雲の上にお住まいの


つなびーじょう

それから10(02/08/18)

日が暮れて宴が始まりました。
テーブルの上にはTunaby嬢とDenbar伯爵お手製の
ご馳走が溢れんばかりに並んでおりました。
お屋敷よりも大きな檜の影が、窓の外に揺れています。

キーン!と、何か音が聞こえましたが、
その時は何の音なのか分かりませんでした。
そういえば、数日前の月が綺麗な夜に見た、
このお屋敷の庭の黒い影を思い出しました。
”Tunaby嬢に聞いてみようか”と、頭をよぎりましたが、
気のせいだったのかも知れないと思い、聞くのをためらったのでした。

時間が経ち、とても良い気分に酔いました。
Tunaby嬢はいつものゲームを勧めてくれるのですが、
嵐が大きくなるのが心配でしたから帰ることに致しました。

大きくて重いドアを開けると、
バン!と大きな風圧が広い玄関ホールに入り込んできました。
ドレスの裾を押さえながら、
長い階段を降り始めたその時、
揺れる木の間に何か黒い影が動いたように見え、
恐々とそちらを見ましたが、
大きくうねる幹だけが見えました。
私はブルッと身震いをして、急いで階段を駆け下りました。

家の前にたどり着きもう一度Tunaby嬢の庭を見上げましたが、
いつものように雲に隠れてしまいました。

Ruveiが門の前で待っていて、頬をすり寄せてきました。
抱きかかえるとのどをゴロゴロ鳴らせて甘えていました。
さあ、おやすみなさい。

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Ms.Koryu
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