外来の文学・思想・技術等は、いずれも仮名文字の屈伸性・弾力性・連結性などによりて、国民精神発展の上に自由に取入れられたのである。この事実を考えてみると、我らは平安朝女性の創造的天才に対して、十二分の謝意を表すべきである。
鈴木大拙は「日本的霊性」でこう述べていますが、紫式部の時代から樋口一葉へ至る千年の間、文芸上存在した数少ない女性の一人が千代でした。
ところで、桔梗には謙抑の徳を感じますが、一茶と漱石は独自のとらえ方をしています。
きりきりしゃんとしてさく桔梗哉 一茶 仏性は白き桔梗にこそあらめ 漱石
桔梗の花咲くときぽんと言ひそうな 加賀千代