礼受は1921(大正10)年に留萠から増毛まで延伸された時に正式な駅として設置された。最初に「れ」から始まる全国的にも珍しいこの駅名は「曲がっているところ」というアイヌ語の「レウケ・プ」から来たものだという。

 駅を出たら目の前に広がる日本海はかつてはニシンの漁場で、漁期にはこの礼受も賑わったという歴史を持ってはいるが、乱獲が影響して今ではニシンが獲れたことが想像できないくらいの穏やかな海になっている。

 無人駅となった礼受はかつての駅舎があった場所の上に貨車を改造した待合室が置かれている。本来貨車駅のペイントはこまめに塗り直さないとボロボロになってしまうのではあるが、近年はその様子がなく、加えて海からの潮風の影響もあるために表面はけっこう傷んでいる印象を受ける。

 半ば目の前にある民家の駐車場と化している礼受の駅前広場を通り過ぎると日本海オロロンラインの別名を持つ国道231号線に出ることができ、徒歩数分のドライブインを過ぎて間もなくすると増毛町に入る。留萌本線と同じく、国道も日本海を並走する道路だ。

 留萌本線と並走する国道231号線だが、礼受の駅近くには沿岸バスの礼受駅前というバス停が存在する。そんなバス停の時刻を調べてみたら、日中は1〜2時間おきに運行され、本数は留萌本線の列車よりも多い。

 2015年現在の留萌〜増毛間の利用者は国鉄末期に比べて10分の1にまで減ったという報告があった。近年は自然災害の影響もあって運休するというアクシデントもあったが、バスの時刻を見たら、留萌本線の利用者が減って廃止の憂き目に遭ってしまった理由はなんとなく分かった。
 
                                                              (2015.9.15)
 
礼受のホームの先に広がる日本海、昭和20年代はニシン漁で栄えた漁場だったという
貨車を改造した待合室が置かれている礼受


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Reuke
礼受
礼受のホーム
礼受に到着した留萌本線のディーゼルカー、この光景が見られるのはあとどれくらいか