丹沢 民有堤川林道〜鍋嵐817m ’5/05/04(水) 快晴。爽やかな風。新緑。

昭文社の地図にはルート記載の無い、標識も一切無い山域です。磁石、地形図、高度計必携。

土山峠〜辺室山〜物見峠のハイキング道は何度も通った。
北側に谷を挟んで標高は低いが山並みが見え、その手前に川沿いの林道が見下ろせる。
時には林道を人が歩いているのも見かけたことがある。

あの堤川林道の終点からどこか稜線に上がる事が出来るのかな、ハタチガ沢と結ばれる峠のようなものが
あるのかな、と思っていた。

検索しても林道終点からの上り下りの記録は見えない。 代わりに、
林道入口を通り越した所から取り付き稜線を伝って宮ヶ瀬尾根とかいう所に登り下りする記事が見つかった。
最終的には自分も先日通った物見峠〜鍋嵐間の小ピークに達する事ができるようだ。
宮ヶ瀬ダムが出来る前には某ハイキングの人達の地図読み山行の対象の尾根でもあったらしい。

というような訳で今日は土山峠で下車して堤川林道を終点まで行ってみる。

本厚木7時50分発の宮ヶ瀬行きは満員だった。
三叉路から大倉まで行くという青年と会話した。
煤ヶ谷では20名ほどが下車、土山峠では5,6名。 残りの大半は仏果山登山口で下車だろう。

湾岸道路のゲートは閉じているので、辺室山への登山口から北に少し歩くとゲートの内側に
通じている。仏果山の中腹から移したという大きな岩、座禅石が直ぐ左に置かれている。

村道土山高畑線を進む。橋を一つ渡った左にゲートがあり、ここを左に曲がる。(直進は 行き止まりになる こちら
入口の右側に民有堤川林道の(車の)通行の注意事項が書いてある看板が掲げられている。
標高300m。

道の左に大穴が開いていたり、落石がごろごろしているが、車で踏みつけた跡はないので
車は最近通っていないようだ。のんびり真ん中を歩ける。新緑が気持ち良い。


右の斜面に入って行く道があるかと注意しながら歩いたつもりだが、
入口から2分程の稜線が手近に見える所の他は、それらしい踏み跡は見つからなかった。

右側の斜面はきつく、崩落箇所が多い。道路の全面数十mにわたって石が転がっている所もある。
ネットではこの急斜面を下りて来たという猛者の記述もあったが、何処なんだろう。

突然という感じで終点に着いた。 土山峠からゆっくり歩いて40分だった。標高400m。
前方に右手から細い尾根が下りてきている。


細い尾根を上がって行く踏み跡に入る。直ぐに金網があるが、鉄梯子で越える。
直ぐに、神奈川県森林公社分収造林地 火の用心の看板が細尾根の真ん中に立っている。
その後ろの檜の細尾根を登る。枝打ちされた枯枝が散乱しているので殆ど踏み跡は無い。

10分ほどで、右から左に上がる作業道に達する。この地点にマーキングと青いビニール傘があった。

作業道を進むと、間もなく右に曲がって行く。
檜の植林の中を非常に緩い傾斜でジグザグに上がって行く道だ。
右端では直進する道との分岐が2回ほどあるが、こちらは左に折り返して上がる。
(多分、東に直進している所を行くと、植林の中から急降下で林道に下るのだろう。)
あまりに緩い傾斜の道なのでか、ショートカットしている薄い踏み跡があり長いピンクテープが置いてある。

鹿柵を鉄梯子で乗り越えて数分で、大きなモミの木がある明るい細尾根に出た。
周りの新緑に包まれた山々が見える。


作業道は細尾根を直登で少し進むと、もう1本の大きなモミの所で左に曲がり、
檜林の中で右にカーブして鹿柵に突き当たる。
道はそのまま、鹿柵沿いの右側を北に緩やかに上って行っている。

稜線に出たら、南下するつもりなので左に進みたいのだ。一旦停止する。林道終点から40分。

フェンスは、南には細尾根になっての急傾斜の降下だ。その脇は潅木が多く、道は見えない。

現在地点を確認する。  
  北緯35度29分40.1秒:東経139度14分50.8秒だから、
   地形図では・597の約200m南の標高580m地点だ。
  予定の稜線上に居る。 (地形図の林道終点の位置が正しければ、そうと思っていた所と一致。)
緯度・経度共に10秒:縦約300m、横約250m刻み
後でGPSの軌跡をカシミールで描画

 ここは宮ヶ瀬尾根の先端まで1/3ほどの所だ。
直ぐ傍で大木が倒れてフェンスを押し潰している所で、踏み越えてフェンスの西側に出る。
(後に、フェンスと直角に、向こうに下ればハタチガ沢林道の終点に降りられる事が判った。 こちら)


南に下る尾根の中心に立てられたフェンス沿いには潅木が近づいていて道が有るようには見えなかったが、
フェンスからあまり離れないよう潅木の間を下ると直ぐにフェンスの両側に踏み跡が明瞭になって来た。

降り出して6分ほどフェンスが終わるが、鉄梯子が設けられているのでフェンスの中を進んでいたとしても大丈夫だ。

傾斜が緩んで、険しい痩せ尾根が30分近くも続く。
岩ゴロだったり、むき出した木の根だらけの所もある。なんとも不思議な所だ。
   


登り返しは伐採されたのか東側が見通しの良い明るい尾根になる。
水源林の標柱が現れる。180番。

30分ほど上がると左に曲がる所がある。上から見返すと水源森林の標柱に「右へ」と書かれていた。
約100m進むと尖った小ピークに着く。標柱の番号は147。暫く休憩。
エアリアに「能ノ爪」と表記されている尾根の740m圏ピークだ。


小ピークからは左右(東西)に急坂がある。
左に下りて行くと直ぐに物見峠〜鍋嵐への縦走路だ。
巻道が通っているので大抵の人は小ピークを通らず、こちらを行くようだ。

ピークを巻く道も足幅が狭く今にも落ちそう。縦走路を鍋嵐に向けて西に進む。


これも険しい痩せ尾根だ。熊鈴を鳴らしながら頑張る。

40分ほどで鍋嵐の直下の急登をこなすと、山頂に独り男性がいらっしゃる。
熊鈴がうるさかったでしょうと、あわててしまいこむ。

先方もこんな所で人に出会うとはと驚いていた。
話してみると丹沢に詳しい方だ。暫く丹沢談義。

大きなカメラを使う趣味の若い方で、花立小僧のハンドルネームでネットに発信しておられる。
花立小僧さんの、この日の記事 こちら

花立小僧さんは物見峠から往復の予定とか。
物見峠から山の神のある高みに上がらず、手前の標識の所から左折して来たそうだ。

だから、山ノ神の左手にこの山域への稜線に立入を防ぐ札が掛かっているのは見なかったそうだ。
実は自分もまだその札は見たことがないが「この先行き止まり」の札は誰が書いた物なのか興味がある。

自分は北峰の810mから北に下って三叉路に出るつもりなのでと、お誘いしてご一緒する事に。

810mからは北に滝沢右岸の・677を目指して下る。
・677は北緯35度29分37秒:東経139度14分13秒で地形図と一致した。

水源協定林の看板の図に現在地の○印の辺りの字は「煤ヶ谷字四拾八曲がり」とある。
上の方は「煤ヶ谷字鍋嵐」。いづれにせよ、この下の方は「宮ヶ瀬字滝の沢」。

更に北に下って、先日この道を登った時の取付き点に無事降り立った。 (4月17日 鍋嵐〜辺室山の記事
標高310m。

まだ14:35なので、湖岸道路を東に進んでハタチガ沢まで行って見る。
来週、この奥まで探訪に行く。  こちら

新緑が綺麗な所で、橋の下にはシートを広げて楽しんでいる若い人達が見える。
ハタチガ沢の右岸には立派な舗装林道が造られている。


更に進んで、清川トンネルの入口の見えるところからは・617.2が大きい。

擁壁脇に清川トンネルの南口が見える。 山は支尾根

全長653m幅員5.5m清川トンネルから先は道が無いので、今日のところは此処までで、引き返す。

無名橋(村道15号橋と脇に銘盤があるとか)を渡って三叉路のバス停に向かう。
右の駐車場はバイクを疾走させる若者達の溜まり場だ。

橋から清川ンネルの北口の構造の上部と擁壁部分が僅かに見える。 近いうちに行くので確認。
山頂から下に続いて見える檜林の下の白い所
左の部分拡大。



左の登山口から降りて来た男性がいた。
未だ4時前なので、お早いですねと声を掛けると、途中まで行っての往復だと言う。
同じ7時50分発のバスだったとか。 標高700m付近でシロヤシオが咲いていたそうだ。

バスの待ち時間がたっぷりあるのでBSの先の角の店で生ビールを。1杯追加。\(^-^)/

道路は渋滞している。バス停には丹沢三峰を下って来たと思われる人達が15人ほど。
5分遅れてきたバスは満員だったが次の駅で追いついてきた増発便に乗り移る。


本厚木7:50⇒8:35土山峠→林道堤川線終点9:15→宮ヶ瀬尾根稜線9:53→ピーク10:53〜11:37
→12:13鍋嵐12:55→13:39・677m13:53→14:35登山口→14:52清川トンネル手前15:00
→15:10登山口⇒15:15無名橋→16:02宮の平16:57⇒18:20本厚木1835⇒新宿


コース図は こちら

余談、
検索すると唐沢キャンプ場から鍋嵐に向かって上がる所の鹿柵の扉には、次のような立て札があるそうだ。
「許可なく柵内の立入を禁ず 破壊厳禁 県有林事務所」

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