頭部外傷について 頭部外傷と言っても様々なケースがあり,頭蓋骨を骨折する頭蓋骨骨折や、頭蓋内の血管が破れ出血し一つの塊となって脳を圧迫する頭蓋内血腫、他にも急性硬膜下血腫、外傷性クモ膜下血腫、慢性硬膜下血腫など様々なケースがあります。 頭部を打撲することによって、頭の中などで内出血が起きます。頭の中で起こった出血は非常に止まりにくく、出た血が一つの塊となって脳を圧迫するのです。その事によって様々な障害が出てきて生命に危険をおよぼします。 まず意識など全身状態をよく観察しましょう 頭部外傷の症状 頭部外傷の症状として最も重要になってくるのが意識障害と運動障害です。意識障害には様々なパターンがあり難しいのですが、代表的なものをいくつかあげてみたいとおもいます。 ○怪我をした時点からずっと意識がないもの. ○怪我をした時点では意識がなかったが途中で意識が戻り又少し時間がたてば意識がなくなるもの。 ○怪我をした時点からだんだん時間がたつにつれて様子がおかしくなり意識がなくなるもの。 ○怪我をした時点から数時間後に意識がなくなるもの。 観察点 嘔吐(吐く)していないか。 激しい頭の痛みを訴えていないか。 意味不明なことを話していないか。 言葉をハッキリ喋しゃべっているか。 呼びかけにたいして意識がハッキリしているか。(自分の名前などを聞いてみる) 目の焦点が合っているか。 鼻や耳から出血していないか。 手や足に麻痺が起こっていないか。(軽く皮膚をつねってみる。観察者の指を握らせてみる) 意識があるか。(呼びかけたり、肩を軽く叩いてみる) 上にあげた症状があるときは非常に危険です。意識がはっきりしていてもむやみに傷病者を動かさず至急119番通報して下さい。 手当の仕方 交通事故や転んだり、頭に強い衝撃を受けた場合は、上の観察点に注意して確認して下さい。 意識がある場合は本人が望む1番楽な姿勢をとらしてあげて下さい。少しでも異常があった場合は、ただちに119番通報しましょう。 もし問題がなければ少し様子観察してください。 意識がない場合は意識がない(ある)・傷病者の体位をとると同時に119番通報してください。なお、途中で意識が戻っても、非常に危険な状態にかわりはありません。意識がハッキリ戻っても、数日後に意識を失ったりする可能性があります。 頭を打ったときに、一番問題になるのは、脳がどれ程損傷を受けているかということです。意識の程度が脳障害の程度をあらわすサインですので、どんな軽いケガでも、一応12時間〜24時間は安静にして、意識や全身状態などに異常があるかどうか様子をみる必要があります。 頭の皮は血管が多いので、切れたり裂けた場合に非常によく出血をします。しかも顔に近いので、ものすごい血の量に見えますが、普通は命にかかわるほどたくさんの出血をすることはありません。よく落着いてなるべく清潔なガーゼやタオルでしっかりおさえれば、たいていは止まるはずです。 交通事故現場などで傷病者を危険から回避させる場合を除いて、むやみに移動させないで下さい。 どんなに、症状が軽い場合であっても、医療機関に受診することをお勧めします。