留萌本線は、留萌を過ぎると車窓から日本海が姿を現して、乗客の目を惹きつけてくれる。日本海が見えて最初に到着する駅がこの瀬越である。

 駅を降りればオーシャンビューが独占出来てしまうこの駅は、近くにある瀬越浜が海水浴で賑わっていたため、その客を見込んで設置された臨時駅が起源である。国鉄時代は仮乗降場が時刻表に掲載されなかった反面、この瀬越は頭に(臨)の字が入りながらもきちんと掲載されていた過去がある。

 駅から急坂を上るとその高台には税務署やドラッグストアやコンビニがあり、北海道のローカル線にしては珍しく食べ物の買い出しも可能だ。

 昔は貨車だった待合室はコンクリート製の簡易なものとなっている。しかしながら室内に入ってみると中はベンチではなく一人掛けの椅子が誰かが置いて行ったかのようにポツンと佇んでいる。だが瀬越の待合室の中には駅ノートが設置されているので、コンビニで買ったものを食べながらノートに書き込んだり、時には海を眺めたりと次の列車の待ち時間が1時間くらいだったらあっという間に時間が過ぎてしまう感じがする。

 日本海の景色が素晴らしい留萌本線の留萌〜増毛間だが、近年は災害による運休が多く、乗客も激減してしまった影響でJR北海道は2016年内に廃止する方針を打ち出している。

 留萌本線から見える日本海の景色、行けるなら本当に今のうちかも知れない。

                                                              (2015.9.15)
瀬越のホームから増毛方面を望む
日本海のオーシャンビューを堪能できる留萌本線の無人駅、瀬越
Segoshi
瀬越
瀬越から見える日本海。元々は海水浴客向けの臨時駅だった。
瀬越の待合室の中。なぜか椅子が一つしかない。


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