八高線の明覚は平仮名で表記された町、ときがわ町にある唯一の駅で、竹沢と同じく、線内でローカルな雰囲気を醸し出している駅の一つである。

 ログハウス調のおしゃれな感じの駅舎になっているが、先代の駅舎は1988年に火災によって消失。それを機に地元都幾川村(当時)の木材を使用し、周りの風景に溶け込んだ駅舎を新築して現在に至っている。

 明覚の駅舎の評価は高く、1990年に県の景観賞、1997年に関東の駅百選に選定された実績を持っている。火災は一大事だったかも知れないが、旧駅舎とは全くイメージが違う駅舎にしたことが功を奏した形となっている。

 元々はきちんと駅員が置かれている駅で村の玄関としての役割を担って来たが、2006年に隣接する玉川村と合併して、ときがわ町になり、利用者が年々減少していた影響もあって、2013年に無人化という措置を取られてしまった。

 駅前にあるバス停の近くにある町の観光マップを見てみると、町の自然を生かしたトレッキングが一番の目玉として大いにアピールしている感じを受けた。明覚の駅舎はその自然の恩恵を受けたものと言っても過言ではない。

 無人化で利用者も減少傾向にある明覚ではあるが、町の玄関口である風情は何ら変わっていない。何年たっても瀟洒な感じを保っている駅舎がそれを物語っているようだった。

                                                            (2016.2.18)

 
Myokaku
明覚
明覚周辺のローカルな風景は八高線内でもトップクラスである。
地元の木材を使ったログハウス風の駅舎が特徴の明覚の駅舎
八角屋根の下の明覚の待合室。
ログハウスの駅舎の下には古い駅名板とSuicaの簡易IC改札機が混在する。


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