謎のイタリアンシェフ

Azuki  Rossi  chef
アズーキ ロッシ シェフ

それから19(02/12/22)

眠りから覚めてもう10日が過ぎました。
今回はこれまででは一番長い時間眠り続けていました。
眠ってしまう時間が長くなるほど、
体力の回復も遅くなりますが、
それがなければ、何ら普通の人々の生活と変わらず過ごせます。
もう、いつもと変わらないくらいに回復いたしました。

招待客へのX'masカードのクックー便を送り、
X'masツリーに星とローソク台を付け、
スノーマンの形のクッキーを焼いて枝に吊り下げました。

今年のX'masキャンドルは、
夏にたくさん収穫したローズマリーを、溶かした蜜蝋に入れて、
香りと成分を抽出して作った、アロマローソクを使います。

黒猫嬢様、Tunaby嬢、Rozeおばさんもそれぞれ
返事を持たせたお使いを寄こしましたが、
Gaviはまだ現れません。
お忙しいAzuki Rossi chefですから、
招待の返事をGaviに持たせたことは、未だかつてなく、
それでも、イブの夜には満面の笑みを浮かべながら現れるのが
恒例となっているのでした。

X'masの飾り付けは整いました。
さあ次は、お料理の準備にかかりましょう。

「まずはラグーソースからね。」
野菜のみじん切りもリズミカルに運びました。
chefから戴いたエキストラバージンオリーブオイルと、
赤ワインはRuvei Barbera d' Albaをふんだんに使いました。
トマトピューレもイタリア産です。
塩は地中海産、黒こしょうとナツメグもホールからおろし立てを使いました。
蓋をして、時々水分を飛ばしながら4時間ほど煮込みます。

いい香りが漂い始めた頃、
Ruveiが”ニャーン”と鳴きながら、キッチンに入ってきました。

「ふふふ、Ruveiやはり美味しい香りに釣られてきましたね。」
「少しお味見をしてみる?」
Ruveiはいつものテーブルの椅子に座り待っていました。

先に私がお味見をして、あまりの美味しさにニンマリとすると、

「Ruveiにも早くおくれ」と言わんばかりに
身を乗り出してくるのでした。

「あはは、Ruveiごめんごめん!さあどうぞ。。」

Ruveiは満足そうにグルグルのどを鳴らしながら
ペロペロっとなめてしまいました。

その時窓の外で、パタパタっと羽根の音が聞こえました。



何と、Gaviでした。
窓を開けると、大きな羽をたたみながらスーッと入ってきました。
袋に入った包みとchefからの手紙を持っていました。

手紙を開けると、今度はちゃんとワープロで書いていました。

「コリー、元気になって良かった。今回もよく頑張ったね。
X'masイブは楽しみにしているよ。」
「menuは何かな?想像だけど、
”リガトーニのラグーソース”に”ひよこまめのスープ”
”イタリアンミートローフ”辺りじゃないかな?」


エッ、どうしてわかるの?と、chefの想像力に驚きました。

「コリー、イタリアンパセリは手に入ったかな?袋を開けてご覧」
と、そこで終わっていました。

すぐに袋の中の包みを開けてみましたら、イタリアンパセリが一抱えほどと、
パルミジャーノレジャーノチーズとひよこ豆が入っていました。

「ワァ、今回は諦めていたのに・・・。ありがとう、chef」

chefのハーブガーデンは虹の上にありますから、
何処へでも移動が出来ます。
一年中必要なハーブを収穫することが出来るのは、羨ましいことでした。。

すぐにお礼の手紙を書いて、Gaviに持たせました。
Gaviはいつものようにオリーブの実を加えて、飛び立ちました。

「さあ、取れたてのイタリアンパセリを使って、
グリーンソースを作りましょう。」

二日間お料理作りに奮闘しました。

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Ms.Koryu
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