丹沢 ハタチガ沢終点〜宮ヶ瀬尾根北部 ’5/05/08(日) 晴れのち曇り。新緑。
昭文社の地図にはルート記載の無い、標識も一切無い山域です。
磁石、地形図、高度計必携。
麓から標高差300m程度の低山ですが、転げそうな痩せ尾根もあります。
地元ではハイキングの道として認識されていません。
物見峠から辺室山に向かう分岐にある山の神には「この先行き止まり」の札があり、
この山域への一般ハイカーは入って来ない筈。
先週、土山峠から入る堤川林道の終点から上がって、鍋嵐を経て三叉路まで歩いたので、
今日は稜線の反対側にあるハタチガ沢林道を終点まで行く。
そこから山に上がる道がどうなっているかは不明だが、支尾根を詰めればなんとか稜線に出るはず、
とにかく三叉路から70号線を南に向け歩く。
日曜日なので例によってローリングを楽しむバイクの若者達がいる。強烈な騒音だ。
宮ヶ瀬平成の森の前には車が6台路肩駐車している。釣り人達のものだ。
宮ヶ瀬湖南部の湾岸道路に渡る無名橋(村道15号橋)を渡って左に行くとハタチガ沢を渡る14号橋がある。
これを渡って右岸の舗装林道を上がって行く。
小石や岩がゴロゴロ散乱している道だから、後ろから車が来る畏れは無い、
支尾根の突端のや小沢の堰堤など、取り付けそうな所がないか、写真を撮りながらゆったり歩く。
尾根の突端は断ち切られてコンクリート擁壁になっている。
それ以外の斜面には網が掛けられているが、ぼろぼろ崩れて落石が多い所もある。
ハタチガ沢林道の終点には基点から40分弱で着いた。三叉路からでは1時間半弱かかっている。
(この位置は昭文社の「丹沢」と一致する。 地形図にはこの林道は描かれていない)
![](../110/img/P5080050.jpg)
目の前の踏み跡から入り、山腹を巻いて沢の上の方に行くらしい踏み跡とは直ぐに別れ、
左に踏み跡の無い所から尾根に上がる。後は尾根筋をゆったり上がる。右は雑木、左は立派な檜林。
20分で稜線に出た。
なんと、先週堤川林道から稜線に乗ったと全く同じ場所に、反対側から到達したわけだ。
![](../110/img/P5080066.jpg) |
![](../110/img/touge.jpg) |
倒木で押し潰れた鹿柵の所が峠だ
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先週はここから稜線を南に向かったので、今日はここから北に向かうことにする。
鹿柵沿いに緩い登りで北に向かう。鹿柵の左を歩くと良い。
(鹿柵の右(東側)を歩くと、少し歩きやすいが、幾つか鉄梯子で乗り越える必要がある)
枝打ちした小枝が散乱していたり、狭いところもある。 ここは・597とある傾斜の少ない尾根だ。
後からGPSの時刻データと写真を照合すると、10分ほど進んだ所の「平成六年度植栽」の札の北にある
鉄梯子の辺りが、地図に・597と書かれている辺りと一致するが、顕著な高みではない。
30秒毎の記録間隔にしてあるので正確な話ではない。
僅かに下ってから痩せ尾根になって登り返すと、・597の北の、岩のある無名の小ピークに着く。
倒木の所から20分ほど。
此処は左に巻いて西の尾根に向かう道から右に標高差数m上がるだけで、岩登りは必要は無い。
大きな岩が5個位ある。白いラッパ形の花が咲いている。
水源森林の標柱がある。南の山々が見渡せるので早めの昼食とする。
大山山頂には薄く雲がかかっている。
北に向かう尾根にはフェンスを越える鉄梯子がちょっと先に見えているが、この尾根は土山峠方面なので、
昼食後は、元に戻って、北西に向かう尾根に向かう。
そちらからは巻道風になっていて、この小ピークは気づかずに素通りしがちだろう。
破れた鹿柵の鉄条網が邪魔な道がしばらく続くようになる。
降り始めて数分で、鞍部に小さな石の祠が道の右側の樹の下に置かれているのが見えた。お賽銭もある。
此処では左右に踏み跡があるので、少しだけそちらに入ってみる。
東に向かう踏み跡は右にまがり小ピークから伸びる尾根の中腹の方に向かうように見える。
西に向かう踏み跡は右の方に曲がって行く。
コブを4つほど越えて・617.2のピークに着く。祠から約30分程度。三等三角点がある。
ここで高度計を補正。
・617.2から先は水源森林の標柱がある雑木の緑が美しい所だ。
![](../110/img/P5080143.jpg)
・525の手前では一部松の生えた痩せ尾根がある。
ツツジが咲いている。ほっとする。
・525直前の鞍部で、左に薄い踏み跡かと思われるものがあった。トンネル南口の辺りに降りられるものと
思われるが、最近歩いたらしい形跡はないので判らない。
・525は南北に長いピークだ。北側には「買取り水源森林」の白い看板が立っている。
ここから北は、水源森林の標柱、石柱、青杭の設置作業をした際の、青やオレンジのテープが多い。
・525の直ぐ北の西側には傾斜のきつくなさそうな雑木の斜面が広がっている。
トンネル南口まで標高差200m程度、降りて行って左の支尾根に回り込もうかな、と一瞬思ったが、
明瞭な下山路がある場合なら別だが、トンネル北口を目指す事にしていたので、止めた。
ちょっと心残りなので、10mほど斜面に入ってから尾根に戻る。
・525から北西に25分ほどの標高450m地点で尾根が二分するので、左の尾根の方を進む。
左手に鹿柵が 現れる。一度フェンスが途切れると。契約水源森林の看板があって雑木林になる。
二つ目のフェンスが左に現れ、これはちょっと長い。
フェンスの中は枝打ち間伐が行われていない、放置された若い檜の植林だ。
急傾斜の途中、右手前方に、宮ヶ瀬の宮の平辺りとやまびこ大橋が見える所がある。
その直ぐ先でフェンスが左に曲がって途切れる所がある。標高410m地点。
この辺りに、やたらに赤や青のテープが垂れ下がっている。
左のフェンスに鉄梯子がかかっていてその奥にも赤テープが垂れている。その傍に石柱が埋められている。
幾つか観察してみると、垂れ下がった赤テープは石の埋標または白い水源森林の標柱、
青テープは青い杭の埋標の埋設位置を指示したもののようだ。
道を外れて樹林の中にある事もあり、埋標は森林の区域境界の表示用だ。
![](../110/img/P5080191.jpg)
この地点に私製の標識を取り付け、こちら 、左折してフェンス沿いに西に下る。
数分で左のフェンスは左に曲がるので途切れるが、直進してカヤトの中を下って行く踏み跡が見える。
降りていくと直ぐに踏み跡が薄くなるが、直進の雑木林に入り込まず、右側のフェンスの脇を下るのが正解。
狭く潅木の邪魔な急坂だ。
フェンスが右に曲がる所で右に曲がると、トンネルの上から、左から回り込むようにして
トンネル北口の前の広場に降り立つ事が出来る。
この銘盤は北口にだけに嵌められている。
![](../110/img/meiban.jpg)
トンネル前の広場の先には道路は無い。前方と左は数十m下に湖である。
広場の東、右手の崩落した山腹を尾根の突端の方にトラバースして行く極く薄い踏み跡が見える。
ヘッドライトを点け、トンネルを抜ける。
漏水など痛んでいる所は全く無い、両側に歩道のついた二車線の立派な物だ。1.5m高の幅は7.9m。
トンネル南口からは未舗装の仮称:村道土山高畑線を西に進んで、無名(村道15号)橋を渡る。
5月4日にも見かけたが、年配者の二人乗った軽自動車の巡回車が土山高畑線の中を
歩くような速度でトンネル北口までも往復するのを見た。休日なのに、なのか休日だからなのかな?
県道秦野清川線では、あい変らず、かっ飛ばしているバイクに気をつけながら北上。
三叉路を右折して宮の平バス停には15:24着。 バスは毎時52分発だ。最終は19時52分。
角の店でジョッキ2杯。
本厚木7:50⇒8:37三叉路→宮ヶ瀬平成の森9:15→ハタチガ沢基点9:30
→10:05ハタチガ沢終点10:20→稜線10:40→10:50・597→11:00小岩峰11:36→11:39石の祠11:42
→12:17 ・617.2 12:27→12;57 ・525 13:00⇒13:32左折→13:50トンネル北口
→15:24宮の平15:57⇒本厚木
コース全図は こちら 56kb
余談:
土山高畑線が地形図に描かれていても、存在しない部分があることを、ある林道&トンネルマニア氏の
ページなどで知ったので、何処までは通じているのか、GPSを持って確認に出向いた。こちら
東の土山峠側からは6つの橋があり、その先の切り通しの先の擁壁で工事は終わっている。
その先を更に、湖から上がって来る水没した 旧道の一部に降りて辿ってみても、少し先で
湖面を向いたコンクリート製の壁の所で道は終わりです。
その先、踏み跡を辿って 少し進めるが険しい小谷の所で終わっている。
其処の法面の擁壁の上の尾根の末端には、水源森林の白い標柱が見える。
その終点位置までに接する支尾根は・597の北の小ピーク(600m圏)から・419、・348を経るものか、
・617.2から東に派生するものまでで、・525から東側に派生する支尾根には達しない。地図はこちら46kb
宮ヶ瀬ダムを建設するにあたり、湖を一周する道路を建設予定だったそうで、トンネルと橋はダムと同時に
建設されたらしいが、湖南の道路部分 、仮称:村道土山高畑線は、何らかの事情により事実上中断。
県道からの入口はゲートは閉じられている。
従って、95年10月から湛水開始して98年6月に満水になって昔の道は水没し、尾根の北部では
北や東に踏み跡のある支尾根を下って湖面に出た所で、他の何処にも通じてない可能性がある。
清川トンネル北口以外には、宮ヶ瀬尾根北部から容易に帰れる下山路は手近には無いようだ。
西側のハタチガ沢の側に支尾根を下ると、尾根の先端は林道の所で法面処理された断崖ですから、
脇の小沢に踏み跡の薄い所を急降下する危険な下山になるかも知れません。
更新 05/05/12
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