女族隷属

3−1 爆乳教師

「ここもスゴイ」
電車のホームに続いて正樹はまた唖然とした声をだしていた。
その凄さは通勤ラッシュの比ではない。
ここは正樹の通う学校のはずだった。
… …そうだよな、学校だよな…
目の前にあるのは校門のはずだ。
だが、それは校門というより、巨大なオブジェのアーチのような物だった。
そのアーチの上にある学園の看板がなければ、なにかお祭りでもあるのかと勘違いしてしまいそうな規模だった。
四車線はある広い道路がアーチの下を走り、そこをバスや原付が行き来している。
道路の横の歩道はさらに広く、10人は並んで歩けるだろうそこを、押し合いへし合いしながら無数の学生がなだれ込んでいく。
よく見れば、バスも同じような学生でいっぱいだ。
全部この学校の生徒だろうか。
冴子さんに聞いた話では、ここは小学から大学までの集まった巨大なマンモス校で、その独特の教育方針から定評があるってはなしだったけど、それにしても凄い数だ。
正樹はぼーとしながら、怒涛のように押し寄せる人の波に飲み込まれアーチの下に流されていく。
その時
「ちょっと君、そうよ、あなた!そう、あなたよ!転入生でしょ、こっちきて」
「へ?」
ぽけっとする正樹は、いきなり見たこともない女生徒に呼び止められると、強引に腕をひかれ人波の中を引きずられていた。
「え?え?え?」
何がなんだかわからないうちに、アーチの側にある白いテントの中に連れてこられてしまっていた。
「あの…君は?」
「学生証だしてね…ありがと、あたしは長谷川奈津、中学課程の普通科2年担当の風紀委員よ」
そう言ってにっこり笑うのは、黒い髪を左右でおさげにした幼い感じのする女の子だった。
彼女は正樹の渡した学生証をポケットからとりだした小さなモニターつきの端末に慣れた手つきで差し込む。
「えーーと…それで風紀委員が僕にいったい?」
長谷川は手元のモニターを見ながら、なにやら作業をしている。
なんか、端から見たら携帯ゲームで遊んでいるみたいだ。
「あら、あなた何も知らないの?この学園は小学から大学まで、普通の学校とは規模がちがうでしょ、中学だけでも普通の4倍はあるからね、学校は全部に手が回らないのよ、だからこうして学生の手で色々運営してるわけ」
彼女はどうやら、風紀委員がなぜ生徒だけかについて説明してくれていた。
だが、正樹はその前の言葉に驚いていた。
中学だけでも普通の4倍!それに高校も大学も…これは学校というより、一つの町だな。
道理で送られたパンフレットが電話帳ぐらいの厚みがあったわけだ。
さわりだけでもちゃんと読んでおけばよかった。
いまさら嘆く正樹をよそに長谷川風紀委員は手元のモニターに流れるデータを熱心に見ている。
「うんとぉ…高梨正樹君ね、あらあなた私と同じ2年14組よ、クラスメイトね、よろしく」
「え?えーと」
「あは、うちの学校はハイテクでしょぉ、この学生証に個人データがはいってるの、なくさないようにね」
はいっと正樹の学生証が返される。
「はぁ」と正樹はあまりの学園の規模と設備について行けず、気の抜けた返事をかえす。
その様子を見たすこし早とちりな感じもある長谷川風紀委員は「うんうん」と頷くとわかっているとばかりに話し出す。
「そうよねぇ、初めてにはちょっとこの学園は大変かもね……はぁ、それにしても…やっぱり先生迎えにくるの忘れてるんだ…」
「え?」
「えーとこっちの話よ、さてそれじゃあたしが職員室までお連れしますね、新入りさん」
「こちらこそ、よろしく」
ここは好意に甘えるのがいいだろう。
正樹はあたりを行き交う学生の多さにため息をつきながら、軽やかに人波を掻き分けだした可愛らしく笑う少女について歩き出していた。


正樹はキョロキョロと辺りを見渡しながら風紀委員の少女の後を歩いていた。
正樹の通うことになるこの学園は大きいとは予想していが……その想像以上だった。
何もかもが規模がちがった。
そして、常識はずれの巨大学園はまるでおおきな遊園地のように何処でも活気にみちていた。
まず驚いたことは、生徒の多さとその多彩な服装だった。
「え〜と長谷川さん、いろんな制服を着てる人がいるみていだけど…これは?」
「え?制服?それなら学科が違うと全然ちがわ」
風紀委員の少女は、正樹の前を歩きながら手早く答える。
「あたし達普通科はセーラー服だし、商業科はブレザーでしょ、それに…」
彼女は指折り数えながら、一つづつ列挙していく。
その数が、指の数を二周りした所でようやくおわった。
「…芸能科は自由で制服なしっと」
「たくさんあるんだね」
「あら、それに学年ごとに色の違いもあるわ、クラスごとには襟章が違うからすぐ見分けがつくしね」
「あ…それで」
正樹は思わず何も付けられていない、自分の学生服の襟をさわる。
「そうよ、だから転入生ってすぐにわかったの」
長谷川さんはクスクス笑いながら、正樹をみる。
「はは、なんだか凄い所に来ちゃったみたいだ」
「あは、中学はこれでも楽なほうよ、高校過程なんてクラブの活動ごとにユニフォームがあったりして大変なんだから」
道案内をかってくれた少女は、くるっとまわるとやや短めのスカートの裾で円をかき、正樹のほうを見つめる。
「まぁ、うちの学校は自由が売りだから、すぐになれるわ」
軽やかに笑いながら、長谷川さんはまた廊下の先を並んで歩き出す。
その姿に、正樹は少しドキドキしていた。
まだ幼い感じもするが、まるで弟の面倒を見るように、はりきっている。
「そうだね、まずは道を覚えるよ、迷子はゴメンだからね」
正樹はそんな少女に好感をもって笑い返していた。
「あはは、あっ、そうそう正樹君は寮に入るの?」
「ううん、僕は叔母さんの家から通おうかなって…長谷川さんは?」
「あっ、奈津でいいわよ。私は寮に…学園の一番南にある第8桜寮に住んでるの、学園の敷地にあるのに、ここまで学内バスで30分もかかるのよ」
「そんなに…」
「人が多い分、敷地も広いから、商店街だって幾つかあるわよ」
なんか学生とその職員だけで一つのコミュニティーを作ってるみたいだ。
「なんだか、僕の田舎とぜんぜん規模がちがうよ」
「どこを探したってこんな大きな学校ないわよ…あら、正樹君この腕輪、正樹君の田舎の民芸品かなにか?」
「あ、これ母さんの手作りなんだ」
正樹は奈津が興味を示したのがすぐに母親手作りの皮の腕輪だとわかった。
確かに様々な色を織り込み複雑な模様を描いたそれは市販の腕輪とは異なる細工がほどこされている。
「へ〜すごいのね、それに模様がとっても綺麗、何かの文字なのかしら……あら?はずれかけてるわよ、ほら、ここの所」
「え?」
びっくりして腕をあげたのが、まずかった。
ちゃりっと音をたてて緩んでいた留め具が外れると、あっさりと少年の細い腕から抜け落ちて廊下に落ちていた。
「あ!」
「あら」
これはまずい!
正樹の顔からさっと血の気が引いていく、もし予想があっていたら………


正樹は今までの、例から考えて自分なりの推理をしていた。
昔、近所の年上の女の子達から、よくいじめられたこと。
そして、母がくれたこのお守りの腕輪をして以来、ぱったりやんだこと。
昨日の夜、風呂場でお守りの腕が外れてから、淫乱になった冴子さんのこと。
電車の中でも、腕輪が外れてから、金髪美女達とHなことになってしまってたこと。

正樹の胸の奥に漠然とだが
「腕輪」をはずすと、女の人が正樹のことを………
そんな仮定が湧いていたのだった。

そして今、ちょうど誰もいない廊下で、中学生のクラスメイトと向き合っている。
そして、床には外れ落ちた腕輪。
「あっあのこれは…」
「はい、落ちたわよ」
「え?」
奈津は床に落ちた腕輪をひょいっと拾い上げると、正樹に差し出す。
「あ…あの?」
「ん?どうしたの?」
呆然とする正樹に奈津は何がなんだかがわからないって顔で小首を傾げている。
その姿は、別段いままでと変わりがない。
元気はつらつとした中学女子の笑顔そのままだ。
「その…ありがと」
「いえ、どういたしまして」
くすっと奈津は笑うと、ポケットから髪留めのゴム輪をとりだした。
「大切な物なんでしょ、これで仮止めしとくといいわよ」
「ありがとう、助かるよ」
正樹は、自分の手首に腕輪の上からゴムをひっかけた。
腕を締め付けてきついが、これで外れないだろう。
「あの…奈津さん…」
「なに?」
元気良く微笑む奈津。
僕のこと見てドキドキします?
何て、聞くわけにいかない。
だが、どう見ても今まで正樹に堕ちてきた美女達とは反応が違う。
どうやら、腕輪をはずすと女の子がHになってしまうと言う、正樹の推理は間違っていたようだった。
正樹はほっとしながら、それでも多少どこか残念な気持ちで、ごほんと咳払いをする。
「いえ…なんでもないです」
「?…そう、まあ分からないことがあったら、なんでも私に聞いてね、困ったことはこの風紀委員の奈津様にど〜んとおまかせよ」
ぽんと無い胸をたたくと、二つにわけたおさげが揺れる。
「あはは、うん、お願いするね」
「へへへ、こちらこそよろしく」
お互い思わず頭をさげると、どちらかとも無くクスクス笑う。
「それじゃあ、職員室にいきましょう」
「うん」
正樹は奈津とすっかり打ち解け、お互いの家の事や学校のルールなど、情報を交換しながら楽しく廊下を歩き出していた。


「はい、ここが中学の普通科担当の先生がいる職員室よ」
奈津はまるでバスガイドのように陽気に片手をあげてドアを指し示す。
「他にも、学科ごとに職員室はあるわ、ここには大体50人ぐらいの先生がいるのよ…失礼しま〜す」
ガララララ
元気良く声をあげて、職員室の中に入っていく。
「失礼します」
正樹もそれにつづくと部屋の中を見渡した。

そこは正樹が昔いた学校の職員室とは別段大きな違いがなかった。
広い部屋には、デスクが並べられ、そこかしこを先生達が行き交っている。
だが、ここでは先生がいるのはこの職員室だけではないのだ。
ここにいるのは学園の中でも中学校のさらに普通科を担当している先生だけなのだ。
「あたしたちの担任がいるのは、こっちよ」
奈津はすいすいと机の間をあるくと、職員室の奥にどんどん歩いていく。
「心配しなくてもいいよ、先生とってもいい人なんだから、凄く人気があって、ファンの女の子も多いのよ、むちゃおもしろくて、かっこいいんだから…まぁ多少いいかげんだけどね」
奈津はまるで恋に恋する女子学生ってのを体現するように瞳をキラキラさせている。
正樹はなぜかそんな奈津を見ておもしろくなかった。
「そうなんだ」
「うん、正樹君もすぐ親しくなれるわよ」
クスクス笑いながら少女は一つのデスクの後ろに立つ。
そこには正樹たちに背中をむけて、机にむかう人物が座っていた。
「せ〜んせい、おはよ!だ〜れだ〜」
突然、奈津がその後ろ姿に抱きつくと、目隠しをする。
「きゃ、う〜んとそうね、この小さい胸は奈っちゃんでしょ」
「もう、なによ、せっかく先生の仕事を手伝ってあげてるのに」
ぷぅっと膨れる奈津の手をやんわり払いのけて、椅子がくるっこちらを向いた。
「あら…君はもしかして、転校生かな?」
そこには、黒い長髪の美女が座っていた。
黒い瞳に、きれいな眉、うすく塗られた唇、小さな整った顔には人に警戒心を持たせない軽やかな笑みが浮かんでいる。
服装も先生というよりは、ラフなものだった。
一応スーツを身につけてはいるが、その上から白い薄手のジャンバーを羽織っている。
なにより、正樹の目をひいたのが、そのジャンバーの開けた胸元だった。
大きい!
その一言につきた。
どんと張り出したそれは、シャツを突き出しジャンバーの胸元を大きく迫り出し割いている。
ジャンバーのファスナーを閉めないのではない、閉まらないのだろう巨乳が邪魔をして。
さらにきゅっとしまった細い腰、椅子の上に落とされた形のいいヒップ、それにスカートから伸びるストッキングに包まれた足。
どれもが魅力的だった。
正樹は奈津の目も忘れてその美女をみつめていた。
「ちょっと正樹君」
「あ……いえ、はじめまして」
奈津にわき腹をつつかれ何とか声をだす。
「はい、はじめまして」
にっこり笑う美貌の先生。
でもおっぱいすごいなぁ
正樹は、つい視線がそこにもどってしまう。
いままでに最も大きかったレンの美乳をこえているのは確実だ。
その美しさと爆乳に呆然とする正樹の前で教師と生徒がじゃれあっている。
「何が君は転校生かな?よ、あたしが校門から連れてきてあげたのよ」
「えへへへ、ごめ〜ん、あたし昨日のテストの採点忘れててさ、いまやってたのよ」
てへっと頭をかく姿は、どう見ても先生の威厳はない。
どちらかと言えば仲のいい友達どうしだ。
奈津が言っていたことは嘘ではないのだろう。
目の前の巨乳先生は生徒達に十二分に慕われ、そしてその信頼に応えるだけの実力も持っているのだろう。
「さてと、ほんとにごめんね、君が正樹君だよね」
「…あ、はい」
おもわずぼーとしていた、正樹に先生はくったく無く笑いかける。
「よろしくね、わたしがあなたの担任の沢木薫子よ、はい握手」
「あっ、高梨 正樹です」
「そんな緊張しなくてもいいわよ、これからの中学生活一緒に楽しんでいきましょう」
柔らかい手が正樹を包み、しっかり握り締める。
「薫子先生の場合、自分が一番楽しんでるんじゃないですか?」
「なっなによぉ、あたしが楽しんでないと生徒が楽しくないでしょ」
「うふふふふ、この前の課外授業のとき木陰でいねむり…」
「しゃらっーぷ、悪いことを言うのはこの口かな、ん?えい」
薫子先生は冗談めかして奈津の頬をむにゅっと掴む。
「きゃあ」
「あはは……さてと冗談はこれくらいにして、奈っちゃんありがとね、でもそろそろ持ち場に戻りなさい、みんなが心配するわよ」
「はーい、それじゃ薫子先生それに正樹くん、またね〜」
「ほい、がんばってね」
「あ…はい」
くるっとスカートを翻して帰っていく奈津に薫子先生は冗談めかして敬礼する。
「さて、正樹君だったわね、校門まで迎えにいくはずだったんだけど…ほんとごめん」
「いえ、いいですよ、おかげで知り合いもできましたし」
正樹はすまなさそうに、両手をあわせる美女先生に笑いかける。
「あは、いい子ね、もう奈ちゃんとは親しくなった?正樹君けっこういい男だからもてるわよ〜」
「せっ先生」
「あは、冗談、冗談よ…さてと」
パタパタと手を振りながら笑う。
「…えーと自己紹介の途中だったわね、私は沢木薫子、あなたの入る予定の2年14組の学級担任よ、年はひ・み・つね」
くすっと人差し指を唇に沿える。
「あっ!…まだ30にはなってないからね!そこんとこよろしく」
どうやら先生の中では30を超えているかどうかは、譲れない線だったのだろう。
にやっと人好きのする笑顔で、言葉を付け足す。
「教科は主に社会を担当してるわ、わたしの授業は選択科目だから正樹君が選んでくれたら授業でもあえるわね」
そう言いながらすらりと伸びた足を組替える。
その時、ブラウスを押し出す巨乳がぶるんと震えて正樹の目を奪っていた。
「それで…あら?ちょっとまってね」
そんな正樹に気がつかず薫子先生は腰を浮かして机の上に山と積まれた書類を探し出す。
正樹のほうにはタイトスカートに包まれた薫子先生の形のいいヒップが突き出される。
ほんと、すごいや。
正樹は自分の担任がこの女教師なことに心から感謝していた。
「うーーんと、何処しまったかなぁ…あれぇ、あっ、あったあった」
やがて薫子先生はごちゃこちゃになった机の上から苦労して一枚の書類をひっぱりだした。
「それで…正樹君は、えーと叔母さんの家から通ってるのね…なるほど、今度一度家庭訪問にうかがわないとね」
「え…あ、冴子さん、いえ川奈叔母さんの都合もあるので」
「ええ、まあそれは少し先の話になるわね」
薫子先生は手元の書類をざっと読むとすぐにパタンと閉じた。
「まあ、正樹君のことは、こんな書類読むんじゃなくて、目の前の本人とお話するのが一番てっとり早いけどね」
ぽいっと書類を机に放り投げると、薫子先生は椅子を滑らして、正樹の正面にくる。
「ふふふ、今日からよろしく」
「はい、よろしくお願いします」
すると薫子先生は立ち上がり、正樹の首に手を回す。
「うわっ、先生!」
「いいからじっとしてなさい」
耳元で、美人教師の吐息が流れる。
ごそごそと、首筋を動く気配を感じながら、正樹の意識は一点に集中していた。
美人の薫子先生の胸だった。
男だったら、まよわず手を伸ばしてしまいたくなりそうな、巨乳が二人の間でゆさゆさ重そうに揺れている。
さらに十分離れているはずなのに、その先端が正樹の胸板に微かに触れて、上から眺めた胸の谷間は肉のつまった最高の峡谷を刻んでいた。
昨日晩からいつも半立ちの正樹の股間に凄い勢いで血液が集まり、ぐんぐん大きくなっていく。
「あ…あの…僕…」
「は〜い、できたわよ」
その途端に、さっと柔らかい体が離れる。
「これで、あなたも2年14組の一員よ」
「え?」
ニコニコする薫子先生に促され正樹は学生服の襟の部分を触る。
そこには2―14と刻印されたピンバッチが付けられていた。
「さて、クラスの決まりごとや校則なんかは、おいおいクラスメイトに教えてもらえばいいわ、そのほうがはやく友達もできるしね、うちのクラスの子ならだれでも丁寧に教えてくれるわよ」
確かに奈津の様子をみれば薫子先生のクラスの和やかな雰囲気が感じられた。
どうやら、この新しい学校でうまくやっていけそうな予感を正樹は感じていた。
ただ一つ不安があるとすれば…
「それでね、あたしからは選択授業の取りかたの説明をしようと思うの…」
その不安が、目の前でまた足を組替え、ぶるんと大きく揺れている。
「この学校のパンフ読んだ?まあ読めないわよね、あの分量、あたしもこっちにきた時はびっくりしたもん、あははは」
陽気に笑うたびに、ぷるぷる震えている。
そう、正樹の不安は薫子先生の魅惑の体だった。
昨日の晩から冴子さんにたっぷり奉仕され、マイカとレンの二人に吸い尽くされたはずの正樹の性欲はとどまる所か、さらに激しさを増し薫子の体に敏感に反応していた。
黒髪をさらっと流し、陽気に笑うその屈託のない美貌、タイトスカートから伸びる美脚、滑らかで抱き締めたくなる腰つき、そしてなにより、殺人級に張り出した超巨乳のおっぱい。
それが会話の度に肉感的にぷるぷる震え、服の上からでもその大きさと張りのある美乳の形が容易に想像できた。
うっ……その途端に、勃起していた正樹の股間がさらにグンとふくらむ。
「ここは他の学校と違ってね単位制なの、自分の興味のある分野を選択して授業をうけるのよ、同じ科目でも興味のあることを重点的に教えてくれる授業を取ったほうがいいでしょ…あら?どうしたの?」
「…あ、いえ…なんでも」
「?…気分が悪い…わけでもなさそうだけど?…熱あるのかしら」
薫子先生は自分のたぐいまれな魅力に気づいていないのか、まるで正樹を誘惑するように、その上半身を覆いかぶせると、額に白い手を置く。
「う〜ん、熱は無いみたいだけど…保健室いく?」
すぐ目の前で、美人教師が黒い瞳で覗き込んでいる。
しかも、ゆさゆさとゆれる巨乳が、まるで重しをつけられた三角錐の様に下に引き伸ばされ、正樹の学生服に軽く押し付けられている。
「…あの…ぼく…」
「ん?」
正樹は自分の誘惑に負けそうになっていた。
このまま、手を伸ばして目の前の甘い肉の塊を貪りたい。
その軽やかに笑う唇を奪い、抱き合って胸を自分の物にしたい。
正樹の心のおくから情欲が飽くことなく湧き出してくる。
これを抑えるには……。
そうだ、あともう一度だけ試そう。
正樹は自分の手首につけられた腕輪に手を伸ばす。
さっきの奈津の時はまったく効果がなかったはずだ。
もし今回も効果がなければそれはそれで、すっぱり諦めるいい機会になる。
しかし、その心の奥には…
でも、もし冴子さんやマイカやレンのように、こんな美人の巨乳先生ともいい関係になれたら…
という、欲望もあるのは否定はできなかった。
いや、どちらかと言えばそっちの方が大きいかも。
まあ、なるようになれだ。
「どうしたの?正樹君」
心配そうに正樹を見つめる美人教師。
「…ゴク」
正樹は緊張のため生唾を飲みこむと、ついに自分の意志で腕輪についたゴムをはずしていた。
ぱさっ
軽い音を立てて腕からはずれるお守りの腕輪。
「…………っ!!」
その途端、ビクッと薫子先生の体が動きをとめる。
まさか!
その瞳は、前にながれた黒髪に隠れて見えないが、頬が微かにピンク色に染まっているようにも見えた。
「あの…先生?」
「……あ、あたし」
額に当てられた白い手がじんわり汗ばみ、小刻みに震えている。
これは、もしかして。
「先生?どうしました?」
正樹はもう一度、しかし力をこめて聞いてみる。
「…あ!…何でも…何でもないわ!」
ぱっと薫子先生の手が離れると、正樹との距離をおいて、椅子に腰掛ける。
その視線は微かに下をむき正樹と合わせようとはしない。
「あの…先生」
椅子に座り下を向いたままの薫子先生はまるで生気のぬけた人形のようにぐったりしている。
「先生?」
「………」
正樹は返事のないその様子におろおろしだしていた。
腕輪をはずしてこんなことになるなんて…
激しい動揺とともに沸き立っていた肉欲も、さーーっと引いていく。
冷静になっていく理性が良く考えれば自分のしていた行動に後悔をしだす。
巨乳の美人先生の色香に負けて、ついつい邪な気持ちで腕輪をはずしてしまった。
でも、もしそれで先生の身になにかおこったら?
これだけ、素敵な先生なのだ、彼氏の一人や二人いるかもしれない…
それを、自分は…
正樹は急いで腕輪をはめる。
「先生…」
正樹は泣きそうな声を喉からしぼりだす。
その拳は心配のあまりぎゅっと制服のズボンを握り締める。
だが、正樹の寂しそうな声を聞いた途端、薫子先生はぱっと顔をあげていた。
「……正樹君…熱は大丈夫?」
「え?…あ…もちろん大丈夫です」
その顔は今までの薫子先生とおなじ物だった。
「えへへへ、ごめんねちょっと眩暈おこしちゃって、あたしがしっかりしないとね」
ぽりぽりと頭をかきながらあっけらかんと笑いかけてくる。
よかった、どうやら腕輪をはずすとのと、美女が正樹にメロメロになるのは、なんの関係もないのだ。
正樹はほっと胸をなでおろしながら、笑顔で答える。
「そうですか、よかった心配したんですよ」
「あ…ありがとう」
その心からの笑顔になぜか薫子先生は、無愛想に答えるとすぐに横をむいて机の上から本やチョーク箱をとりあげる。
「あの…先生?」
「え〜と、それじゃあ教室いきましょうか、そろそろ朝のHR始まるしね、ついてきて」
正樹のほうをちらっと、見るとまたすぐに目をそらして、不必要に声を張り上げる。
がたん
椅子を蹴るように立ちあがるとスタスタ歩き出す。
まるで、何かに急かさせるような勢いだった。
「あっ待ってください」
正樹も何がなんだかわからず、そんな担任教師の後を急いで追いだす。
二人が立ち去った後、女教師が先ほどまで座っていた椅子が微かに湿っていたことに、誰も気が付いてはいなかった。


「あの先生、どこに向かってるんですか?」
正樹は不安になって声を出していた。
職員室をでてもう十分以上たっていた。
大きな学校だから教室も無数にあって遠いのだろうと、正樹は目の前をコツコツヒールをならして歩く美女の後を小走りで追いつづけていたのだが…
しかし、これはおかしい。
いくつかの建物を抜け、渡り廊下を渡り、まるでぐるぐる回るように迷走していた。
そして今、二人はどこかの校舎の裏らしき所にいた。
もう使われていないだろう、錆びた焼却炉に、こわれた机や長いすが無造作に散乱している。
「…あの…先生」
薫子先生の足がぴたりと止まる。
今まで一度も後ろを振り向かなかった彼女は、山と積まれた壊れた机や椅子のそばにゆっくり歩いていく。
「…先生?」
そのうちの一つ、大き目の長椅子に女教師はゆっくりと腰をおろす。
「すわって正樹君」
ぼそっと声がして、白いジャンバーに包まれた腕がこっちにこいとジェスチャーする。
「はあ?」
よくわからないまま、正樹は誘われるように薫子先生の横に腰掛けた。
「ここ、綺麗でしょ」
「はい」
そこからの眺めは確かに素晴らしかった。
校舎は高台の上に建っているらしく、長椅子から見える正面の草木にちょうど切れ目がはいり、眼下に広がる学園の風景が一望できる。
幾つも連なる校舎に数箇所のグラウンド、それに併設する体育館やプールなどの施設。
ここから見えるだけでも相当な広さだが,実際はこれ以上なのだろう。
「あたしね,悩み事があるとよくここに来るの」
「はぁ」
正樹は生返事をする。
さっきまであんな元気だった先生が突然借りてきた猫のように大人しくなっていた。
いまさら「教室は?」などと聞ける雰囲気ではない。
「それでね、今ここにいるってことは、わかる?」
長いすから突き出した足で地面を擦りながら薫子先生は正樹を見ないで声をだす。
「えーーと、何か悩んでるから?」
「正解」
ぼそっと呟くと、長椅子から立ちあがる。
「正樹君、あたしね、先生になろうって思ったのは中学生のころかな」
数歩あるきながら,唐突に薫子先生は背中を正樹にむけたまま語りだす。
スタイル抜群の体に大き胸を隠す白いジャンバーが日の光を受けてまぶしくひかる。
「あたし、……・胸大きいでしょ…そのせいで、中学の時、よく男子に馬鹿にされたんだ。その時、助けてくれたのが担任の男の先生でね」
「それで先生になろうと?」
薫子先生は少し肩を落として、言いにくそうに話し出した。
「その逆、そいつ最悪な奴でね。守ってやる代わりにってあたしの胸に触るようになったの…最後にはあたしのこと好きだとかいって無理やり…」
「え?」
「されそうになったんだけどさ、その時親友の機転でうまく切り抜けられたのよ」
正樹はほってして胸をなでおろす。
「あの時はホント痛快だったわ。毎日悪戯してくる変態教師が泣き叫んで許しを請うんですもの…まぁ、それはいいとしてね、そこであたしは思ったのよ、こんな変態が他にも沢山いてまたそいつらが先生になっちゃたら大変でしょ」
「ええ」
薫子先生は空を向いて、後ろ手に組むと恥ずかしそうに体を揺らす。
「それでね、だったらあたしが先生になろうと思ったの。あたしが教師になってしっかりしてれば確実に変態教師が一人減るわけじゃない」
いかにも薫子先生らしい前向きで積極的な考え方だった。
正樹はなんだか嬉しくなってきていた。
だが、なぜこんな話を自分にするのだろう。
正樹は今日転向してきたばかりの転入生で、しかも薫子先生とはほんの十数分前にあった初対面だ。
もしかしたら、薫子先生はいつも新入りにはこの話をしているのかもしれない。
先生なりの教育の仕方かも…
そう考えればこの展開も納得がいく。
「いい考えですね」
正樹は一応無難な受け答えをしていた。
「でもね、今日その信念が揺らいできたのよ」
「は?」
薫子先生はつま先を地面に向けると、グリグリと地面をなぞる。
「その…ね…つまりは…ね」
「?…どうしたんですか」
突然もじもじしだした薫子先生だったが、正樹の声に後押しされるようにぐるっと振り返った。
「あたしが変態教師とおなじだってことよ…その…あの…あたし、沢木薫子は教師のくせに、あなたのことが好きになったちゃったてことよ!…わかった正樹君」
ビシッと先生らしく最後は指をつきつける。
だが、その美貌はまるで幼い子供のように真っ赤になっていた。
「あ…はい」
あまりも勢いある告白に正樹はただ頷くしかなかった。
「うむ、わかればよろしい…あぁー、すっきりした」
途端に、薫子先生は晴れやかな顔になるとうーんと背伸びをする。
大きな胸がまるで曝け出されるように、ふるふる揺れていた。
「あの…」
「しゃら〜ぷっ、返事はいいの、それにこれは忘れてくれていいわ、あたしも忘れるしね」
にこっと笑い正樹を見つめる。
「忘れろたって…」
確かに転校初日の朝に美人の担任から告白されるなんて忘れるわけがない。
「わかってる、自分勝手で正樹君には悪いんだけど、このまま黙ってたら、多分あたしあの変態教師と一緒で君のことど〜にかしちゃったかもしれないし…正樹君にはホント悪いと思ってる、ごめん、ちゃんと配慮はするわ」
ちらっと舌を見せて冗談めかして謝っているが、その瞳は真剣そのものだった。
おそらく、薫子先生にとっては一世一代の告白だったのだろう。
正樹には明日から違う先生がクラス担任になっているのは容易に想像できた。
「さてと、教室いこっか?あれ…?」
正樹は椅子から立ち上がらなかった。
「…先生はいつ僕のことを?」
「そっそれはもう終わった話題だしね…ほら、教室いこうよ」
「いつですか?」
じっと見つめ合う二人。
すぐに真っ赤になって目をそらしたのは薫子先生のほうだった。
「ひどいよ正樹君…そんな見つめて……その…体温測ろうと髪をなで上げた時よ、髪が上がった君をみて、その、ね」
そっぽを向きながら薫子先生は最後のほうは早口で言い捨てる。
「やっぱり…腕輪をはずした時だ…」
正樹の中で、符号が一致していた。
いつもいじめてくる年上の女の子、冴子さん、マイカ、レン、そして薫子先生、みんな自分より一回り以上年上のお姉さん達だけだ。
おそらく、どんな理由かはわからないが自分には年上を狂わす力があることはもう否定できない。
さらにHすればするほど、元気になっていくし…
今、また一人、自分のせいで……
言わなくちゃいけない。
「先生、僕、先生に謝らなければいけないんです」
「え?正樹君が?あたしに?」
「はい…僕、自分でも良く分からないけど…先生を……」
正樹はぐっと拳を握り締め、ぽつぽつと語りだした。
自分のことを。


「なるほど…その不思議な力であたしが君のことを好きになったと思うわけね」
「はい」
正樹は全部話していた。
小さなころのこと、昨晩の冴子さんのこと、電車の中でのこと、そして薫子先生の胸の誘惑に負けて腕輪を自分ではずしてしまったことも…
「ふぅ……正樹君、あなたあたしを馬鹿にしてるの?」
形のいい眉がきっとぐいぐい上がり、唇が引き締まり怒りをあらわにする。
仁王立ちで立つその姿は凛々しいが、胸の下で組まれた腕が巨乳の下に埋もれてしまって、こんな状態でも正樹の股間を刺激している。
「ごめんなさい」
「なんで謝るの?」
黒髪に縁取られた美貌がすっと正樹の前によってくる。
「僕が嘘をついたと思っているんでしょ」
「へ?…ああぁ、あたしが正樹君のことを信用してないと思ってるの?そんなわけないじゃない、あたしが怒ってるのはそんなことじゃないわ」
薫子先生は鼻で笑うと正樹の瞳を真摯に見つめる。
「え…じゃあ。やっぱり力のせいでこんなことになったの…」
「馬鹿」
パンッ
その途端、正樹の頬に両側から鋭い痛みが走った。
薫子先生の両手が正樹の頬をサンドイッチして叩いている。
「あたしはね、自分の魅力に自信をもってないあなたを怒ってるの!ほんとにもう…この子は…あなたがあたしを好きにさせたのは自分の力のせいだったら、それでいいじゃない」
「ふへ?」
頬を挟まれたままの正樹はへんな声を出してしまう。
「あのね、薬や暴力にまかせて女性をなんとか使うってなら話は別だけど…正樹君のそれは生まれ持った力でしょ、ルックスや足の速さや頭の良さとかと何が違うの?」
「違うって…それは…みんなこんな力ないですよ、卑怯です」
薫子先生の積極的思考についていけず正樹は混乱する。
「あのね、だれにだって異性を魅了する力はあるわ、それがあなたの場合人より秀でてただけよ…先生の仕事って言うのは生徒の良い所伸ばしてあげることだし…ね」
「でも…僕の…」
だが、すでに正樹の虜になってしまっている薫子先生には何をいっても良いように取られるしかない。
「それに、あたしもう一つ気になったことがあるんだけど」
正樹の頬を両手で抑え、やさしく正樹の顔を固定する。
「さっき、腕輪わざと外したんだって?あたしを虜にするために…ん?」
「そっそれは…まだ腕輪でせいでそうなるかわからなくて、それで確かめようと…」
クスクスと目の前の美貌が笑う。
それは大人の女性の余裕をもった微笑だった。
「中学生ならわかるわよね…確かめて、もし本当なら?…自分でやったことの責任は自分で取らないとね」
「え?」
「あなたのせいで、こんな変態教師なったちゃのよ…でも、正樹君も同罪だったからね、ちゃ〜んと責任とってもらいますからね……んっ」
突然、薫子先生は正樹の唇にキスをした。
ちゅっ
唇がふれるか触れないかの柔らかいキス。
「せっ先生」
「ふふ、もう一度、聞かして、正樹君も私のこと抱きたくて腕輪はずしたのよね」
鼻先が触れ合うギリギリの距離で薫子先生は瞳を潤ませている。
頬に添えられた手はほんのりと温まり、椅子に座る正樹を上からしっかりと捕まえていた。
「僕は…先生好きです…でも冴子さんや電車の中の二人も…その…こういうのはその…」
「肉欲だって言いたいんでしょ?ふふふ、それでもいいのよ、正樹君があたしのことを気に入ってくれればいいの…あたしね、正樹君があたしのこと嫌いかもって思って…あたしが中学の時こともあるから」
「そんなこと無いです。僕…」
正樹は思わず声を張り上げる。
そんな様子に薫子先生は何か決心したように一度うなずくと、ゆっくりと顔を正樹に寄せだした。
「うん、嫌われて無くてよかっわ、後はあたしが、あなたを愛している、それで十分…ね?」
「…うん」

もう一度二人の唇がゆっくり重なると、お互いの舌が求め合うように絡まりだしていた。


誤字脱字指摘
11/28 mutsuk0i様 1/18 ミラクル様 2/1 TKX様 1/9 あき様 4/2 天満様
ありがとうございました。