師走の深夜、室町通りを南へ駆ける俳人二人。折からの強い風雨で小提灯が消えてしまう。「馬提灯を持ってきてたら」蕪村がくやめば 「世の中のことは馬提灯がよいか何がよいかわかるものか」と返す太祇。その答えに俳諧の妙を蕪村は悟ったよし。 春風馬提曲の最後をなき友の句で締め括っています。

怠らぬあゆみおそろしかたつぶり 炭太祇
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