに対する怒りが爆発していた彼らの耳に、遠くからトラゴローの声が。
「よお!生きていりゃこそ逢えもする。エライもんだよご苦労さん、とね。一足お先に失礼さん。まあ、ゆっくりと来な」
相変わらず人を馬鹿にしたような態度で姿を消すトラゴローに、ガンバ達は怒り心頭。後を追うと、坑道の入口にでた。
「この奥だな…」
と、シジンの耳が異変を捉えた。
「来ます、何かが近づいてきますよ!」
すると真っ暗な坑道の奥から、トロッコが猛スピードで迫ってきた。慌てて線路の両側に退避したガンバ達は、トロッコにトラゴローの姿を発見する。
「あっ…トラ!」
「何っ!」
「ヘヘヘ、トコトコトコトコご苦労さん。あっしはトロッコ楽ちんちんとくらあ」
「ちきしょーっ、にゃろーっ!もう許せねえぞーっ!」
「覚えていやがれーっ!」
ガンバ達は猛スピードで去るトラゴローに、捨て台詞を投げつけるのが精一杯だった。
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