きりぎりすひぐらし 色々の色音の中に わきて我が偲ぶ松虫の声
  りんりんりんりんとして 夜の声めいめいたり 
     すはや難波の鐘も明方のあさまにもなりぬべし 
  さらばよ友人 名残の袖を招く尾花のほのかに見えし跡絶えて 
草茫々たる朝の原に 虫の音ばかりや残るらん 虫の音ばかりや残るらん  
                                  
謡曲 松虫
わが園に咲きみだれたる萩の花朝な夕なに散りそめにけり 良寛
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