2002.5.25    希釈現像液の温度調整(その1)


(1)希釈液作成時の温度調整

原液を温度調整するには、大きめのバットに温度調整用のお湯または冷水を張ってその中に現像液の入ったカップを入れて調整することになる。これはかなり面倒くさい。

希釈現像の場合は、原液温度と、希釈水温度との関係を計算で求めておけば、かなり正確に使用液の温度をコントロールできる。

温度Taの原液1に対し、温度Tbの水Nを加えて使用液を作る場合(1:N希釈)、

   使用液温=(Ta+Tb×N)/1+N   となる。

ただし現像原液の比熱、室温、カップの熱容量などが影響するので若干の補正が必要。
この補正値を上記の式に加えると

   使用液温=(Ta×補正値+Tb×N)/1+N  となる。

従って原液の測定温度Taから、希釈用水の温度Tbを求める式は以下のようになる。

   希釈水温Tb=(((補正値+N)/N)×使用液温)−Ta×補正値/N

      ・補正値は、何回かの実践結果とカンから1.1を使用している。
      ・作りたての原液は室温との温度差が大きいので使用しない。
      ・現像タンク/リールの温度、現像場所の室温を考慮し、冬は高めの温度に調整、
       夏は低めの温度に調整(程度はそのときのカンで)
  
  補正値の求め方はかなりおおざっぱだけど、最終的には現像中の中間時点の液温を再度測定
  して現像時間を調整しています。
   (今のところ現像中間時点で±1度からはずれたことはほとんどありません)

1:3希釈の簡易温度調整表

23.0 23.5 24.0 24.5 25.0  ←使用液の温度
原液温度
5 29.6 30.3 31.0 31.7 32.3
6 29.2 29.9 30.6 31.3 32.0
7 28.9 29.6 30.2 30.9 31.6
8 28.5 29.2 29.9 30.6 31.2
9 28.1 28.8 29.5 30.2 30.9
10 27.8 28.5 29.1 29.8 30.5
11 27.4 28.1 28.8 29.5 30.1
12 27.0 27.7 28.4 29.1 29.8
13 26.7 27.4 28.0 28.7 29.4
14 26.3 27.0 27.7 28.4 29.0
15 25.9 26.6 27.3 28.0 28.7
16 25.6 26.3 26.9 27.6 28.3
17 25.2 25.9 26.6 27.3 27.9
18 24.8 25.5 26.2 26.9 27.6
19 24.5 25.2 25.8 26.5 27.2
20 24.1 24.8 25.5 26.2 26.8
21 23.7 24.4 25.1 25.8 26.5
22 23.4 24.1 24.7 25.4 26.1
23 23.0 23.7 24.4 25.1 25.7
24 22.6 23.3 24.0 24.7 25.4
25 22.3 23.0 23.6 24.3 25.0
26 21.9 22.6 23.3 24.0 24.6
27 21.5 22.2 22.9 23.6 24.3
28 21.2 21.9 22.5 23.2 23.9
29 20.8 21.5 22.2 22.9 23.5
30 20.4 21.1 21.8 22.5 23.2
31 20.1 20.8 21.4 22.1 22.8
32 19.7 20.4 21.1 21.8 22.4
33 19.3 20.0 20.7 21.4 22.1
34 19.0 19.7 20.3 21.0 21.7
35 18.6 19.3 20.0 20.7 21.3
36 18.2 18.9 19.6 20.3 21.0
37 17.9 18.6 19.2 19.9 20.6
38 17.5 18.2 18.9 19.6 20.2

   (実際には原液温度を0.2度単位で計算した表を作って使用しています)


  この方法はかなり アバウトなので今後、さらに精度を上げる調整方法を検討して行きたいと
  思っています。(目標:現像中間時点で±0.5度以内)  

     今後考慮すべきパラメータ:
          ・室温
          ・カップの熱容量
          ・現像タンク、リールの熱容量
          ・
          ・
     んーー・・・面倒になりそう(独り言)

暗室日記へ戻る 

感想、質問など気軽にBBSへカキコ下さい。

TOPへ戻る ギャラリー 撮影日記 暗室日記  BBS  Webマスター リンク