子供の時から魔法が使えたという

黒 猫 嬢
くろねこじょう

それから18(02/12/10)

「Maojan、ご苦労様ね。包みを、いま解いてあげますからね。」
そうしてMaojanの好物のチョコを一つ口の中に・・・

包みの中には、良く熟したアップルマンゴーと
黒猫嬢様からの手紙が入っていました。

『コリー、お加減はいかが?
Madam Rozeが知らせてくださったのよ。
さほど心配はしていないけれど、無理は禁物よ』

「ありがとう、黒猫嬢様」
そして、こう続きました。

『先日、ヒマラヤへ出かけたときに、南の島へ立ち寄りました。
コリーの好物のアップルマンゴーが美味しそうでしたから、
買い求めましたよ。』

『そう、吸血ドラゴンを捕獲しました。
なかなか手強い相手でしたが、何とか・・・・。』
『とても巨大で、思い出してもゾッとするような相手でした。
相棒のG.Bの助けがなければ、私は負けていたかも知れない・・・。』
『彼のお陰で命拾いをしました。でも・・・・・』

と、そこで途切れていました。

G.Bとは、黒猫嬢の15年来の相棒で優秀な闘犬です。
狩りに出かけるときにはいつも一緒でした。

何か胸騒ぎがしました。

すぐにでも黒猫嬢様のところへ行きたかったのに、
今の体ではどうしようもありません。

すぐに手紙を書きました。
『黒猫嬢様、吸血ドラゴンの捕獲成功おめでとう。
これで安心ですが、G.Bの身に何か起こりましたか。
なぜか胸騒ぎがしています。』
『私はすぐに元気になりますから、ご心配なく。
美味しそうなマンゴーをありがとう。』

そして手紙をハンカチに包み、Maojanの首に結びました。
好物のチョコレートを2個、口の中に入れて、
「Maojan、ご苦労だけどご主人様にこの手紙を渡してね。」

Maojanは「ニャオン!」と鳴くと、
Ruveiの方を振り返り、一目散に戻っていきました。
Ruveiも、後を見送っていました。

「ねえRuvei、大事ないと良いのですけど・・・」

Ruveiは私の膝の上に飛び乗ってきて、
頬ずりをしてくれました。


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Ms.Koryu
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