見習い魔女の作者

Ms.Koryu
ミズ・コリュ

それから20

「さあ、まずはスプマンテからだね。」
「イタリアのLOMBARDIAへ行ったときに買ってきたものですよ。」
「"La Versa" Pinot DOC(ラ ヴェルサ ピノ)、私がコルクを抜きましょう・・」
そう言って、Azuki Rossi chefが、席を立ったのでございます。

隣の席には黒猫嬢とMaojanが座っておりました。
向かいの席にはTunaby嬢とDenbar伯爵、
その隣にはRozeおばさんが座っていて、
新品種の”枯れず花”の話が弾んでいるようでございました。
Gaviとヒーコンは代わる代わる天井を飛び交っては、
右へ行ったり左へ行ったり、遊んでおりました。
KoryuとRuveiは、その席にはいなかったのでございます。

Azuki Rossi chefが、珍しく魔法も使わずに
慣れた手付きでコルク栓を抜くと、
まず黒猫嬢のグラスにスプマンテを注いだのでございます。
シュアーッとコバルト色の細かな泡がたちました。

黒猫嬢が

「アズーキ、相変わらず世界中を飛び回っているの?」
と聞くと、
「はい、もう58ヶ国のレストランを
その国一番のイタリアンレストランにしました。」
と、
満面の笑みを浮かべて言いいました。
そして、Koryuのグラスを除いて全員にスプマンテを注ぎ分けて、
席に着いたのでございます。


「ほう、また増えましたね。ご活躍で何よりです。」
と、
黒猫嬢。

「はい、一年中世界を駆けずり回っておりますが、この通り元気です。」

空かさずAzuki Rossi chefが黒猫嬢に言いました。
「黒猫嬢こそ、吸血ドラゴンの捕獲に成功したそうですね。おめでとう。
かなり凶暴だったと聞きましたが、お怪我はありませんでしたか。」
すると黒猫嬢は
「私は怪我一つなく大丈夫でした。
しかしG.Bが・・・、G.Bを死なせてしまった。」
と言うと、それぞれの話し声がぴたりと止んだのでございます。

それから19へ戻ります  . それから21へお進みくださいませ
Ms.Koryu
profileトップへ Ms.Koryuの茶論トップ
(フレームページ)