Kikusuiyama
菊水山
菊水山の駅出口
菊水山のホーム
 菊水山は神戸電鉄有馬線にある駅で周囲には民家がひとつも見当たらないが、これでも港町のイメージが強い神戸市内に属している。

 菊水山の存在は牛山隆信氏の著書、「秘境駅へ行こう!」で初めて知った。私は元々JR線を中心に見ていたので私鉄の方はあまり見ていなかった。しかし「秘境駅〜」で菊水山の存在を知り、関東の駅百選の駅を巡っている内に私鉄の駅もまんざらではないと感じた。ただ東京の人間にとって神戸は少し遠く感じたため、「菊水山もいつかは行ってみたいな」程度に考えていたが、行かざるを得ない事態になってしまった。

 それは神戸電鉄が菊水山の利用者の少なさ、カードの対応が困難なのを理由に平成17(2005)年3月末をもって駅の営業を休止するという発表をしたからだ。私は青春18きっぷの時期に「ムーンライトながら」を使って一路神戸に向かい、菊水山の訪問を実行することにした。神戸電鉄の起点が湊川なので神戸駅から新開地方面に向かって歩いたが地理不案内のため長い距離を歩いた気がした。やっぱり神戸駅で降りたときは高速神戸駅で乗換えをした方が良かったのかなと感じた。

 湊川に着いたら着いたで発車時刻を見たところ、菊水山に停車する電車が少なくやむを得ず準急で鈴蘭台に行った。鈴蘭台で降り、停車していた新開地行きの普通電車の運転席を調べたら菊水山の停車を確認できたのでこの電車に乗り込んだ。菊水山で降りる時にきっぷの回収に来た車掌さんに「菊水山に止まる電車がなかったので鈴蘭台まで行った」と言ったら、あっさり了承してくれた。

 菊水山の発車時刻表を見てみると停車する電車が少なく、最悪の場合、次の電車まで2時間待つ事態にもなりかねないので、もし訪問する場合はきちんと計画を立てた方がよい。ホームに立っていると短い間隔で電車が通過して行く。その時の電車の乗客は私の事を「ただのアホ」と思ったかも知れない。

 ここから神戸の市街地へは電車で10分、隣の鈴蘭台も民家が密集したベッドタウンになっているので、営業が休止したら菊水山の存在が急激に風化してしまう気がした。
菊水山の対向式ホーム
菊水山の駅入口
菊水山を通過する神戸電鉄の電車


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