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見習い魔女の作者![]() ![]() ミズ・コリュ |
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それから17(02/12/10) ![]() チチチッ! チュン! チュン! チチチッ! 明るい光がかすかに部屋に入ってくるのを感じました。 頬を撫でる柔らかな毛が、心地よい感触を思い出すように、 「ニャ〜ン!」という声で、フッ!と目が覚めました。 辺りを見回すと、枕元の花がガーベラに変わっていました。 もう何日か経っているのを感じました。 かすかに美味しそうな香りが漂ってきます。 「Ruvei、おはよう!」 「今度はどのくらい眠っていたのかしら。」 そこへ、ガチャッとドアが開いて、Rozeおばさんが入ってきました。 「コリー、気分はいかが?」 いつものように愛称でそう呼ぶRozeおばさんです。 「Rozeおばさん、来ていてくださったの。ありがとう」 「今度は3日間眠り続けていましたよ。Ruveiが知らせにきたの。」 「Ruveiは、片時も離れませんでしたよ。」 そう言って、カーテンを開けてくれました。 青い空と白い雲、青い森が少し眩しくて懐かしく感じました。 「そう、いつもありがとうね。Ruvei!」 ギュッとRuveiを抱きしめると、 グルグルグルといつものようにのどを鳴らしてくれました。 「コリーが好きなスコーンが焼けていますよ。」 「そろそろ目覚めると思って、今朝焼いておいたのよ、食べるでしょう?」と、 キッチンの方からおばさんの声がすると、 返事もしない間に、 美味しそうなスコーンとラズベリーのジャム、 暖かいパンプキンのスープが目の前に並びました。 もちろんRuveiのお皿も一緒でした。 「ゆっくりお食べなさいね。」 「気分が良かったら。後からお散歩に行きましょうね」 「はい、ありがとう。Rozeおばさん」 おばさん特製の大きなスコーンにジャムをたっぷり塗って 2個も平らげてしまいました。 Ruveiも1個半食べました。 私が眠っている間はRuveiも食べていなかったのでしょう。 ベッドにもたれて、雲が流れるのを見ていました。 そうだわ、あの羽根はどうなったのかしら。 カタン!カタン!と音がして、 Rozeおばさんが車椅子を運んできてくれました。 「コリー、髪を結ってあげますよ。」と言うと、 慣れた手つきで三つ編みを二つ編んで、お団子を二つ作ってくれました。 どう? 満足そうに鏡を見せてくれましたわ。 「ええ、ありがとう。おばさん」 部屋を出て、暖炉の側に置いたあのクジラを見ると 上にピエロのお人形が乗っていました。 きっとおばさんがそうしてくれたのでしょう。 横目でそれを見ている私に、 「良い考えでしょう。コリー」と言って、 車椅子を押して外に出してくれました。 暖かな太陽がが眩しくて、一瞬目がくらみました。 でも、陽射しの香りはとても心地よくて・・・。 目を閉じてお日様の方を向き、 大きく深呼吸をしました。 Ruveiは遊び友達を捜して、横を走り抜けていきました。 しばらくするとRuveiが帰ってきましたが、 そこには黒猫嬢様のお使いのMaojanも一緒でした。 Maojanは大きな包みを背負っていました。
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