本石倉は函館本線の非電化複線区間内に短い対抗式ホームを有する駅である。最初は信号場として開設されたが、1948年に仮乗降場、1987年の民営化で正式な駅に昇格した歴史を持つ。

 駅前を国道5号線が通り、その道路に添うようにして民家が建ち並ぶ。集落の裏手には内浦湾、いかにも漁業で生計を立てた人が住み着いた感じの立地である。

 上りと下りホームをつなぐ跨線橋はなく、山側の下りホームに行くには一度ガード下をくぐって坂を上り、郵便局の所に行く必要がある。下りホームには上りホームにはない待合室が設置されている。

 近年、本石倉の1日の平均利用者が3人以下という状況が続いていたが、赤字が深刻なJR北海道がそれに看過できなくなっているようで、2022年春のダイヤ改正で本石倉の廃止を検討している事が判明した。漁業従事者が列車を使う機会があまり無いのと、約2キロ先の石倉で代わりが利くという判断をしたのであろう。

 「いかめし」で有名な森と石谷の間にはかつて桂川という駅も存在していた。2022年に石谷と、ここ本石倉もなくした場合、森~石倉間は都合3駅なくなることになり、その駅間距離は12.6キロにも及ぶ。

 私が本石倉を訪問した時は函館本線の廃止対象駅が判明した直後だったが、本石倉に下車する人や車で訪れる人を数人見かけた。私と同じく、すぐに反応する人が出てきていると感じる今日この頃であった。

                                                          (2021.9.24)

短い対抗式ホームの本石倉。JRになって仮乗降場から正式な駅に昇格した。


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本石倉に到着する普通列車。天気が良ければ駒ケ岳が見える。
本石倉の上りホームへ行くには階段を使い、下りはガード下をくぐって坂を上っていく必要がある
本石倉のホームから見える噴火湾。駅周辺には狭い平地に造られた漁港立地の集落がある。
Hon-Ishikura
本石倉