女族隷属

同人小噺_その2の幕間 by 北綾瀬

 ぷるるるるぅぅぅ♪
 停車時間が迫っている事を告げるホームの電子音。
「…ご主人様ぁ」
 艶やかな真紅の髪をシャギーで整えたショート・カットの奮い立つ様な白人美女が、上司の金髪白人美女と共に作りだした電車内の僅かな死角で、幼さを残す中性的な美少年を抱きかかえ、情の篭もった口付けをしている。
 んっんっんっ… ん〜〜…
『まもなくぅ、扉ァ閉まりま〜す。ご注意くださ〜い…』
 真紅の髪の白人美女にとって、身を引き裂かれそうな無情なアナウンスだ。
 これ以上、愛しい人を困らせてはいけない…
 彼女は名残惜しそうに重ねた唇を開放した。
 彼女の形の良い口元には、幼いご主人様との接吻をしていた名残が滑る様に滴り落ちる。
「あ…あの、それじゃぁ」
「あ! 正樹ぃ」
「正樹様」
 既に電車の停車時間は残り僅か。幼さの残る愛しいご主人様は、着崩れた学生服を慌てて整えながら込み合う車内からホームに飛び出ていく。
 その後ろ姿をいとおしげに見つめる二人の白人美女…
 彼女達の視線に気が付いた幼さの残る少年は、素直に照れたような表情で生唾を飲み込む様な仕種を見せた。
「ああ…正樹様…」
「正樹ったら…」
 あんなに真っ赤な顔をなさって…レンの事、気に入って下さいましたか?
 赤毛の美女は別れる寂しさと共に自分を雌として評価してくれる少年の視線に溢れる様な愛くるしさを実感していく。
 それは傍らに佇む金髪美女…彼女の上司も同様らしい。寂しそうに笑みを浮かべていたが表情には安らぎが見え隠れしている。
 プシュ――――
 鉄の扉が少年と彼女達を分け隔てる。
 扉越しに金髪と赤毛の美女が指先をヒラヒラさせて手を振ると、少年も気恥ずかしそうに手を振り返した。
 正樹様が手を振って下さった!
 赤毛の美女は胸がキュンと締め付けられ、薄らと嬉し涙を浮かんでくる。すると、傍らの金髪美女が彼女の脇腹をツンツンと突付いてきた
 既に『阿吽』の信頼関係を構築している上司である。レンは敬愛する上司の意図を理解すると、返事もせずに上司に倣って整った口元をパクパクさせる。
 ご主人様…
『さ・よ・な・ら』
 少年は手をふって微笑んでくれた。
 やった…通じた♪
 思わず嬉しさの余り破顔する彼女達…
『また 明日 ね』
 二人の美女はにっこり笑ってそう付け足した。
 ふふ…驚いてる♪ 今度は私の事も可愛がって欲しいデス…
 レンはご主人様に貫かれる自分の痴態に控えめに想いを馳せながら想いを付け足した。
 金髪美女の上司も構って欲しそうな挑発する仕種で同じ単語を付け足している。
『明日は もっと しようね』
 そして…
『SEX しようね』
 あっけにとられ呆然と彼女達を見つめ返す少年、何か言ってるが口惜しい事にレンにも金髪美女にも内容までは理解できなかった…
「えっ?! ああっ…正樹…」
「正樹様…」
 彼女たちの思慕の念を逆なでする様に段々と加速していく通勤電車。
 愛くるしい少年は、じっと動き出した車窓の彼女達を見送ってくれている。レンは切り裂かれるような喪失感を膨らませていく。あの、時間と空間を共有していた短い時間が、今ではとても貴重に思えてならない。
「正樹…正樹…」
「ご主人…様…」


 かたん、がたん…
『学園前』駅のホームは、今は遥か車窓の彼方になってしまった。
 金髪美女は暫くの間、飼主から引き離された小犬の様に寂しそうに表情を曇らせていたが、少しづつ麗しくも気高いオーラを取り戻していった。
 レンの上司…Hiエグゼクティブとして超巨大多国籍複合企業の極東地区に君臨するうら若き金髪の女王、マイカ・ルーベルトがクールな表情に戻っていく。
「レン、貴方は正樹に渡した?」
「Yes ボス。手抜かりありません。必要事項を記載して正樹様に手渡しました」
 マイカの信頼と信用を一身に預かる赤毛の美女、レン・ハミルトンは乱れかけた真紅の髪…シャギー調にコーディネートしているショート・カットを右手の手串で軽く整えながら、左手に持ったアルミ製の名刺ケースとブランド物のボールペンを掲げてみせる。
「…正樹様…連絡を入れて下さるでしょうか…?」
「その時は社の調査部を動員してでも、正樹の所在を突き止めるまでよ♪」
 金髪の雌豹は切れ長の妖艶な両目に挑発的な笑みを浮かべると、着崩れたベージュ色のスーツや捲り上がっているタイト・スカートの裾をさり気なく整えていく。
 まだ混雑の直中の車内では、彼女の乱れた服装は全く周囲の目に止まらなかった。もっともレンはある致命的な問題点に気が付いた。
「ボス…次の駅が私達の接する側の扉が開くのでしたら、一旦降りましょう」
「? どうして? もう少しで目的の駅でしょう?」
 レンはさり気なくマイカの耳元に唇を近づけると、敢えて日本語でも英語でもなく独語で呟いた。
(ボスも私も下着を汚しすぎています。ハイヒールまで垂れてますから…ホームに降りたら必ず周囲に気付かれます。せめて、ショーツとパンティストッキングは取り替えておきましょう…)
 レンもマイカも語学に優れ、日本語以外にも欧州だったら殆どの国で通訳を必要とせず商談や旅行がこなせるのだ。独語にしたのは英語より秘匿性が高いとレンが判断したからだった。
 マイカは足元に視線を落した後、苦笑しながらレンの諌言に頷く。
「では私が駅の売店で必要な物を調達してきますので、ボスは人目を避けて待っていて下さい」
 ふたたび日本語で会話を再開するレン。別段独語で会話を続けても良かったのだが、幼いご主人様は日本人…その恋慕と思慕の念が自然とレンの口に日本語を紡がせだ。
「そうね。でんせんしたストッキングに私の愛液と正樹の精液が足元まで滴っているんだものね…」
 マイカは先程までの愛くるしい少年との逆レイプ同然の車内情事を思い返し、陶磁器の様に白い右手を子宮がある辺りの下腹部へ、いとおしむ様に添えてみる。
「それじゃレン、任せたわね」
「Yes ボス…」
 敬愛する上司の健やかな笑顔に少しだけ羨望の色を混ぜるレン。
 正樹様の精気を注いで貰えたボスが羨ましい…レンも…レンも正樹様のお情けを…ご主人様の子種汁を…子宮の奥まで流し込んで欲しいデス…
 レンは淡いブルーのビジネス・スーツの奥、同色のタイト・スカートの下でパンストとショーツに覆われた秘裂が物惜しげに痙攣するのを自覚する。
 どうやら通勤電車の次の停車駅は、レンとマイカの立っている方の扉側にホームがある様だ。急速に速度を減速させる通勤電車。
「ボス、運が良いみたいです…」
 しかも、運良くホームと改札フロアを結ぶ上降階段の裏にトイレが有り、小さなコンビニを模した売店も至近に見える。
 これなら…ボスはトイレの中で待ってて貰える。
「では、ボスはトイレの中で待っていて下さい。すぐに必要な物を調達してきます」
 黙って頷くマイカ。
 きゅううぅぅぅん…がたん! …プシュ――――
 レンは速い歩調でコンビニ調の売店に滑り込むと、肌色のパンストとオーソドックスなコットン製ショーツ…それにポケットティッシュ・サイズのウェットティッシュを2setづつ買うと、自分の愛液の垂れ落ちた足元に視線が集まらないうちに、上司の待っているトイレに姿を消した。
「ボス、お待たせしました。さぁ、こちらへ…」
 レンは人の気配が無い事を確認すると、マイカを身障者用の大きなトイレに引き入れる。ここなら大人の女性が二人でいても十分な空間がある。
「では私がボスの脚を清めますから、スカートを捲って下さい」
「大丈夫よ…一人で出来るわ…」
「いいえ、駄目です。勿体無い…」
 マイカは苦笑しながらレンの買い物袋を取り上げようとする。しかし、真紅の髪の忠実で有能なショート・カットの秀麗な腹心は、我慢できずに上司の足元に跪くとはしたなくも艶めかしく、その長く伸びた造形美溢れるマイカの左脚に舌を這わせた。
「ボスはずるいデス…私にも正樹様の子種汁…溢れた分だけで結構です…から…もう少しだけ私にも味わせて下さい…」
 ずちゅ…
「ボス…」
「…仕方ないわね。でもいい? 溢れた分だけよ…?」
 マイカは溜め息交じりに再び苦笑すると蓋の降りた洋式便器にベージュ色のタイト・スカートに包まれた突き出たヒップを腰掛け、まるでS女王様の様にハイヒールを履いた左脚をレンの目の前に差し上げた。
「有難う御座います。ボス…」
 レンは差し出された踵がピン状のハイヒールを丁寧に脱がせると、僅かに脚の臭いのするパンストに包まれた指先を自分の舌先で舐め始めた。
「ボスの愛液と正樹様の精液が混ざって…ああ、美味しい…」
 敬愛する上司マイカと熱愛する二人目の主…正樹の体液がマイカの靴の中まで滴っていたのだ。レンは手早くも丁寧にパンスト風味の溢れ出た体液を、指先から踵…踝…脹脛…内股へと舐め上げ、右足も同じルートで奇麗にしていく。
「うふふ…正樹と私のブレンド具合はドウ?」
「ふぁ…とても美味しいです…」
 マイカにかしずきながら舐め上げたレンは、タイト・スカートの内壁に付いてる精液や愛液を舐め終わると、マイカの上等なシルクの下着の周りまで奇麗にしていく。
「あんっ♪ 有難う、レン。でもココまで…」
「そんな、ボス…」
 せめて下着越しで良いから秘裂の上も…
「だ〜め。このままだとレンは、正樹の精液が溢れる私のヴァギナにまで吸い付きそうだもの♪」
「…」
 マイカはレンを笑顔で優しく突き放すと、スリットが深く入ったタイト・スカートの中に両手を入れでんせんだらけのパンストごと上等なシルクのショーツを引き降ろす。レンから丸見えの金髪で覆われたマイカの秘裂は、レンの想像通り卑猥な割れ目からマイカの本気汁と正樹の精液が滴っていた。
「ボス…」
「これは私のよ♪」
 マイカは白磁気の様な細く長い右手の一指し指と中指を駆使して、レンに見せ付ける様に溢れ出る濃厚なブレンド・ジュースをすくいとっては自らの舌先で舐めとっていく。
「ふふっ…美味しいわ…♪」
「そんな…」
 金髪の麗しくも気高いレンの敬愛する上司は、器用にレンの唾液でベト付く廃棄処分のパンストとショーツを白い塩ビ製の買い物袋に入れると、入れ違いにウェットティッシュと未開封の肌色ストッキング…それにコットン製ショーツを取り出し、手早くウェットティッシュで両脚の指先から金髪に覆われた秘裂の周りまで清めていく。
「さぁ、貴方も支度を済ませなさい」
「Yes ボス…」
「拗ねてないで、早く着替えなさい。朝一の連絡会議に大遅刻よ♪」
 マイカは心にも無い下手な冗談を言うと、肌色ストッキングとコットン製ショーツの包装を破り、順々にすらりと伸びた長い脚に通していく。
「大丈夫です。ボス抜きで会議を始める度胸は彼らには有りません」
「そうね。多分…」
 余ったウェットティッシュでハイヒールの中を清めると、艶めかしい足先をハイヒールに収め爪先でトントン馴染ませる。その一連の動作が凛々しくも色っぽい。
 レンも自ら調達してきたアイテムを駆使して、火照った肢体を静めながら下半身を中心に身を清めると、汚れた自分のパンストとショーツを新しい物に換えていく。そしてマイカ同様ハイヒールの中を清めた後、白い塩ビ製の買い物袋に破った包装ごと脱いだ下着を収めた。
「ボス、お待たせしました…」
「OK! じゃあ、行きましょう」
 マイカは身障者用トイレの中に併設されている化粧鏡の前で身だしなみを整えている。レンもマイカ越しに化粧鏡で身だしなみを確認した。
 身障者用トイレを出る時、幸運にも列車が入線する直前で二人は誰に見とがまれる事もなく通勤電車に乗る事が出来た。
「ふぅ…良かったわね。さぁ、オフィスに着いたらやる事が多いわよ」
「Yes ボス」
「それと…」
「承知しております。正樹様の事ですね?」
 レンはマイカの言わんとしてる事を理解している。フルネームで聞いた幼さの残る少年の名前は決して忘れない。あの年格好なら、どう見ても高校生以下なのは確実。それだけの情報だけでもオフィスのデータベースで検索すれば、かなりの高確率でダイヤモンドを見つけられるだろう。レンの情報処理能力なら容易い筈だ。
「高梨 正樹様の個人情報は出来る限り…特に住所は必ず把握してみせます」
 金髪の麗しくも気高い女王は流れる車窓の風景に目をやりながら、女王の風格で微笑むと真紅の髪の秀麗な腹心に一言添えた。
「もし貴方の手に余るようなら、私の名前で調査部の腕利きを動員しなさい」
「Yes My Boss」
 レンは小さく、だが丁寧に返礼するとマイカに隠す様に手にしていた白い塩ビ製の買い物袋に目を移した。彼女は先程着替えた汚れ物を処分せずに、持ち帰ろうか思案している。
 正樹様とマイカ様の残り香が付いたまま…このままマイカ様に黙って貰ってしまおうか…今晩…いやオフィスの休み時間でもいい…正樹様の温もりが残ってるコレでオナニーしたら……♪
 マイカはレンに気付かれない様に微笑むと、未だ正樹の精液を湛えてる自分の下腹部を優しく摩り、レンの悪巧みに目を瞑る事に決めた。
 ふふ…ちょっと惜しいけど、貴方に譲るわ…
 二人の乗った通勤電車は、彼女らが勤める高層オフィスビルを視界に収める処まで目的地に近づいていた。


北綾瀬様よりマイカとレンのお話を頂きました
ありがとうございました。